普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

余りにも軽すぎないかマスコミの原発報道

2011-06-15 15:10:48 | 情報、マスコミ
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 福島第一の事故処理の遅れ、原発の被害者達の報道、菅さんの浜岡原発の停止の要請、イタリーの原発の国民投票での反対派の大勝利などで、最近のマスコミ、特にテレビは反原発の報道一色です。
 マスミミの報道のお蔭で日本国中挙げて節電ムードが高まっているのは良いことですが、問題点も多くあります。
[反原発報道の前にやらねばならぬこと]
・そのような空気の中で、原発を持つ地域の首長や議会では原発再開の容認に対してどこま慎重姿勢を取り、一カ所も再開できた所はありません。
 原発は普通不便な所に建っているので、原発を止めても補助金は減るかも知れませんが、地域の産業への影響は工業地帯ほど大きくなくて済みます。
 それだったら地方の首長や議員達は、日本のことより地域のことを考えれば原発再開の容認に二の足を踏むのは判ります。
 この儘で進めば、電気料金は家庭毎の電気料金は月に1000円値上げの可能性があると報道されています。
 これ自身も消費の減少に繋がりますが、それを抜きにしても只でさえ、経済の沈滞に苦しんでいる上に、原発の停止による電力不足のため、大震災の大きな被害を受けた日本全体の商業活動、生産活動に更に大きな影響を与えます。
 一部の識者は高い電力料を嫌ってまた企業が外国に逃げるのではないかと言っています。
 常識的に考えても、危ない原発から安全なエネルギーへの転換は良いとしても、日本経済に大きな影響を与えないように、時間を掛けて(或る学者は20年間と言っていました)原発を漸減し、それに変わるエネルギーへの転換をすべきです。
 そのためにマスコミのすべきことは、今後時間がかかる原発事故調査委員会の結論が出るまえに、下記の件について調べて福島第一の事故が一事が万事で他の原発にも通用するのか否かを確認し報道することです。
・今回の福島第一(事故の後処理でなく)の事故発生の原因を明らかにするこ
・福島第一と他の原発の違いを明らかにすること(例えば同じ地域の福島第二や女川が同じ大津波に襲われても何故無事停止したかなど)
・福島第一の抱えている問題と共通の問題があればそれを指摘すること(例えば廃棄物の処理など)
[福島第一と他の原発の比較]
 ここでは玄海原発の例を挙げてみます。
・大津波の危険性
 福島第一:前々から大津波の危険性を指摘されていたし、昭和以降の周辺地域ではその実績もある、
 玄海:指摘も殆どないし、実績もない
・地震の可能性
 福島第一:東北から南海に掛けての様に大規模な地震の確率が高い
 玄海:少ない、あるとすれば活断層による地震だけ
・設備の違い
 福島第一:1,2号機などは原発設計の基礎が確立していない1967~69年ころ建設されたオンボロ設備。
 そのご技術の進歩に従ってアップデイトしたかどうか不明
 報道によれば、福島第二は緊急電源設備を原子炉建屋に入れたが、第一はタービン建屋に入れたまま。
 玄海:1号機は1975年
・今回の事故の原因となった冷却水系の状態
 福島第一:事故前の同系統の検査結果隠蔽の報道、津波が来る前に故障していたと言う報道、外部電源のバックアップ不足と思われるが確かなところ不明、事故後緊急電源車の導入を指示される
 玄海:不明、事故後緊急電源車の導入を指示される
・企業の体質
 福島第一:東京電力のお役所体質、隠蔽体質、政府に対する政治力
 玄海:九州電力の体質不明、wikipediaによれば東電ほど酷くない?
・現場と本社のコミュニケーション
 福島第一:事故処理の報道に依れば可なり酷い様子
 玄海:不明
 マスコミ、特にテレビはこの様な当たり前の手順も踏まずいきなり、日本の原発政策を明らかにすべきと言い、イタリーの反原発の人達が踊り廻るのを報道しています。
[マスコミ、特にテレビの責任]
 日本人は空気に流されやすい国民性を持っています、良い所は前に書いたように、電力不足の報に素直に節電に走り、今回の大震災には2700億の義援金を寄付したり、ボランティアに応募したりします。
 悪い所はマスコミの報道を視聴者がそのまま信じ込んでしまうこと、そして国民の考え方が最近では政治にも反映しやすくなっていることです。
 一番よい例は、小泉さんとの刺客戦術に乗せられたマスコミの報道での小泉さん大勝利、安部さんの時の「赤城さんの絆創膏報道」に象徴される閣僚問題の追求による安部さんの大敗(当時は事務所経費の書き間違いなどでしたが、今の小沢さんの「政治と金」に比べれば如何に小さいことを大きく報道された判ります。)
 麻生さんの漢字の読み間違えとうの反自民キャンペーンでの(民主党政権になってエコカー減税などの経済政策で評価された)麻生さんの大敗です。
 マスコミ、特にテレビはその政治に及ぼす影響力の大きさを自覚して、その報道姿勢を考えるべきだと思います。
 今回の反原発キャンペーンに似た報道でまた国民と国の方向を誤らせ、原発の再開遅れまたはこのまま停止→経済のこれ以上の沈滞を招くことのないようにして貰いたいものです。
 マスコミ、特にテレビは自分達で(原発停止の問題点も言わず)、福島第一の原発問題を一事が万事のように煽っておいて、世論がそれに流され原発再開出来ず→電力不足→経済不況→失業者や生活保護家庭の増加に就いて政府の努力が足りないなど批判したら、今までのように政治だけでなくて、マスコミ自体の信用をなくすことになると思います。

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