普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

日本に強いリーダーが出るのか

2011-06-11 10:51:50 | 菅内閣
人気ブログランキングへ
ダイヤモンド・オンラインで元自民党の参議院議員の田村耕太郎さんの日本人は本当に強いリーダーを求めているのかと言う彼の旧師で「ジャパン・アズ・ナンバーワン」著者のエズラ・ヴォーゲルさんに聞くという記事を見つけたのでその概要を紹介します。
 内容はヴォーゲルの学者らしい控えめの意見に対し、田村さんが自分の意見を可なり書いて居ますが正論と思うのでそのままとりあげます。
田村:日本のリーダーシップが短期に頻繁に変わる背景には何があると思われますか?
(ヴォーゲルさん):リーダーシップ育成と統治機構の両方に問題があるのではないでしょうか。リーダーシップは若いころから組織を任せてやらせてみないと育ちません。日本では企業も政党も官僚機構も若い人に大きな責任をもたせて鍛える機会を作っているのでしょうか。
田村:日本は、政治家がリーダーを選ぶ議院内閣制ですが、日本の政治家は小泉さん以降強いリーダーを選ぶのを避けている傾向があるのではないですか。
V:確かにその傾向はありました。派閥や有力議員との貸し借りを理解し、人事も政策も調整型でないと選ばれません。その時点でほぼリーダーシップは否定されています。強く有能なリーダーが選ばれてしまうと自らの出番が減ることを怖がる有力議員もいるのです。
V:中国の指導者教育は、いい面も悪い面もありますが、優れた指導者を生み出す傾向が強いと思います。若いうちから次世代のリーダー候補生を自治体や国営企業に送り込み、責任と権限を持たせて、運営させてみる。その中でうまく運営できたものだけを選抜してさらに大きな組織を任せる。その繰り返しでリーダーを育てていくのです。
 育てるだけではなく、実際に登用する。勝ち残った本当に強いリーダー候補生に年齢にかかわらず大きな権限と責任を与えるのです。この点はなかなか素晴らしいと思う。
田村:中国は選挙がないのでパフォーマンスがいらないですね。経済成長率や雇用等、政治が出す結果だけが国民の支持の源になります。メディア対策もいらないし、結果重視なのである意味政治家が仕事に専念しやすくていいですね。日本も地方の首長あたりから鍛えて選抜したらどうでしょうか。
V:まず地方にもっと権限と責任を与えるところから始めないと。だから地方にもっと権限と責任を渡さなくてはなりません。でも地方に権限を渡すのは中央の官庁が最も嫌がることでしょ。それこそ中央の政治のリーダーシップがないとできないでしょう。
田村:政界に限らず、日本の組織は人間関係重視でコンセンサス重視です。若くて新しい個性の強い人材をリーダーに迎えることが難しいと思います。特に政界での男の嫉妬の世界では、強いリーダーほど嫌われます。小泉さんが登場してきた時も、国会議員票だけでは勝てませんでした。当時の自民党の総裁選挙が今より地方票を重視していたので、疑似大統領の選挙のような形になって勝てたのだと思います。私は国民が2年間くらい時間をかけてじっくりトップを選んでいくような仕組みが望ましいと思います。
V:その方がいいと私も思いますが、それこそ憲法改正が必要じゃないですか?制度改革が必要なことはわかっていますが、それを実現するにはまずリーダーシップが必要なんですよね」
田村:それができたらすでにリーダーシップはあるということですね(笑)。何から始めたらいいのでしょうか。ねじれても国会が機能しやすいように参議院の力を弱めるとか、首相公選制にするとか。当面の復興や社会保障制度も重要ですが、統治機構を安定政権で変えていくのが勝るとも劣らない重要なテーマだと思います。

[私の意見]
・私の現役のころ、所属する某大企業の存亡を掛けた大プロゼクトが実施され、その保全組織の立ち上げに関わったことがありました。
 上司の課長は正規の作業員を今までの学校出のスタッフに登用することだけ決めて、その他の細かい所は総て新米の係長である私にまかせてくれました。
私は大物の課長の下で、新組織と新制度の立ち上げと言う私の能力以上の大きな仕事が出来ました。
 課長はまた保全の仕事が始まるまでは、全員を建設のチームに移すと言う思い切ったやり方で、当時余り仲の良くなかった建設コストを下げたい建設部門と、保全コストを下げたい保全部門の仲を一度に改善しました。(今問題の福島原発の設計部門と現場の保全部門の関係はどうなっているのでしょう。)
 プロゼクトの第一期工事は、会社としては最初のエンジニアリング会社への委託などの関係があり、初期トラブルが続出し大きな手直しの必要がありました。
 それで第二期以降に備えて建設基準を作ることになりましたが、建設の課長がまた大物で、保全側の意見を殆ど取り入れてくれました。
 それで第二期、第三期とも順調に工事が進み、初期トラブルも大幅に減ることができました。(福島第一では現場の意見がどれほど建設側に取り上げられたのでしょう。)
 然し私の上司は業者との派手な交際のため、建設の課長は本社との連絡が良くないとしてMモンロー主義と批判され、実力に相応しくない処遇のままで終わりました。
 日本はこまようにコンセンサス重視の国柄です。
  従ってトップダウンよりボトムアップでヴォーゲルさんから「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われる程の日本になりました。
 その現れが製造業で主に行われていた自主管理活動、改善活動です。
 私も政治の世界でこれと言ったリーダーが出ないのを嘆いています。
 その最大の要因は政治家に危機意識の無いことです。
 一昔のように政治が腐っていても、2・26や5・15事件は起こりません。
 一旦当選すれば、後は自分達の思いのままです。
 今捩じれ国会が言われていますが、その最大の原因は参議院も衆議院と同じに既成政党に有利になる選挙制度に変えてしまったことです。
 このような事は憲法を変えなくてもできることですが、どの党も選挙制度の見直しなど言いません。
 然し最小限度の事は今の制度でもできます。
私が若い時に逢った二人の課長のようにどの様状況でも、強いリーダーシップを発揮できます。
 マスコミでも良く言われるように、トップに立つ人が大きな方針を出し、後は自分が責任を持つとして細かいことは総て部下に(政治家で言えば官僚に)任せることです。
 良く言われるように官僚が小細工すれば、それだけを政務三役でしっかり押さえれば済むことですが、民主党政権は首相以下政務三役が官僚を信頼できず、自分でやろうとして失敗して仕舞いました。
そうかと言って最大野党でもリーダーシップを発揮出来そうな人はいるとは思いますが表には出てきません。
本当に何とかならないのですかね。

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。

政治・人気ブログランキングへ

プログ村政治ブログへ