普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

計画停電と電源サイクルの不統一の日本

2011-04-01 07:52:11 | 電力、原発

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 某ブロクで電力不足で計画停電とはおかしい。世界のエネルギー統括団体(済みません名前を忘れました。)の長が日本の電力は余っていると言っている。火力でも水力の電力を首都圏に廻せば良いと、書いていました。
 著者は私と同じように情報不足で、日本は世界独自の50hzと60Hz周波数が一国で共存している珍しい国だと言うことを忘れているのです。
 この問題に就いて、
wikipediaの商用電源周波数は次のように纏めています。
一国内に50Hz地域と60Hz地域が混在する例は極めて珍しく、地方によって厳然と周波数が違うのは日本くらいと言ってよい。 現在の日本では供給側にとって周波数を統一する必要性は殆どない。周波数を統一するには(大きな手間と費用がかかるので)現実的には殆ど不可能に近い。周波数変換所によって東西間の電力の交流は100万kW(東清水変電所が本運用になっても120万kW)と少ない。
 東西で融通可能な電力量の少なさは前述の周波数統一の頓挫が遺した弊害でもあるが、これ自体はかねてより電力業界では認識されていたものの、発電所を建設するに比べ多額の投資を要することを口実に、事前に認知していたにも拘らず問題を先送りしてきた経緯がある。だがこの大災害によって現実のものとなってしまった。かつて国内の周波数が皆ばらばらだったアメリカやイギリスにおいても、周波数を1つに統一していった歴史がある。そのため、数十年以上前から専門家の間で指摘されていた日本の電力業界全般における根本的な問題が今回の東日本大地震によって広く一般の日本国民にも知れ渡る結果となった。

この問題の大きさはこれ以上書くことはないでしょう。
 前にも少し触れましたが、私が現役のとき周波数統一問題がでて当時50Hzの九州は九州電力も私達のユーザー側も多くと努力と費用を払って電力の効率の良いとされる60サイクルに変えました。
 然し50サイクルにこだわった関東・東北圏は、主として福島原発の大事故の大チョンボと新潟県の許可が出ずに、一部停止している柏崎原発のための電力不足も、他の60サイクル圏からの電力の供給を受けることができず、計画停電を招き、唯でさえ厳しい経済環境にある日本に大打撃を与えました。
 昨日のテレ朝の「報道ステーション」では東北地方には自動車、家電関係の部品の製造工場が多くあること、そして主として地震の被害を受けていることと、一部はここの東北電力の火力発電所の地震の被害による計画停電で生産に少し影響があることを放送していました。
 然し、阪神淡路の地震の場合と同じように地震による設備、工作機械の被害は数カ月で無くなると思います。
 然し東京電力の場合は福島原発の復旧はほぼ絶望的なこと、柏崎原発の運転開始の県の承認が得られそうにないようで、計画停電は可なりの長い間続くようです。
 その間の首都圏の多くの工場の生産減は続くし、人々も節電や交通の渋滞混乱などの苦労が続きそうに気配です。
 一方東京電力の株は5分の1に暴落、国有化の話しまででています。
 これでは某週刊誌から「東電の大罪」と言われても仕方がないと思います。
 私は保全技術の面から東電の体質のお役所化を書いて来ましたが、最近私の推測を裏付ける多くの事実がネットに現れてきました。
・震災直前の11年3月1日の 福島民友ニュースのニュースです。
保守管理の規定の期間を超えても点検を実施していない点検漏れの機器が見つかった問題で、東京電力は28日、経済産業省原子力・安全保安院に調査結果を最終報告した。報告では福島第1原発で新たに33機器で点検漏れが見つかった。県は「信頼性の根本に関わる問題」と東電に再発防止策の徹底を求めた。
 東電によると、福島第1原発で見つかった点検漏れは定期検査で行われる機器ではなく、東電の自主点検で定期点検が行われている機器。しかし、最長で11年間にわたり点検していない機器があったほか、簡易点検しか実施していないにもかかわらず、本格点検を実施したと点検簿に記入していた事例もあった。

 そして今回のその洩れ箇所の判らない放射能を帯びた水漏れです。
今回の洩れ箇所が上記報告で手を抜いた箇所だったとしたら。
・東京電力の社長コースは、「東大法学部卒業、総務畑」。東京電力の総務畑が力を持つのは、官庁、政治家、マスコミ、住民運動、プロ株主などうるさ型を相手にするからだ
・東電から東大始め多くの大学に多額の寄付をして原発支持の御用学者を集めていると言う反原発の人達。
 こんなことを聞くと、電源周波数の統一が問題になったとき、東電が真っ先に統一反対に動いたように思えてならないのですが。
 そしてそれが今回の計画停電で首都圏の人達に大迷惑を掛けたり圏内の企業に減殺を強いるいう自分で自分の首を締める結果になっているような気がします。
 私は何度でも書きますが、国有化するか否かは別にして、東京電力の体質の改善が無ければ、首都圏の人々や企業の電力に関する問題解決の抜本的対策にならぬような気がして仕方がないのですが。


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