「川柳くろがね」20109年1月号より
前月号鑑賞 石神 紅雀 選・評
「のほほんと生きてのほほん逝くつもり」中村 鈴女
しっかり者の鈴女さんだから「え?」と思ったけど、だからこその「のほほん」でしょうね。
「メダカ七匹私と息があってきた」 山下 華子
水槽を覗きこんでいる華子さん。彼女のリズムにメダカが合わせていると思えないから可笑しい。
「川底で傘寿迎えたテナガエビ」 黒川 孤遊
傘寿おめでとうございます。万歳する手が長くて見応えが有りますが、川底なので誰もいません。
「芽ぐむ樹の鼓動を聴きに森へ行く」 安倍 文彦
春を待つ森の静けさの中に、命の鼓動を聴きに行く。植物の鼓動とは、音楽のようなものだろうか。
「たっぷりのヒジキもどしてから闇夜」 時津 みつこ
一袋もどしてしまい、往生したことがある。「闇夜」は桶一杯のヒジキだろうか。真っ黒
かたまり。
「書きたしてさらに付け足す備忘録」 桑原 康博
忘れないように書くのが備忘録。正しい使い方ですね。あれもこれも大事なことは書いておく」
「幸せのおつりを貰う折り返し」 大塚 郁子
今月の一等賞・控えめな表現で幸せ詠まれました。堅実な暮らしか見えるようです。
>「くろがね抄」吉冨 廣 推薦句
一粒の麦に未来を賭けて見る 坂本 喜文
寝息だけ静かに聞いている講義 中川 あき子
難民が地面に描く食べる物 阿部 龍
明日飛ぶ翼はー確と隠し持つ 中村 鈴女
犬掻きで泳ぐこの世が広すぎる 松村 華菜
愚痴すべて吐いた心にすき間風 志岐 けい子
私利私欲無くせば僕がいなくなる 安川 聖
人生を拗ねて乗り込む泥の舟 桶川 聖柳
重箱の隅に本音が吹き溜まる 時津 みつこ
常温のままの新芽がよく伸びる 大塚 郁子
卓袱台にドラマを描いていた昭和 廣永 雅彦
耳遠い夫婦げんかの不成立 八木 幹子
切り札がなくなりつづく疲労感 林田 律子
落葉の詩を詰め込むゴミ袋 古野 つとむ
手書きカルテ老医師にみる人間味 田中 和正
げんこつを同封とあり父の文 黒川 孤遊
前月号鑑賞 石神 紅雀 選・評
「のほほんと生きてのほほん逝くつもり」中村 鈴女
しっかり者の鈴女さんだから「え?」と思ったけど、だからこその「のほほん」でしょうね。
「メダカ七匹私と息があってきた」 山下 華子
水槽を覗きこんでいる華子さん。彼女のリズムにメダカが合わせていると思えないから可笑しい。
「川底で傘寿迎えたテナガエビ」 黒川 孤遊
傘寿おめでとうございます。万歳する手が長くて見応えが有りますが、川底なので誰もいません。
「芽ぐむ樹の鼓動を聴きに森へ行く」 安倍 文彦
春を待つ森の静けさの中に、命の鼓動を聴きに行く。植物の鼓動とは、音楽のようなものだろうか。
「たっぷりのヒジキもどしてから闇夜」 時津 みつこ
一袋もどしてしまい、往生したことがある。「闇夜」は桶一杯のヒジキだろうか。真っ黒
かたまり。
「書きたしてさらに付け足す備忘録」 桑原 康博
忘れないように書くのが備忘録。正しい使い方ですね。あれもこれも大事なことは書いておく」
「幸せのおつりを貰う折り返し」 大塚 郁子
今月の一等賞・控えめな表現で幸せ詠まれました。堅実な暮らしか見えるようです。
>「くろがね抄」吉冨 廣 推薦句
一粒の麦に未来を賭けて見る 坂本 喜文
寝息だけ静かに聞いている講義 中川 あき子
難民が地面に描く食べる物 阿部 龍
明日飛ぶ翼はー確と隠し持つ 中村 鈴女
犬掻きで泳ぐこの世が広すぎる 松村 華菜
愚痴すべて吐いた心にすき間風 志岐 けい子
私利私欲無くせば僕がいなくなる 安川 聖
人生を拗ねて乗り込む泥の舟 桶川 聖柳
重箱の隅に本音が吹き溜まる 時津 みつこ
常温のままの新芽がよく伸びる 大塚 郁子
卓袱台にドラマを描いていた昭和 廣永 雅彦
耳遠い夫婦げんかの不成立 八木 幹子
切り札がなくなりつづく疲労感 林田 律子
落葉の詩を詰め込むゴミ袋 古野 つとむ
手書きカルテ老医師にみる人間味 田中 和正
げんこつを同封とあり父の文 黒川 孤遊