うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

朝日杯結果

2010-12-20 20:29:48 | 競馬日記
今年は京王杯2歳S組グランプリボス、リアルインパクトのワンツーでしたね。やっぱり重賞からの馬が強い。また今年は短距離色の強いレースになったと言えるでしょう。500万条件から参戦したリベルタスは3着。やはり連には入れませんでした。2歳戦と言えども、と言うより2歳戦だからこそ、経験が大切なのかもしれません。
このレースも1着馬が審議の対象になり、鞍上はまたもや外国人騎手でした。JCと大きく違うのは、普通に走れば何もなかったはずの直線での競り合いではなく、ごちゃつく4コーナーでのコース取りだったこと。ブエナビスタ降着で言えばJCより秋華賞の方がまだ比較の対象になるかもしれません。私にはどちらとも言い難く、裁定委員の方は暇で暇で仕方がないぐらいなのが理想なのに、難しい裁きをしなければならず大変ですね。どう裁いても誰かが文句を言いそうです。

勝ったグランプリボスはサクラバクシンオー産駒。ショウナンカンプ以来2頭目の平地GI馬です。不利を与えた後にちょっとひるむような感じもありましたが、すぐに立て直して一気に突き抜けました。素晴らしい切れ味を持っていますし、本領発揮はやはり短距離でしょうか。ちょっと距離が伸びたからと言って止まりそうもないところがあるので皐月賞トライアルに出てみたらどんな感じなになるのか見てみたい気もしますが、合わないレースに出て調子が狂うとそれこそ最悪です。
2着、3着はともにディープインパクト産駒。リアルインパクトはアイルラヴァゲインの弟。リベルタスはカーリングの仔。距離延長に耐えるのはリベルタスの方で、前の方で競馬ができる器用さもありますから、祐一が言うようにもうちょっとゴール前で切れ味が出せそうなフォームになれば来年のクラシックが楽しみです。このままだと離して逃げるぐらいのことをしないとゴール前で凌ぎきれないでしょう。それにしても真剣に走っているのか分からないようなフォームで走っていますよね。
圧倒的1番人気サダムパテックは不器用さを見せて4着。成長力のあるタイプに見えないのでこれからはつらくなってくると思っています。

さて、サンデーサイレンス産駒の種牡馬の成績について。
リーディング10位以内に入ったことがあるのは8頭。それの順位変動を書き出してみます(アスタリスクはサンデーサイレンス産駒種牡馬の中での最高順位)。

フジキセキ(初年度:1998年):193*→31*→6*→5*→5*→7→4→3*→2*→5→2→7→2*
ダンスインザダーク(初年度:2000年):136→13→9→3*→2*→4→4→3→3→3→11
バブルガムフェロー(初年度:2001年):161→26→13→9→11→19→23→30→31→41
スペシャルウィーク(初年度:2003年):139→29→7→8→8→15→6→7
アドマイヤベガ(初年度:2004年):74→21→12→10→14→18→25
アグネスタキオン(初年度:2005年):53→11→2*→1*→2→6
マンハッタンカフェ(初年度:2006年):88→25→9→1*→5
ネオユニヴァース(初年度:2008年):54→13→10

リーディングサイアーを取ったのはアグネスタキオンとマンハッタンカフェ。アグネスタキオンは陥落したサンデーサイレンスに代わってリーディングサイアーになったため、このまま安定政権を築くのかと思ったのですが、翌年、マンハッタンカフェに取って代わられました。そしてそのマンハッタンカフェも長続きせず。常に上位に踏ん張っているのは種牡馬入りするのが一番早かったフジキセキです。日本でのGI馬7頭に加え、海外ではSun Classiqueが相当に強いところを見せ、また母父としてもYoseiがGIを勝って母父サンデーサイレンス産駒のGI馬一番乗りを果たしました。更に種牡馬入りから現在まで全ての世代で重賞勝ち馬を出しています。名種牡馬と言っていいでしょう。その次に安定感があるのは今年大きく順位を落としているもののフジキセキの次に種牡馬入りしたと言っていいダンスインザダークになります。サンデーサイレンス存命時にクラシック勝ち馬を出しましたし、サンデーサイレンス、トニービン、ブライアンズタイムの3強による支配を崩す快挙がありました(2000年に死亡したトニービンに代わって2003年に3位、翌年はブライアンズタイムよりも上の2位)。アドマイヤベガはわずか4世代の産駒で亡くなり、サンプル数が十分とは言えませんが、スペシャルウィークは長打力はあってもコンスタントに良い馬を出すタイプではなく、バブルガムフェローはGI馬を出せませんでした。この3頭はNorthern Dancerを血統表内に持つ後発組です。アベレージはフジキセキとダンスインザダークの先発組が高く、頂点を取ったことがあるのはNorthern Dancerフリーのアグネスタキオンとマンハッタンカフェということになります。
ディープインパクトもNorthern Dancerを持つ後発組に当たり、血統的にはバブルガムフェローと近いところがあります。肌馬が史上最高レベルなのである程度の成功はあっても、これまでの傾向を見るとリーディングサイアーを連続するような大成功は難しいと考えざるを得ませんね。狙うところはスペシャルウィークの成績を上にスライドさせた感じでしょうか。そこそこ上位に踏みとどまりながら一発当たったところでリーディングサイアーを取れれば十分成功したと言っていいと思います。初年度産駒はここで好走した馬の他に大物感たっぷりのサトノオー(藤沢和厩舎がこのタイプを仕上げられるかは心配。ペルーサのようなタイプの方がこの厩舎では信頼できます)、年内デビューが無理そうで秘密兵器化しつつあるトーセンレーヴなどもいます。どこかでGIを取って、市場価値を維持するために無理してでも勝ちに行かなければならないような状態に追い込まれないようにしたいところです。ただし2歳馬を大量に勝ち上がらせたことは来春の種付けに非常に好材料となったことでしょう。