うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

JBC中止のお知らせ

2007-03-12 22:29:38 | 競馬日記
吉田勝己氏が会長を務めるジャパンブリーダーズカップ協会は、大井競馬が進める「現役外国馬の導入」に対抗し、今秋に大井競馬場で予定されている「第7回JBC競走」への支援を中止することにしました(記事)。

常識的な対抗措置でしょう。自分達の取り分が少なくなるのをみすみす許すお人好しはいません。

第一、「現役外国馬の導入」はそんなにプラスのことなのでしょうか。現役外国馬が走ることによって売り上げが上がるようなことがあるのでしょうか。競馬はロマンのスポーツでもありますので、自分が応援していた馬の仔が走ることの方がファンにとっては楽しいと思うのですが。

外国馬を導入することによって、管理コストを削減し、ついでにロマンなんてサンチマンタリズムもそぎ落とし、ギャンブルとしての競馬に徹する、ってところまで考えているのでしょうか。それも一手段ですが,国内の生産者とは共存し得ないでしょう。その意味では大井競馬場は往生際が悪く、現役外国馬を導入するかわりにJBCの開催権を返上する、と初めから言えば良かったのではないでしょうか。そうすれば、今年は大井でJBCをやってください、となったかもしれません。JBCは生産者が主導して実施するものですから、JBCもやりたいが外国馬も導入したい、では中途半端です。そのため、JBCを人身御供にとられてしまいました。

JBCは代替開催地を探して今年もやって欲しいです。


この問題は外国人馬主問題とかが絡んでいる可能性はあります。上のものは表面的なものについての感想です。ちなみに外国人馬主については基本賛成です。

フェイジョア

2007-03-12 22:15:20 | 競馬日記
なかなか面白い配合の馬を見つけました。

フェイジョア(2004.5.26)
メジロマックイーン×モガミ×シャトーゲイ×ネヴァービート
(Herod系×Northern Dancer系×Hampton系×Nasrullah系)
受胎条件:2連産目?(13番仔?)
8代残牡先祖数:2/128
近親の活躍馬:パリスナポレオン(半兄、3/4同血)

父のメジロマックイーンと母父モガミはゼロ交配です。そのせいもあって、8代残牡先祖数は2です。しかしこの配合ではもともとうまくゼロ化ができるため、メジロマックイーンがゼロでなくても8代残牡先祖数は4になります。ゼロの年でなくてもこの組み合わせを見たかったです。
特徴的なクロスはアサマユリの4×4です。ドメスティックな血のクロスはドイツの馬にありそうな感じです(例えばLando)。

馬体重は430kg程度。今のところ2戦走って11着、10着。なんとかして勝ちあがって、できれば繁殖入りして欲しいです。

この馬の半兄のパリスナポレオンにはずいぶん期待しました。最終的にはダートに活路を見出し、水沢のマーキュリーCを勝ちましたが。

George Washington競走馬として復活か

2007-03-11 23:03:41 | 競馬日記
種牡馬入りしていたGeorge Washingtonが競走馬として復活しそうです。

何しろ受胎率が極端に低いそうな(ジョージワシントン復活か!?ーエイダン☆オブライエンと僕と馬。)。
そして代わりにHoly Roman Emperorが種牡馬入り???
なんだかよく分かりません。詳しくは「エイダン☆オブライエンと僕と馬。」の方を見てください。

種牡馬としては、祖母内が特殊な血で構成されているGeorge Washingtonより、コンパクトな配合のHoly Roman Emperorの方が使いやすそうに思います。母父も種牡馬の母父として定評のあるSecretariatです。ちなみに母の全兄にはコロネーションフューチュリティのMedaille d'Orがいます。この系統はSecretariatを通る父系として生き残っており、Tour d'Orの仔にUAEダービー(GIII)、ジェロームH(GII)のExpress Tourがおり、これが種牡馬入りしています。同じく母の全兄のD'Accord(ブリーダーズフューチュリティ(GII))の仔Montreal Red(フューチュリティS)も種牡馬として活動しています。

シンガポール航空国際C

2007-03-08 23:56:30 | 競馬日記
昨年コスモバルクが制したシンガポール航空国際Cにウオッカが登録しました(記事)。開催日はオークスと同じです。

オークスよりもこちらの方に行って欲しいです。桜花賞を勝って、シンガポール航空国際Cを勝って、アメリカンオークスを勝って欲しいです。日本の桜花賞馬の強さを見せつけて欲しいです。
桜花賞馬がオークスよりも海外のGIを優先したらオークスは寂しくはなりますが、桜花賞馬が世界で強さを示してくれるのは日本の競馬にとってプラスだと思っています。特に日本はパート1国になりましたので、国際GIを勝って高いレーティングをもらってきて欲しいです。

ウオッカが桜花賞を勝つことが決まっているような書き方ですね。

逃げ馬は種牡馬として化けるか

2007-03-07 21:37:00 | 競馬日記
サラブレッド血統センターの藤井正弘さんがスポニチでのコラムにて「逃げ馬は種牡馬として“化ける”というのが持論」と書かれています(記事)。こういうのを読むといつも「持論の根拠を示して欲しい」と思います。

例えば日本の歴代リーディングサイアーに逃げ馬が何頭いるのでしょうか。例えば昨年のリーディング10位以内に逃げ馬がいるのでしょうか。具体的にある特定の逃げ馬の種牡馬成績はどうだったのでしょうか。この辺を明らかにして論じてくれないと、どうなのかがよく分かりません。

追い込み脚質の名種牡馬も何頭かいます。ダンシングブレーヴは追い込みの名馬ですが、病気と闘いながらも英愛ダービー馬などを出し種牡馬として成功しました(直孫にもGI馬を出し、また母の父としても非常に優秀です)。ブライアンズタイムは追い込めど届かずの多い追い込み馬でしたが、コンスタントにリーディング上位に入り(2位4回、3位7回)、また何頭も大物を出しました。トニービンはリーディングサイアーに1回なったことがありますが、追い込み脚質でした。

「逃げ馬は種牡馬としての適性がある」ならまだいいのですが、これを「追い込み馬は種牡馬として成功しない」と読み替えるのは間違いでしょう(藤井さんが書いていたわけではないですが、例えば、ディープインパクトが中長距離タイプの追い込み馬だから種牡馬として成功しない、という論調を目にしたことがあります)。ダンシングブレーヴ、ブライアンズタイム、トニービンの成功が説明できません。ちなみにブライアンズタイムは血統構成が全く同じのサンシャインフォーエヴァーの代用として購入され、産駒デビュー前はその種牡馬としての能力を疑われることもあったにも関わらず大成功しました。

逃げ馬は種牡馬としての適性がある、と一般に言われるのは、その能力を信用しやすいからではないかと個人的に思っています。最初から飛ばして強い馬は本当に強いということです。あとは最初から行けるだけのスピードが確保されている点とか。他にはどんな説があるのでしょうね。藤井さんに解説してほしかったです。どこか他のところで書いたことがあるのかな。

ちなみに、過去にはカブラヤオーとか、アイネスフウジンとか、ファッショナブルでない血統でありながら種牡馬としては一流馬を出した逃げ馬もいました。

サンタアニタH

2007-03-05 21:59:24 | 競馬日記
アメリカで行われたフランクE.キルローマイルHはKipling産駒Kip Devilleが勝ちました。Native Dancer系×Nijinsky系×Herbager系×Prince Rose系。Northern Dancerクロスは父方がゼロです。サンデーサイレンス産駒Silent Nameは3着でした。

サンタアニタHはLava Manが連覇しました。GIは6勝目です。

オーストラリアで行われたパワーペイズフューチュリティSはDanehill産駒の牝馬Aqua D'Amoreが勝ちました。母父Irish River、祖母父タップオンウッドはゼロで交配されています。祖母父タップオンウッド(日本での代表産駒は女王杯馬キョウエイタップ)、曾祖母父ドン(日本での代表産駒はスプリンターズSのサクラシンゲキ、朝日杯のダイシンフブキ)、高祖母父セントクレスピン(日本での代表産駒は天皇賞馬タイテエム(持ち込み)、エリモジョージ)が渋いです。

チッピングノートンSはCanny Lad産駒He's No Pie Eaterが勝ちました。牝系はEl Gran Senorらと同じです。

ニュージーランドで行われたニュージーランドダービーはRedoute's Choice産駒Redoute's Dancerが勝ちました。祖母Condessaはヨークシャーオークスを勝った名牝で、ビコーペガサスの母です。ビコーペガサスは好きな馬で、当時かなりしつこく期待し続けました。

トライアル2つ

2007-03-04 21:51:20 | 競馬日記
チューリップ賞はウオッカが強すぎました。猛烈に強かったです。弥生賞を勝ったアドマイヤオーラと好勝負をしてきたダイワスカーレットをトレーニングパートナーのような扱いにした走りを考えると、同世代の牡馬と戦っても力的には当然勝ち負けができるでしょう。海外遠征にも実績のある角居厩舎ですが、過去の遠征での活躍馬はノーザンファームなど社台系でした。日本の牝馬限定レースはもう勝つ必要がなくなったのではないかと思うぐらい強かったのですが、カントリー牧場の自家生産馬の遠征はあるのでしょうか。
マイルで非常に強い競馬を見せていますが、血統的には距離は持つはずです。父はダービー馬。母は短い距離を使われていましたが、その父はルションです。ルションはSadler's Wells、El Gran Senor、Rainbow Quest、セクレト、Darshaanらと同世代で、4歳時にマイル路線で活躍し、サセックスS、ムーランドロンシャン賞を勝ちました。その海外での代表産駒はメルボルンCを勝った名ステイヤーVintage Crop、日本での代表産駒はNHK杯、福島記念、七夕賞と2000mの重賞を3勝のマイネルブリッジ(有馬記念3着)、ダート2100mの川崎記念、ダート2400mのダイオライト記念を勝っているインテリパワーと、上級馬は中長距離で活躍しています。祖母エナジートウショウはシスタートウショウの1歳上の全姉で、シスタートウショウは桜花賞1着、オークスはイソノルーブルのハナ差2着でした。配合的にはNashua-Nasrullahの影響が強く、Alibhaiのスタミナ、Romanのスピードを足しています。父のRoberto、Graustark、Sea Birdの活かし方もまずまずで、血統的な観点からだけなら中距離まではこなせるはずです。唯一の敗戦が1800mの黄菊賞(逃げ馬を捕まえられず)なのが気にはなりますが。

弥生賞はアドマイヤオーラが期待に応えました。非常にまともな乗り方でした。タイムも過去の弥生賞と比較すれば優秀で、クラシックへの期待が高まります。母のビワハイジは好きな馬でした。本馬の上3頭は全て中央で勝ち上がっています。仔出しが非常に良好です。前年産駒なしの後の仔ですね。
ビワハイジの同期のライバルエアグルーヴは初仔に名牝アドマイヤグルーヴを出しました。ビワハイジにもGIを狙える仔が出てきました。ちなみにウオッカの母タニノシスターもビワハイジ、エアグルーヴと同期です。競走馬としてはビワハイジ、エアグルーヴにかないませんでしたが、孝行娘が出てきました。

7冠から2冠へ?

2007-03-01 21:31:31 | 競馬日記
Yahoo! JAPANの見出しがおかしなことになっています。

そもそも「冠」は、競馬においては本来クラシックレースのように路線として整備されたものに使われるものでしょう(牝馬3冠、秋古馬3冠、イギリス長距離3冠その他いろいろ)。また、一般に“○冠馬”と言えば、クラシック○冠馬のことであるはずです。

日本でクラシック以外のレースの勝利を足して「冠」を付けられたものとして有名なのは5冠馬シンザンです(それ以前にあったかどうかは知りませんが、シンザン以前の3冠馬はセントライトだけで、セントライトは他にGI級のレースを勝っていないため、シンザンがはじめてなのでしょう)。
この5冠というのは八大競走(皐月賞、ダービー、菊花賞、桜花賞、オークス、天皇賞春、天皇賞秋、有馬記念)のうち牡馬が勝てる全てのレースを制したと言う意味です(当時の天皇賞は勝ち抜け式だったため、天皇賞を2つ勝つことはできない)。シンザンは宝塚記念を制しており、今のGIの数で数えるなら6冠を制していることになります。
次に足し算による「冠」が使われたのはミスターシービー、シンボリルドルフの時代でした。JCで両馬が初対決したのですが、ミスターシービーはクラシック3冠+天皇賞秋、シンボリルドルフはクラシック3冠を勝っていたため、「7冠対決」と言われました。そしてシンボリルドルフは天皇賞春、JC、有馬記念2回を追加し、「7冠馬」と呼ばれるようになりました。その後、3冠馬が他のGIを制した場合、それを冠に加えて呼ぶことが一般に見られ、ナリタブライアンを5冠馬(3冠+朝日杯、有馬記念)と呼んだり(もしくは八大競走4勝で4冠馬)、ディープインパクトを7冠馬(3冠+天皇賞春、宝塚記念、JC、有馬記念)と呼んだりするようになりました。

で、私は整備された路線としての「冠」(クラシック以外は“秋古馬”とか、どの路線であるかを示す)と、(クラシック)3冠馬が他の八大競走を勝った時に加える「冠」だけにしておいた方が良かった思っています。シンザンは5冠馬で良かったと思いますが、シンボリルドルフは5冠+さらにもう1回有馬記念を勝ったために呼び方が難しくなってしまいます。ですから、天皇賞春を制した時点でシンボリルドルフは5冠を達成した、という表現で良かったのだろうと思います。ディープインパクトも同じです。
言いたいことはGI勝てば何でもかんでも冠に含める、なんてのはやめましょうということです。テイエムオペラオーが7冠馬だとか言い出すよく分からない人が出てきますので。3冠を制していないのに7冠な訳がないのに。シンザンは天皇賞を複数回勝てない時代であったことと有馬記念を一回だけ勝って引退したことを考慮すれば(5冠達成とともに引退)、5冠馬と呼ぶことをおかしいとは思いません。時代背景と引退のタイミングの妙です。武田文吾師のプロデュースが巧かったです。
シンボリルドルフ、テイエムオペラオー、ディープインパクトの場合は時代がかわってグレード制に移行した訳ですから、GI7勝馬をわざわざ7冠馬と言い直す必要はないでしょう。GI7勝馬でいいでしょう。

さて、国際的には日本の3冠路線はもともとGIではないですし、ディープインパクトが国際GI2勝なのは事実です。しかし、日本の整備されたレース体系の中でGIとして扱ってきたことも事実ですから、この日本において「2冠に格下げ」なんてことはあり得ません(私は初めから7冠なんて言葉は使いませんが)。逆に国際セリ名簿ではディープインパクトは初めからGI2勝馬です。
また、GIだけを「冠」と呼ぶならミスターシービー以前の3冠馬を「3冠」と呼んできたこと自体がおかしいということになります。日本でグレード制が整備されたのは1984年です。そしてイギリスには3冠馬がいないことになります。イギリスでグレード制が整備されたのは1971年です。ちなみにイギリス最後の3冠馬NijinskyはKジョージVI&QエリザベスDS、アイリッシュダービー、2歳戦デューハーストSと現在ではGIに格付けられる主要レースを勝っていますが、これらを足して6冠馬と呼んでいるようなのも聞いたことがありません。