うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

ロイヤルアスコット

2012-06-25 21:23:40 | 競馬日記
ロイヤルアスコット開催が終了しました。GIだけ順番に見て行きます。

オープニングを飾ったのはFrankel。クイーンアンSを11馬身差で圧勝しました。Timeformは過去最高のレーティング147を付けましたし、公式レーティングもダンシングブレーヴに次ぐレーティング140を付けました。
強いマイラーだと思いますが、凱旋門賞馬Urban Seaの息子のダービー馬Galileoの息子がゴリゴリのマイラーだというのが受け入れにくくて少し冷淡になりがちです。
Urban SeaはBay Ronald主体の完全異系交配型中長距離馬。GalileoはNearco主導で母方のBay Ronald系がアシストする異系交配型中長距離馬。それに対し、FrankelはNatalmaを伴うNorthern DancerクロスでSadler's WellsとDanehillが強調され、Raise a NativeとBuckpasserによってUrban Seaというよりその父のMiswakiの個性が強調された近親交配型マイラーです。
Galileo産駒ならSixties IconCape BlancoWasといったおしゃれな中長距離型の配合が好きです。

スプリント戦キングズスタンドSを勝ったのはニュージーランド産の香港馬Little Bridge。ホームで重賞は何勝かしていますが、初GI勝利がロイヤルアスコットという金星になりました。Faltaat産駒でMr. Prospector 2x4の近交があります。

3歳マイル戦セントジェイムズパレスSはLawman産駒Most Improvedが勝ちました。仏ダービー14着大敗から距離を短縮して強烈に巻き返しました。DanzigとMill Reefの二つの系列ぐるみが祖母内に同居していて新しい配合だなと思います。

プリンスオブウェールズSはSo You Thinkが勝ちました。High Chaparral産駒でBallydoyle所属ということで忘れてしまいそうになるのですが、この馬もニュージーランド産ですね。凱旋門賞に向けて人気の一角を占め続けることと思いますが(ただしBallydoyleのエースは今のところCamelotですが)、まだ12Fを勝ったことはないようです。

長距離戦アスコットGCはColour Visionが勝ちました。2着もOpinion PollでGodolphinのワンツーになりました。人気のBallydoyle所属Fame and Gloryは7着。Colour Visionは母父がMonsunです。Monsunってのはやっぱりすごい種牡馬なそうですね(記事)。

3歳牝馬マイル戦コロネーションSはDansili産駒Fallen for Youが勝ちました。重賞初勝利です。

エンディングを飾ったのはもう1頭の主役Black Caviar。オーストラリアから遠征してきてダイヤモンドジュビリーSに出走しました。慣れない時計のかかる馬場でしたが、あっさりと抜け出しました。が、鞍上が手綱を緩めるのが早すぎてMoonlight Cloudの追撃を許し、どうにかぎりぎり振り切る形になりました。トラブルは実はこれだけではなく、翌朝、2個所の筋断裂(肉離れ?)と打撲が見つかりました(記事1記事2)。それでも勝つBlack Caviarの強さが際立ちます。これで22戦無敗。ただし、この怪我が原因で引退する可能性もあります。

マイルのFrankel、スプリントのBlack Caviar。2頭の歴史的な馬のためのロイヤルアスコットでした。