うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

ナラ枯れ

2006-07-26 20:40:40 | 農・食・医・環境
ナラ枯れというのがあるそうです(記事キャッシュ)。
カシノナガキクイムシがナラに穿孔し、木を枯らしてしまうと記事には書いてあります。
しかし、ナラは昔から生えていましたし、カシノナガキクイムシも最近日本に侵入したものではないことから、こんな単純なシステムでは近年急にナラ枯れが広まったことが説明できないことはすぐに分かるでしょう。
例えば松枯れ病はマツクイムシ(松に穿孔するカミキリやキクイムシの総称)によるもののように言われてきましたが、マツノマダラカミキリとマツノザイセンチュウの共生系による(マツノマダラカミキリがマツノザイセンチュウを媒介し、マツノザイセンチュウによって弱った松をマツノマダラカミキリが利用する)、マツノザイセンチュウ病であることが明らかになりました(マツクイムシ - Wikipedia)。

それで検索してみたところ、カシノナガキクイムシとその共生菌(Raffaelea)による系が有力視されています(京大芦生演習林)。
爆発的に広まった要因まではまだよく分かっていないようです。
朝日新聞記事中で、被害拡大の原因として、人が森林を利用しなくなったためにカシノナガキクイムシが好むナラの大木が増えたことを挙げていますが、これは原因の一部の説明にはなっても、全てではないでしょう。
前述の松枯れ病の場合、マツノザイセンチュウが北米より侵入し、日本の松がマツノザイセンチュウに対して抵抗性を持っていなかったことが被害拡大の主な原因でした。