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(2016.11.20訪問)
紅葉巡りが目的に非ずとはいえ、この時節なんと云ってもの錦秋の候、訪ねる古刹に色を添える赤の世界はやはり華やぐもの。
まだまだ盛秋の主役で錦繍の彩り盛況なところと、季節の誘いが秋の華やぎから冬の静寂へと、訪ねる古刹も色とりどり。今週はど
こを訪ねるか迷車大和路号のアホナビと相談の結果、丹波篠山もみじ三山の一寺、文保寺を訪ねることに話は一致はしましたが……。
▼仁王門。重厚かつ堂々の仁王門です。
重層楼門、三間一戸、八脚門、入母屋造、銅板葺。初層両端に金剛力士を安置。
元中二年(1385年)鎌倉建長寺の楼門を模して建立。明智光秀丹波攻めで焼失後、現在の楼門は天正末期に建立。
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[ 文保寺 ]
●山号 松尾山 (しょうびさん)
●寺号 文保寺 (ぶんぽうじ)
●宗派 天台宗 (てんだいしゅう)
●開基 伝 法道仙人 (ほうどうせんにん)
●創建 伝 大化元年 (645年)
●本尊 聖観世音菩薩
▲兵庫県篠山市味間南1097 電話079-594-0073 & 079-594-0117
▲拝観料 境内自由 11月紅葉期のみ志納金200円 朱印300円
▲拝観時間 不祥
▲JR福知山線「篠山口駅」から車約7分
舞鶴若狭道「丹南篠山口IC」から約7分
▼左奥の間の金剛力士吽形像。本来右奥の間にいる阿形さんは今、仏像修理所に出張中です。
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文保寺縁起 (文保寺HPから抄出)
法道仙人開基で、仙人自作の聖観世音菩薩を本尊として安置し、かっては聖備山長流寺(しょうびざんちょうりゅうじ)と称されてい
ました。法道仙人は、印度より中国を経て日本に仏教を伝えたと云われ、瀬戸内海を経て加古川上流域の播磨、丹波地方を中心に二
百ヵ寺以上の山岳寺院を開かれております。当寺は、最盛期には堂舎二十一坊を数えた、元禄六年(1693年)の寺社改帳には、五院十
六坊があったと記されています。天暦の乱(947年)で堂宇伽藍悉く焼失し荒廃。正和年間(1312~1317年)慈覚大師作千手観世音菩薩
を安置し再興。文保年間(1317~1319年)宝鏡寺の宮門跡一品親王真筆の勅額を下賜されて以後「文保寺」と称します。
その後堂宇伽藍も復興、しかし天正年間(1573~1592年)に明智光秀の丹波攻めで、再び全山悉く灰燼に帰しましたが江戸時代中期
に復興。現在は真如院、大勝院、観明院の塔頭寺院があります。
▼仁王門から境内を見ます。鳥居が建ってますネ、味間地区の鎮守社二村神社の参道口です。
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▼仁王門どこから見ても重厚さは変わりませんネ。
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丹波篠山もみじ三山の一、文保寺の紅葉期待出来るかな?
入山受付のお母さんの「一週間前やったらネ、惜しかったネ」慰めかなんだかよく分らないお言葉に少々ガックリ!
▼ここから参道の始まりです。
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▼参道脇の残り紅葉。
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▼まさに散りモミジの道。
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▼まだ青い葉が残ってるようですが。
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▼上に行く程、残り紅葉が頑張っているようです。
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▼本堂への石段です。
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▼手水舎です。
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▼オシャレな石の手水鉢。水口とチョット合っていませんネ、惜しい!
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▼本堂です。
桁裄五間、梁間五間、宝形造、銅板葺、一間唐破風向拝付。江戸中期に復興再建。
外廊濡れ縁は新しく再築されたもののようで、古色に馴染んでいません。
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▼本堂正面の扉は施錠され堂内を窺うことは出来ません。
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▼向拝と扉三面には素晴らしい装飾彫刻、丹波の名彫物師、中井権次一統六代目橘正貞の作品を見ることができます。
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▼唐破風先端の鳳凰、精悍です。
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▼虹梁には凄いポーズの龍。その上には獅子の親子でしょうか五頭が遊んでいるように見えます。とにかく細かい彫技です。
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▼右向拝柱の木鼻、阿形龍と吽形獅子。
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▼左向拝柱の木鼻、吽形龍と阿形獅子。
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▼この高粱の曲線美、凄いですネ。
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▼唐破風向拝垂木の手鋏み。
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▼本堂正面扉の透かし彫り。
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▼本堂正面脇扉の透かし彫り。
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丹波地方には中井権次一統の素晴らしい彫刻が数多く残されているそうで、この彫刻巡りをするのも一興かと。
▼本堂内陣。(写真は文保寺HPから借用しました)
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▼本堂側面です。
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▼本堂屋根宝形露盤を通して見る裏山、今日はズーッとこういう感じで霧が降りています、時にパラパラと。
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▼本堂横の銀杏の大木。
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▼鐘楼。
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▼境内を見下ろしますとグラデーションがきれいです。
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▼黄色の絨毯。
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▼開基法道仙人の供養法塔。
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▼咽び泣いているようです。
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▼元来た参道を戻ります。
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▼仰ぎ見れば……。
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▼寺務所塔頭の観明院。ここでご朱印をいただきます。
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▼ご朱印です。せめてものモミジ寺、濡れ落ち葉に置きました。なんかミジメー!
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お寺のお母さんの「一週間前やったらネ、惜しかったネ」の言葉通り、文保寺の紅葉はまもなくお仕舞。参道には紅葉の華やかな後
の散り落ち葉が、間もなくやって来る冬の足音を待ちつつ朽ちてゆくのでしょう。 あ な わ び し
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おじゃまします。
以前にも同じことを感じ申していたと思いますが、完全にはモノトーンではないけれどすごい素材感のある”素木”のお堂に”紅葉と黄葉”の色彩のコントラストが本当にすばらしいですね。いちばん好きなパターンです。もちろんお写真がすばらしいからでしょうが。ありがとうございます。
みごとな観察眼と文章力に頭が下がり、
いろいろ教えていただけました。
本堂の彫刻、素晴らしいものですね。
獅子の顔、たくさん彫られていますし、
竜の目は色付きですが何か入っているのでしょうか?
やはり時代を経てきた古色にボクたちが歴史を感じるのは、
季節による自然変化の彩りがそこにある古色をより一層引き立てると云う、
そんな効果をいにしえ人は計算していたのかもしれませんネ。
都会の寺院では、仰る美はなかなかお目にかかれませんネ。
向拝や木扉を飾る彫刻には目を見張るものが多々あり、
ボクはジックリ見るように心掛けています。
意外に皆さんチラッと素通りが多いようですネ。
普通は彫眼ですが、あの龍の目は玉眼が嵌められています。
玉眼は仏像専用と思ってましたが、彫物師のこだわり豪華主義でしょうか。
最近は虹梁や木鼻の彫刻に使用されている例をよく見ます。
昔から使用されていたんですネ。
mimozaさん、あんまり褒めないで下さい。格好付けてるだけです。
いつもコメントありがとうございます。