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(2011.11.26訪問)
変幻自在な自然の力は、間違いなく季節の変わりのページをめくってゆきます。
鈴鹿山系の西山麓、琵琶湖東岸は天台系の古刹の宝庫。信長の叡山焼き討ちにも
めげず、健気に、強かにその法灯を今に伝えるお寺の甍が、秋の風景の中で錦秋
の赤をまとい見えつ隠れつその姿を見せています。
この日は、数年ぶりに湖東三山の西明寺、金剛輪寺、百済寺を訪ねようと思った
んですが、西明寺三重塔の桧皮葺替中とのことなので、あの優美な塔の姿を見る
ことが出来ないのならパスしようと湖東三分の二山に、金剛輪寺、百済寺を訪ね
ることにしました。
[ 金剛輪寺 ]
●山号 松峰山(しょうほうざん)
●寺号 金剛輪寺(こんごうりんじ)
●宗派 天台宗
●勅願 聖武天皇
●開山 行基
●創建 天平13年(741年)
●本尊 聖観音菩薩立像(秘仏)
金剛輪寺縁起(金剛輪寺HPから)
金剛輪寺は、奈良時代天平13年(741年)聖武天皇の勅願で行基菩薩によって開山
されました。本尊聖観世音菩薩は、言い伝えによりますと行基菩薩が一刀三礼で
彫り進められたところ木肌から一筋の生血が流れ落ちたため、観音様に魂が宿っ
た証として、粗彫りのまま本尊としてお祀りされました。後の世に生身の観音と
呼ばれるようになり、全国観音信徒より篤い信仰を集めています。平安時代の初
め、比叡山より慈覚大師が来山、天台密教の道場とされて以来、延暦寺の末寺、
天台宗の大寺院となりました。
▼黒門(山門)。
それにしても、人とクルマのごったがえし、結構早い時間で結構広い駐車場がす
でに満杯。目の前の山門まで遠かったこと。
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▼石標。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/3e/397e0fbc9f22890ec09f09465c00797e.jpg)
▼参道。
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▼見上げればこの紅葉!
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▼小さなお堂の屋根に黄葉衣。
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▼護摩堂。参道を少し入った所にポツンと。
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▼地蔵堂のご本尊、地蔵菩薩坐像。後の慈母観音菩薩が象徴的です。
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▼見上げればこの紅葉!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/70/04dab7d1ad23d9bb89e2be17b686bc36.jpg)
▼参道両サイドに可愛い千体地蔵がズラーと。
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▼参道。もうすぐ二天門が見えるはずです。
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▼二天門(重文)。
室町時代中頃に建立、当初は楼門だったものが江戸時代中頃に二階部分を取り壊
し、現在の一重にしたと伝えられているそうです。
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▼仁王さん、阿形像。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/67/0f20b1d7152f993bc41a9cf265f56b80.jpg)
▼仁王さん、吽形像。
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▼天台寺院のキャラクター、二天門の大わらじ。
縦2.5m、幅0.8m、重さ70kg。
二天門の大わらじ奉納は、室町時代から村民によって続けられ、もちわら三百束
を使っているそうです。地区住民の安泰を願い、銭貨を挟むと幸福になると伝わ
る仁王わらじだそうです。
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▼本堂大悲閣(国宝)
入母屋造、檜皮葺(ひわだぶき)、和様仏堂。建立弘安11年(1288年)。
本尊 聖観音菩薩立像(秘仏)
この像は未完成像かと思われるほど、体部の彫りが荒々しく、行基の作であるか
どうかは別としても、専門仏師でない行者の制作である可能性もあるといいます。
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▼本堂から。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/38/d7a976a2a30a3f5498be6652f9376bc0.jpg)
▼本堂。
後陣には阿弥陀如来坐像、十一面観音立像をはじめ数体の仏像が祀られています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/10/68a22dcbbe7b689fd720a1d1f112514c.jpg)
▼香煙にけむる黄葉。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/41/ed14d970f26d51514a71ec106515dd2f.jpg)
▼鐘楼。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/8f/ec4c8a2e038ebac4dd75e367fa014c6c.jpg)
▼血染めの紅葉。かなり物騒なネーミングですが、まさに真っ赤!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/d2/dc08a7e9c5184a7006649a36cfbbb045.jpg)
▼本堂エリアの境内。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/7e/87923fe166fe26136fa1cec2a3a8bff4.jpg)
▼三重塔(重文)。
鎌倉時代寛元4年(1246年)建立。
境内最高所に建つ。様式的には南北朝時代~室町時代の建築とみられる。近世以
降は荒廃、塔の初層と二層目が残り三層目はなくなっていた。現在の塔は欠失部
分を1975年から1978年にかけて復元されたもの。
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▼三重塔本尊 大日如来坐像。
少しばかリイメージの違う天衣をまとった大日如来。印相は法界定印。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/1d/7d026c9cd0a79f26f2991b9fe94f243f.jpg)
▼真っ赤に埋もれる三重塔。
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▼本坊明寿院山門の紅葉。
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▼本坊明寿院庭園石標。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/3f/74fd97a4396b62c92400907f017529ec.jpg)
▼明寿院紅葉。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/9f/169fca3abec71374ac65fb85b802e0c6.jpg)
▼明寿院池泉回遊式庭園。
桃山、江戸初期、中期の三庭からなり、老杉蒼松の自然を背景とし、境内のもみ
じは「血染めのもみじ」と広く知られ、湖東三山一の名園古庭。国の名勝にも指
定されています。
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▼一筋の滝。
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▼赤黄と緑の競演。
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▼ふと見上げれば紅葉天井。
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▼護摩堂も紅葉の中に。
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▼ハラハラと紅い葉が舞い落ちると、この地にも冬が訪れるのでしょう。
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とにかく赤に堪能しました。まだまだ捨てたものではありません。ヤレ温暖化、
ヤレ季節が狂ってる、ヤレエコとかをしばし忘れた金剛輪寺でした。
♪春は桜のあや衣 秋は紅葉の唐錦 夏は涼しき月の絹 冬は真白き雪の布
見よや人々美しき この天然の織物を 手際見事に織り給う 神のたくみの尊しや
なんと美しい歌!(この歌ご存知の方、そうとう□□の方ですね)。
この辺りには、まだこの美しい歌の世界が、四季を通じて残っているんではない
でしょうか。