土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

梅林や 人出満開 梅三分

2011年02月24日 | 花巡り


(2011.02.23 訪問)
大阪城梅林23日午後2時の様子。



▼南高                ▼玉光枝垂れ



▼鹿児島紅              ▼筋入月影



▼八重海棠              ▼道知辺



▼紅冬至               ▼一重野梅



▼月影枝垂れ             ▼佐橋紅



▼東雲                ▼月の桂



▼古城                ▼揚貴妃



▼八重唐梅              ▼緑萼



▼傅紛                ▼緋の司



▼鶯宿                ▼鈴鹿の関





日本三大十一面千手千眼観音の葛井寺を訪ねました。

2011年02月21日 | 大阪の古寺巡り


(2011.02.18 訪問)
所用のあるふりをして阿倍野へ。大阪生まれ、大阪育ちのわりには大阪知らずの
ボクが、初めて葛井寺を訪ねたのでございます。毎月18日秘仏国宝十一面千手千
眼観世音菩薩坐像が開扉されるからであります。

[ 葛井寺 ] ふじいでら
●山号 紫雲山(しうんざん)
●院号 三宝院(さんぽういん)
●寺号 葛井寺(ふじいでら)またの名 剛琳寺(ごうりんじ)
●宗派 真言宗御室派
●勅願 聖武天皇
●開基 行基菩薩
●本尊 十一面千手千眼観世音菩薩坐像(国宝)
●西国三十三所観音霊場の第五番札所

葛井寺縁起
葛井寺草創開基寺伝によれば、百済王仁の来日に始まり、その後裔の葛井氏が氏
寺としてこの地に建立し、その後聖武天皇の勅願で行基さんが創建したのがこの
葛井寺と伝わるそうです。

▼近鉄藤井寺駅。
やってまいりました藤井寺駅。近鉄阿倍野橋駅から片道290円、準急河内長野行
きで停車二つ目の駅です。ローカルっぽく見えるでしょう、ローカルなんです。
なんて失礼な、昔近鉄バッファローズのホーム球場があった所です。それにして
も近鉄バッファローズ懐かしいなァ。西本さん懐かしいなァ。
なんと云っても付近一帯は大阪の歴史の宝庫なんです。



▼西門商店街。
駅前からの商店街です。ローカルですねぇ。この商店街を真っ直ぐ進むんです。
道の先の左側に赤い点が見えます? 見えません? 眼をどんぐりのようにして見
ても見えませんか? そこが西門なんですが。



▼西門。(重文)
殆どの入山者はこちらから入られています。この日は特別開扉ということで、か
なりの参拝者の数です。参道と境内には多くのお店が出ています。この門は四脚
門で旧南大門を移築し、葛井寺現存の最古の建造物だそうです。



▼石標。



▼手水舎。



▼護摩堂。



▼護摩堂本尊不動明王。
お堂内は妙にススっぽかったです。おもわずハッハッハックション!!!
ひどい花粉症なんです。



▼本堂。
堂々の建物、江戸中期の再建らしいです。
このお堂内にこの日の目的、十一面千手千眼観世音菩薩坐像がおられます。



▼本堂外陣。
左から内陣へと進みます。



▼本尊 十一面千手千眼観世音菩薩坐像。(国宝)
脱活乾漆像 像高144cm 奈良時代後期の造像。
本手、中手、小手合わせて1041本。ワクワク入堂したものの須弥壇暗く、お厨
子の両端に幕が垂れ、千手の中手が見えず、小手も半分が隠れた状態。透視得意
の人は別で、肉眼でハッキリクッキリ全身像拝することが出来る人いませんワ。
いませんはずです。ガッカリカリカリです。
とは云うものの、しばらく須弥壇前(といってもお厨子との距離はかなりありま
す)に座らせていただき、じっくり拝させていただきました。小手がご本尊背か
らの付け根くらいしか見えませんが、彫技(乾漆を彫技と云えるかどうか?)は
スゴイの一言。乾漆なのでお顔、お体の漆箔は落剥しています。お顔は、少し硬
い表情、菩薩本願を一心不乱と云う表情でしょうか、胸瓔珞や法衣や裙の襞は半
浮き状で上品な感じが辛うじて見えました。このご本尊、日本三大十一面千手千
眼観音と云われていますが、人により組み合わせはバラバラ、しかしこの葛井寺
のご本尊と唐招提寺の十一面千手千眼観音だけは必ず三大の中に入っているよう
です。
そんなこんなで、ズル写真のご本尊どうぞ。



▼鐘楼。



▼弘法大師堂。
本尊は空海さんです。



▼修行大師像。



▼専心龍乗観世音菩薩像。
観音菩薩にもいろんな方が居られますね。お名前は初めて聞きました。



▼阿弥陀堂。



▼阿弥陀堂本尊 阿弥陀如来立像。



▼南大門。(重文)
南大門の大きさに較べて前の道(参道ではありません)のナント細いことか。
お寺の正門は南大門でありますが、こちらからの入山者は殆ど居られません。
お寺の顔にしては寂しい限りでお肉のないうすあげ入りカレーうどんのようでご
ざいます。



▼南大門扁額。
山号紫雲山と揮毫されています。



▼葛井寺石標。
陰彫りに汚れが見えません。最近新しく設置されたものでしょう。



▼金剛力士阿形像。



▼金剛力士吽形像。



造像年代は不明ですが、阿吽両像ともかなりヒドイことになっています。

▼金剛力士吽形像の左足。
おきのどくにアカギレで痛そう。



▼南大門からの境内。



それにしても観音霊場第五番札所、大人気のお寺です。
だけどご本尊の全身像に拝したかったなァ。
それではこっそり我社へ帰ります。

葛城古道、平岡の極楽寺を訪ねました。

2011年02月17日 | 奈良の古寺巡り


(2011.02.13 訪問)
行基さん開創のお寺と云うことで訪ねました。葛城古道を御所市から北へ葛城市
に入ります。山田の交差点左角に極楽寺の立派な石標が建てられ、行基大菩薩開
創旧跡と刻されています。ここから葛城山麓に向かうとスグお寺です。御所の吐
田極楽寺とは違いますよ。

▼葛城古道沿いに建てられている石標。



[ 極楽寺 ] ごくらくじ
●山号 平岡山(ひらおかさん)
●院号 不断光院(ふだんこういん)
●寺号 極楽寺(ごくらくじ)
●宗派 浄土宗
●開基 行基菩薩
●本尊 阿弥陀三尊

極楽寺縁起
行基さんの開基と寺伝は伝え、境内に行基さんの石碑があります。もとは真言宗
のお寺だったと云いますが、行基さんと真言宗の関係は不詳。
その後、浄土宗に改宗、お寺は南北朝期の兵火で焼失、1400年代初期に再建され
たと伝わるそうです。

▼参道。



▼山門。



▼本堂。
現在の本堂は江戸中期の再建。



▼鐘楼。
鐘楼修理の時、応永元年(1394年)の棟札が発見されたそうです。



▼慈光堂。



▼境内。
さほど広くない境内はよく手入れのされたきれいなお庭です。



▼香象。
お寺の北側が墓地で東側に法然上人八百年大遠忌記念に造された香象石像があり
ます。象の背蓮台に小さなお釈迦さんがお立ちです。きれいな石像ですが、あま
り周辺環境に馴染んでいるようには見えません。



本堂へは入堂できませんでしたし、外面だけの拝観でしたが、行基さんを感じる
ことは出来ません。金剛葛城山麓は行基さん伝承が数多あり、それが各お寺の寺
伝として伝わっている例が多いと聞きました。これだけきれいに管理されている
のは平岡集落の檀那寺としてよほど大事にされているお寺なのでしょう。

雪にビビリながらの巨勢と葛城のお寺巡り お し ま い

葛城古道の古刹、菩提寺を訪ねました。

2011年02月16日 | 奈良の古寺巡り


(2011.02.13 訪問)
高鴨神社から五~六分、西山中山麓伏見の里に菩提寺はあります。さすが葛城山
麓、11日の雪が相当残っています。訪ねて先ず驚いたのは、なんと小さなお寺。
山門と本堂それに庫裡のみで境内は極めて狭く、ささやかなお寺、それが印象で
す。庫裡にはどなたもいらっしゃいません。寺歴は古そうなんですが、時代の波
に揉まれながらもなんとか法灯を守ってきたしたたかさを応援したいお寺です。

山門前に雪が積もっていますが、人の足跡が残っていません。最近の入山はどう
もボクが初めてのようで、当然境内もまっさら雪のまま、ボクの足跡のみです。

[ 菩提寺 ] ぼだいじ
●山号 伏見山(ふしみさん)
●院号 菩提院(ぼだいいん)
●寺号 菩提寺(ぼだいじ)
●宗派 高野山真言宗
●創建 奈良時代後期
●本尊 十一面観音菩薩

菩提寺縁起
奈良時代行基さんが布教行脚中留止し、この地に道場「菩提院」を建てた後裔と
いい、奈良朝最後の光仁天皇が仏法興隆を願い田三町を施入、繁栄の基が出来た
そうです。平安初期、空海さんもこのお寺で参籠修行をしたと伝えられ往時は子
院三十余坊を誇ったそうです。

▼山門。
昭和59年再建。大きくはありませんが立派な八脚門です。



▼山門の仁王さん。両像とも腰に草鞋をぶら下げています。





▼本堂。新しいお堂です。



▼境内の石仏。



金剛葛城の西山中一帯は古来葛城一族の発祥の地で、役行者を始めとする修験者
の修行地として歴史を彩ってきました。先の役行者や行基さん、空海さんと時の
エンターテナーの名が頻繁に登場するのがこの地の特色です。付近には、高天寺
橋本院、吐田極楽寺、九品寺、船宿寺や高鴨神社、高天彦神社、一言主神社など
中堅の古刹や古社がこれでもかと残っているボク達にとって垂涎の地です。

まだしつこく葛城古道を走りますゆえ、明日につづくのです。

全国賀茂社の総本宮、高鴨神社に寄ってみました。

2011年02月16日 | 奈良の古寺巡り


(2011.02.13 訪問)
八紘寺から葛城古道菩提寺をめざします。もと来た道を引き返し再びR24を南下、
風の森を右折西へ県道30号線へ。
途中高鴨神社の前を通りましたので寄ってみました。春の日本さくら草で有名な
神社です。高鴨神社は京上賀茂神社、下賀茂神社を始めとする全国の賀茂社、鴨
社のいってみればお寺の総本山みたいなもので賀茂社の総本宮。

[ 高鴨神社 ] たかがもじんじゃ
●祭神 阿治須岐高日子根命(あじすきたかひこねのみこと)
 事代主命(ことしろぬしのみこと)
 阿治須岐速雄命(あじすきはやおのみこと)
 下照姫命(したてるひめのみこと)
 天稚彦命(あめわかひこのみこと)
●由緒 弥生中期前より祭祀を行う日本最古の神社で官幣名神大社。最高の社格
 をもつ神社で当地に住んだ鴨一族の氏神といわれているそうです    
 摂社 二社 東宮、西宮。 末社 十六社。

▼一の鳥居。



▼一の鳥居扁額。



▼鳥居前の狛犬。



▼参道。



▼手水舎。



▼二の鳥居越しの拝殿。
二の鳥居は石造なのですが、かなりヒドイことになっています。柱二本、笠及び
笠木共に折れて各部共鎹で留めているだけ。左貫はセメント補強のみ、オーコワ!



▼拝殿。



▼本殿。
本殿は室町時代再建の三間社流造の建物。(重文)
平成二十二年屋根葺替、彩色復元が完了され非常に美しい姿を見せています。



▼摂社の東宮。



▼末社の五社。



▼鐘楼。
神社の鐘楼は初めて見ました。珍しいですよネ。神仏習合の名残でしょうか。



古社は何処も鬱蒼の森に神秘的神々しさを備え、森厳な「気」が辺り一帯に満ち
ているように感じませんか。
ここから菩提寺はスグ、続くんです。