土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

常寂光寺の紅葉今真っ盛り!

2017年11月30日 | 花巡り





(2017.11.28訪問)


久々にモミジ見に行ってみようかと思って、ドコがいいだろう、と。
フッと気が付くといつの間にか嵐山渡月橋の真ん中に立っていました。夢のようです。
ココ嵐山嵯峨野界隈には紅葉名刹数多くありますが、取り敢えず常寂光寺にまいります。





▼今日の渡月橋。







▼ココに向かいました。            







▼山門に向かう参道、すでにこの人波。     













▼仁王門前。                 







▼黄葉がダイナミックですネ。         







▼本堂前。先っちょにチリが来てます。







▼境内。                   



















▼境内から東方向、ひときわ高いのが比叡山。  







▼真っ赤に囲まれた三重塔。          



















▼境内。                   

















































嵐山嵯峨野界隈は紅葉真っ盛り、赤や黄に魅せられて人出も真っ盛りです。
自然が織りなす季節の移ろいの見事なまでの演出に魅了された一日でした。
今年のモミジはこれにて オ シ マ イ





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那谷寺、奇岩遊仙境は幽玄な雰囲気。

2017年11月26日 | 石川の古寺巡り





(2017.11.23訪問)


うちの奥さんが一度金沢へ行ってみたいと云うので、なんでやと聞くと東茶屋町がオシャレ、せめてランチをオシャレな東茶屋町の
レストランで、と。ネットで探しまくって一軒のレストランを予約しました。
ついでにボクも一計を、
石川に行くなら是非訪ねたいお寺があるので、帰りは山代温泉に泊まるぞと言い含めて、22日朝8時、約300キロ先の金沢市を目指
して大和路号は大阪を出発したと思って下さい。

那谷寺は山代温泉ホテル瑠璃光から6〜7キロ東に山門を開けて待ってくれてます。それでは北陸の名刹那谷寺へGOOOOOOOです。





▼山門参道。そぼ降る雨の中でも参拝の方々結構多いようですヨ。







[ 那谷寺 ]
●山号 自生山 (じせいざん)
●寺号 那谷寺(なたでら)
●宗派 高野山真言宗 (こうやさんしんごんしゅう) 別格本山
●勅願 聖武天皇 (しょうむてんのう)
●開基 泰澄 (たいちょう)
●開創 養老元年 (717年)
●本尊 十一面千手観世音菩薩
▲拝観 600円 朱印300円 書院庭園 200円 
▲時間 8:30~16:45 冬季 12/1~2/28 8:45~16:30
▲石川県小松市那谷町ユ122 電話 0761-65-2111
▲JR北陸本線「粟津駅」から小松バス粟津A路線で那谷寺下車
 R北陸本線「粟津駅」からタクシー約10分
 北陸自動車道「加賀IC」から約30分





▼山門。クロ塀に囲まれた重厚な山門です。
 重層楼門、変則三間一戸、入母屋造、上層勾欄付、本瓦葺。昭和五十年 (1975年) 再建。       







那谷寺縁起 (那谷寺HPから抄出)
養老元年高僧泰澄により白山が禅定され、那谷寺を開創。幽玄な岩が多く残る土地にお堂を建立し、十一面千手観世音菩薩を安置、
当寺の名は「岩屋寺」と呼ばれました。花山法皇が行幸の折洞窟の本尊を拝し「那谷寺」と改名。南北朝争乱と戦国兵火で三度焼失。
その後加賀藩主前田利常が寛永十七年から寛永十九年にかけて本殿、唐門、拝殿、三重塔、護摩堂、鐘楼堂および庭園などを造り復
興。現在も白山信仰自然智の森として祈念しています。





▼山号が記された山門扁額。







▼さて入山です。それでは山門を潜りましょう。







▼真っすぐな参道が続いています。落ち葉と雨に光る参道、何となくキレイですネ。







▼秋の彩り残る参道左手に異様な岩の景色が見えだしました。







▼この岩の景色は、奇岩遊仙境と云うそうですが、どうも自然洞窟じゃない感じ。







▼池には結構大きな鯉が遊んでいました。







▼奇岩遊仙境も何やら覆面黒師団を想像するような景観です。国指定名勝に指定されています。







▼窟の中には墓標らしきものが置かれて……、







▼こんな洞窟ですネ。







▼脇道から稲荷社へお詣り出来る参道が付いています。







▼お猿の顔に見えませんか。願掛猿と云うそうです。







▼参道中途の中門。こちらを入ると俄然山寺の雰囲気にガラリと寺容が変わります。







▼一挙に上り参道に。

            





▼振り返ってみると、画面上に見えるのは山門です。

 





▼大悲閣(重文)本殿です。四方に欄干を付けた懸け造りのお堂。寛永十九年 (1642年) 再建。







▼本尊十一面千手観世音菩薩を安置し「いわや胎内くぐり」が出来ます。(写真は那谷寺HPからお借りしました)







▼小雨けむる中、閑な池面を見せる大池。







▼三重塔へ向う参道にはまだ秋色が頑張ってます。







            ▼三重塔(重文)。小さい塔ですが安定感バッチリの美しい塔です。
             塔高11.6m、扇垂木、檜皮葺、二、三層は勾欄付、寛永十九年 (1642年) 建立。







▼三重塔本尊、胎蔵界大日如来坐像。(写真はネットからもらってきました)







            ▼三重塔。







▼楓月橋。崖に沿うように架けられた矩形の赤い橋。







▼鎮守堂。本尊白山妙理大権現。ここからの奇岩遊仙境の眺めは本当に美しいです。美しすぎて写真撮り忘れのお粗末!













            ▼庚申さん。那谷寺の庚申さんとして大人気だそうですヨ。







▼芭蕉句碑。石山の 石より白し 秋の風







▼石段先の護摩堂。







▼護摩堂(重文)。護摩修法を行うお堂、本尊不動明王。方三間、入母屋造、檜皮葺、一間向拝付、慶安二年 (1649年) 建立。







▼護摩堂正面。







▼鐘楼(重文)。桁裄二間、梁間三間、入母屋造、檜皮葺、袴腰、慶安二年 (1649年) 建立。







山門横まで戻ってきました、金堂華王殿とお庭の拝観です。

▼金堂華王殿(こんどうけおうでん)。全ての法会が行われる那谷寺中心のお堂。本尊十一面千手観音立像。平成二年 (1990年) 再建。







▼金堂華王殿扁額。







▼金堂華王殿本尊十一面観音立像。像高7.8mはさすがに見上げる高さ、切れ長の目はゾクッとするほどベッピン観音さんです。
 像高7.8m、寄木造、仏師松久宗琳。(写真は那谷寺ポスターを複写)







▼書院(重文)。寛永十四年 (1637年) 再建。







▼書院御成の間。







▼書院琴の間。







▼書院奥に広がる庭園「琉美園」
 小堀遠州の指導で加賀藩作庭奉行分部卜斉が造園。園中に歩石を布置し、所々に石を建て、老樹巨木が配され苔
 に覆われた美しいお庭です。







▼三尊石。岩面の裂けた姿が阿弥陀三尊ご来迎に似ていることから名付けられたそうです。







▼「琉美園」                    



















▼御朱印です。







北陸の名刹那谷寺とうとう参拝。
印象ではつねに雲重く垂れ陽が隠れる北陸の空、晴天青空を期待はしていませんが、終始小雨の中の参拝に今ひとつ写真に映えがあ
りません。しかし名刹は天候関係なく1300年の歴史と共に重厚な寺景を見せています。山岳寺院とも云えそうな環境は、変化に富み
次々と現れる景観は僧泰澄さん修行の地としての的を得た地なんでしょうネ。

ベリーグーな那谷寺これにて オ シ マ イ





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久米田寺、雨模様の古刹情緒を期待したんですが……。

2017年11月21日 | 大阪の古寺巡り





(2017.11.18訪問)


雲行きは非常に怪しい、すでにポツリポツリきてます。「降るなら早よ降れ、その気が無いなら当分降るな」と独り言をブチブチ
言いながら、新大和路号は岸和田を目指しています。この町の古刹といえばやはり久米田寺、行基さんが造りも造ったり四十九院
の一つと伝わる古刹です。行基四十九の古代寺院は正確には諸説入り乱れ、四十九という数字には不確定要素が多くハッキリしな
いそうですが、古刹久米田寺は久米田池とともに1300年の歴史をこの地に間違いなく息づいているお寺なんです。今日はボクにと
って思い出深い久米田池を歩き、古刹久米田寺を訪ねてみたいと思います。





▼大門。久米田池を正面に臨み建てられています。
 上層の花頭窓が印象的ですネ。重層六脚門、入母屋造、本瓦葺、宝永三年(1706年)再建。       







            [ 久米田寺 ]
            ●山号 龍臥山 (りゅうがざん)
            ●院号 隆池院 (りゅうちいん)
            ●寺号 久米田寺 (くめだじ)
            ●宗派 高野山真言宗 (こうやさんしんごんしゅう)
            ●勅願 聖武天皇 (しょうむてんのう)
            ●開基 行基 (ぎょうき)
            ●開創 天平六年 (734年)
            ●本尊 釈迦如来坐像
            ▲拝観 境内自由 朱印300円 
            ▲時間 6:00~17:00
            ▲大阪府岸和田市池尻町久米田寺934 電話072-445-0261
            ▲JR阪和線「久米田駅」から 徒歩15分
             阪和道「岸和田和泉IC」から府道230号経由 5km10分





            ▼山門横に寺号石標。







久米田寺縁起
行基建立四十九院のひとつとして建立された久米田寺。奈良時代、干魃に苦しむ農民のために行基が十四年かけて灌漑用水久米田
池をつくり、その隣に池の管理改修を行う臥竜山隆池院を建てたのが始まりとされている。永禄五年(1562年)、三好義賢と畠山高
政との合戦で諸堂塔共焼失したが、江戸中期に再建。多宝塔、金堂や行基が自ら彫ったとされる千手観世音を安置する観音堂など
その姿を今に伝えている。





▼大門。







▼石盤に刻まれた境内ガイド。なかなかユニークですが、新しい多宝塔が刻まれていません。







            ▼金堂石標。







▼大門一直線正面に金堂、久米田寺の本堂です。
 本尊釈迦如来坐像、脇待に普賢菩薩、文殊菩薩立像。方三間、寄棟造、本瓦葺、一間向拝付、明和七年 (1770年) 再建。







▼隆池院と書かれた本堂扁額。松平定信筆と伝わるそうです。







            ▼堂内を格子窓から覗いてみましたが、本尊、脇侍は見えません。
             毎月20日、21日には開扉されるそうです。







▼本堂やや斜めから。







▼本堂寄せ棟屋根の瓦流れ。







▼大師堂。堂前には南無大師遍照金剛の題目が刻まれた石柱が建てられています。
 唯一開扉されていたお堂です。空海さんを中心に不動明王、毘沙門天を祀っています。
 






▼向拝に提灯がこれでもか。







▼大師堂扁額は御影堂と書かれたいます。







▼大師堂内陣の様子。前方天井に仏画が描かれているのに気付きませんでした。

         





▼鐘楼。

 





▼手水舎。







            ▼開山堂の石柱。







▼開山堂。方三間、宝形造、本瓦葺、文政五年 (1822年) 再建。行基さん像を安置。







            ▼開山堂内部。立派なお厨子が見えますが、
             行基さんの姿は見えません、お厨子の中かナ。







▼校倉造りの宝蔵。







▼観音堂。本尊千手観音菩薩。桁裄三間、梁間三間、入母屋造、本瓦葺、一間向拝付。







▼格子窓から覗いた観音堂内陣。このお堂も本尊は見えません。







▼観音堂をやや斜めから。







            ▼本尊名が刻されている聖天堂の石柱。







▼聖天堂。本尊大聖歓喜天。桁裄三間、梁間二間、本瓦葺、一間向拝付。







▼四国八十八ヶ所のそれぞれの本尊を祀ってる長屋堂。







▼境内唯一朱色が映えてる多宝塔。平成十五年(2003年) 再建。仏舎利二粒をお祀りしているそうです。 







▼複雑なリズム感を感じる上層の組み物。







            ▼多宝塔相輪。塔頂の宝珠や受花なかなか手が込んでるようですネ。







▼多宝塔。













▼靖霊殿参道。







▼境内西端に日清日露の戦没者を合祀したお堂靖霊殿。仏舎利二粒をお祀りしています。法隆寺夢殿を模したそうです。







▼靖霊殿扁額。







▼靖霊殿。







久米田寺には塔頭寺院が五カ院、取り敢えず各院の山門をご紹介。

▼明王院。







▼阿弥陀院。







▼華厳院。







▼五大院。







▼多門院。







▼境内大門から久米田池の遊歩堤が見えます。







行基さんが十四年を要してこの地に灌漑用の池を掘削し完成させた久米田池、この池の管理改修を行うために建てたのが久米田寺。
その久米田池の今は……、

▼池の水はなみなみとは云えません。







▼白鷺でしょうか、沢山飛来してます。








▼孤高の一羽。









▼御朱印です。







降りそで降らずに時々ポツリ、薄暗い一日の久米田寺巡りでした。
写真は総てマックロケ、さわりまくって思い切り明るくしましたので、空が全部スットビで、見るに耐えないお粗末写真ばかりで
恥ずかしいのですが、辛抱して見て頂けたら嬉しいです。

久米田寺これにて オ シ マ イ





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大安寺、南都七大寺筆頭寺院は……、

2017年11月17日 | 奈良の古寺巡り





(2017.11.11訪問)


華やかな薬師寺を辞して大安寺に向かいます。新大和路号は一路大和路を東に、途中JR奈良駅前を通り南へ。しばらく走ると大安寺
の標識を右へ、やがて大安寺に到着。南都七大寺の筆頭寺院と云われた大安寺は、当初飛鳥の中心寺院として栄えたそうですが、今
は普通の街中お寺。残された仏像から飛鳥の香りを感じる事が出来るでしょうか。





            ▼南都七大寺と誇る門前の寺号石柱。







            [ 大安寺 ]
            ●山号 熊凝山 (くまごりさん)
            ●寺号 大安寺 (だいあんじ)
            ●宗派 高野山真言宗 (こうやさんしんごんしゅう)
            ●開基 聖徳太子 (しょうとくたいし)
            ●開創639年聖徳太子建立の熊凝精舎が開創寺院と伝わる
            ●本尊 十一面観音菩薩立像
            ▲拝観 400円 朱印300円 
            ▲時間 9:00~17:00
            ▲奈良市大安寺2-18-1 電話0742-61-6312
            ▲http://www.daianji.or.jp/index.html
            ▲JR関西線、近鉄奈良線「奈良駅」からバス大安寺行き「大安寺」バス停下車 徒歩5分





▼山門。四脚門、切妻造、本瓦葺、梁上に菊の御紋が光ります。







大安寺縁起
聖徳太子の熊凝精舎が舒明天皇により百済大寺として、天武天皇により高市大寺にそして大官大寺と改め、天武天皇の崩御後、その
遺志は持統天皇、文武天皇へと引き継がれ平城遷都とともに平城京左京に遷地され大安寺と称され、六宗兼学の大寺院として南都に
その偉容を誇りました。





            ▼山門木札。







▼境内を見渡しますと左に……、







▼いのちの小径と名付けられた竹林が。
 毎年1月23日癌封じ笹酒祭、6月23日竹供養・癌封じ夏祭が行われています。







▼大きな手水鉢で先ずお清めを。







▼本堂。桁裄三間、梁間四間、宝形造、桟瓦葺、一間向拝付。宝形造の本堂は比較的珍しいのでは。







▼本堂本尊十一面観音菩薩立像 (重文)。像高191cm、木造、奈良時代後期。通常は秘仏、特別開帳10月1日~11月30日
 大安寺に残る天平仏九体(重文)の一体です。頭部は明らかに後補と判り、体部との差が目立ち、お顔はやや伏し目がちで、須弥壇
 の厨子内にお立ちなので下方から拝することになり不思議な感覚受けます。胸部瓔珞や条帛、天衣の彫りは浅いですが柔らかくま
 とめられています。



                (写真は大安寺HPからお借りしました)



▼本堂側面から。







▼本堂屋根の宝珠。桟瓦の流れは思いの外キレイですネ。







▼嘶堂 (いななきどう)。馬頭観音を祀るお堂です。馬が嘶くからか、少々駄洒落的発想ネーミングのお堂。







▼嘶堂扁額。







▼嘶堂本尊馬頭観音立像 (重文) (秘仏)。像高174cm,木造、奈良時代後期。毎年3月1日~31日公開。
 馬頭観音様は、頭上に馬頭をいただく忿怒の形相ですが、この像には馬頭がありません。儀軌以前の古像で、馬頭観音の原初の姿
 とも考えられているそうです。



                (写真は大安寺HPからお借りしました)





▼護摩堂。毎月第2日曜日護摩供養が行われます。             













            ▼お竹地蔵尊。

 





▼白さざんか (と思います) が咲いていました。







            ▼弘法大師七歳稚児大師像。







▼大伴家持の歌碑。

 うつせみは 数なき身なり 山川の 清けき見つつ 道をたずねな








            ▼石灯籠。







            ▼十三重石塔。







▼江戸期の大安寺伽藍配置図。南都第一の大寺として君臨した頃を偲ぶ絵図としたら哀しすぎますネ。







▼お寺から南へ少し行ったところに塔跡が残っています。
 当然の事ながら、この位置に塔があったという事は、時勢華やかりし頃の強大な境内の広さが偲ばれます。時代の流れとはいえ淋
 しさが身に沁みます。







▼御朱印です。







平城遷都後最大の官寺、大官大寺が飛鳥からこの地に移され大安寺と称し南都第一の大寺として、六宗兼学の仏教総合大学的性格で
幾多の名僧知識を輩出した名刹。この名刹も時代の波に揉まれ揉まれて、往時の規模は比べようもなく、天平の香りは残された木彫
仏九体のみ。南都七大寺の中で最も衰退したお寺になってしまったようで、豪壮華麗な薬師寺を拝観して来ただけに、栄華の時期を
偲ぶ術もない今の姿は、なんとも悲しく映る大安寺でした。

涙を拭いながら大安寺 オ シ マ イ





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薬師寺、再建食堂内はこれぞ極楽浄土の世界!

2017年11月13日 | 奈良の古寺巡り





(2017.11.11訪問)


今年6月再建された食堂 (ショクドウではないですよ、ジキドウといいます) が7月1日から11月30日まで一般公開されている薬師寺
を訪ねました。食堂は僧侶の儀礼の場で寺院の主要な建物の一つだそうで、創建後何度かの焼失を繰り返し、1005年再建されるも、
再び失われその後ほぼ1000年ぶりに再建されたのが今回の食堂。内部は絵本尊で、4年がかりで完成された日本画家田渕俊夫さんの
「本尊阿弥陀三尊浄土図」「仏教伝来の道と薬師寺」と建築家伊藤豊雄さん設計の堂内デザインの拝見です。我が国トップのお二人
の仕事にワクワクします。 





▼今日は南参道を行き南門からの参拝です。







[ 薬師寺 ]
●寺号 薬師寺(やくしじ)
●宗派 法相宗(ほっそうしゅう)大本山
●勅願 天武天皇(てんむてんのう)
●開創 天武天皇九年(680年)
●本尊 薬師三尊。
▲拝観 新食堂500円(要通常拝観料) 玄奘三蔵院公開時1100円 玄奘三蔵院非公開時800円 朱印300円 駐車場500円
▲時間 8:30~17:00
▲奈良市西ノ京町457 電話0742-33-6001
▲http://www.nara-yakushiji.com/
▲1998年「古都奈良の文化財」として世界遺産登録。
▲近鉄橿原線「西ノ京駅」下車徒歩3分





▼仲良く並ぶ南門前の世界遺産碑と寺号碑。







薬師寺縁起 (薬師寺パンフから抄出)
天武天皇により発願、天武天皇九年(680年)持統十年(697年)本尊開眼、、更に文武天皇の御代に至り、飛鳥の地において堂宇
の完成を見ました。その後和銅三年(710年)平城遷都に伴い現在地に移されたものです。享禄元年 (1528年) の兵火で東塔を除く
諸堂が灰燼に帰しました。昭和四十二年(1967年)高田好胤管主により白鳳伽藍復興の発願、写経勧進に寄って諸堂が、平成十五年
(2003年) 大講堂がさらに平成二十九年 (2017年) 食堂が復興再建され白鳳伽藍が甦りました。





▼中門。五間三戸、桁裄五間、梁間二間、切妻造、本瓦葺。両サイドに二天像を安置。昭和五十九年(1984年)復興再建。
 中門越し左は西塔、右覆屋が現在補修修復中の東塔です。両脇間の二天像は正面向きではなく互いに向き合ってます。







▼右に阿形二天像。







▼左に吽形二天像。







▼中門を潜るとド~ンと白鳳伽藍の中心金堂です。







▼金堂。桁裄五間、梁間五間、入母屋造、本瓦葺。二重二閣の竜宮造り、各層に裳階付、初層の裳階は三間繰上げ式。
 昭和五十一年 (1976年) 復興再建。







▼金堂前面の三間戸口。







▼金堂本尊薬師三尊の中尊、薬師如来坐像(国宝)。像高254.7cm、銅鋳造像。(以前堂外からの撮影です)







            ▼金堂左脇侍 (向かって右) 日光菩薩立像(国宝)。
             像高317.3cm、銅鋳造像。(以前堂外からの撮影です)







            ▼右脇侍(向かって左)、月光菩薩立像(国宝)。
             像高315.3cm、銅鋳造像。(以前堂外からの撮影です)



日本仏像史上最高の彫刻、おそらくこの三尊を越える仏像は存在しないでしょう。制作年代の定説は不詳と云いますが、約1300年
前にこの美仏を完成させた仏師がこの時代に確かにいたんです。実はもう一体それは後ほど。





▼金堂。この堂形、龍宮造りとは巧く云ったもんですネ。







▼凍れる音楽は平成三十二年修復修理が完了する予定、気長に待ちましょう。







▼白鳳伽藍で唯一の紅葉。







            ▼中門から見た西塔。

 





            ▼西塔。享禄元年(1528年)の兵火で焼失、昭和五十六年 (1981年) 453年ぶりに復興再建。
             各層の下屋根は裳階で屋根の大小でリズム感を出していると云われているそうです。







            ▼西塔二層目の連子窓。







            ▼相輪。水煙の飛天の舞は東塔の飛天と対になってます。







            ▼西塔。               













▼西回廊でご詠歌を詠う団体さん。







▼大講堂。
 なんと左右41mある横長のお堂です。桁裄九間、梁間四間、入母屋造、本瓦葺、下屋根は裳階。平成十五年(2003年)の再建。
 奥行20m、高さ約17mの薬師寺伽藍最大の建造物です。これほど大きいのは南都仏教が教学を重んじ講堂に大勢の学僧が参集し
 て経典を講讃したためだそうです。







▼今日は全戸口が開放されています。







▼本尊彌勒三尊(重文)。中尊像高約267cm。お顔は中尊彌勒如来坐像です。(以前堂外からの撮影です)







▼大講堂。







▼大講堂大屋根鴟尾の輝き。







今日のメイン拝観、再建食堂です。
 桁裄十一間、梁間四間、入母屋造、本瓦葺。お堂外観デザインは変化のないシンプルな構成になってます。







▼お堂内部です。見て下さいこの豪華華麗斬新さを。写真は報道陣に公開されたときのものです。
 中央に絵本尊「本尊阿弥陀三尊浄土図」壁面三方に「仏教伝来の道と薬師寺」
 そして堂内デザインの斬新な事!建築家伊東豊雄さんデザイン。



画家田渕俊夫さんは「極楽というのを、仏画からも天井からも、ひとつの雰囲気をつくりたい」

天井を覆うのは、光を反射させる特別なパネルで阿弥陀如来の光に包まれた極楽浄土を表現しています。
建築家伊東豊雄さんは「阿弥陀如来は無限の光を与える仏様。光が広がって伝わっていく感じを表現したい」
それぞれのプロのお言葉です。(写真はネットから貰ってきました)





       ▼改めて絵本尊「本尊阿弥陀三尊浄土図」と天井の極楽浄土です。(写真はネットから貰ってきました)







▼食堂正面の扉。







▼食堂軒の垂木と組み物。二重垂木は□と○、凝ってますネ。







▼屋根四隅の風鎮。無風快晴ではないんです今日は。相当風が強いのですが、この風鎮我関せず?







▼こちらから入って向こうから出ます。
 一見、二見いや三見の価値十分! 一般公開が今月末までなのでこりゃもう一度訪ねることになるでしょう。素晴らしい!







▼東回廊から東院堂へ行きます。







▼東院堂(国宝)。元明天皇の鎮魂を祈り建立。東廻廊の外側に建ってます。
 桁裄七間、梁間四間、入母屋造、本瓦葺。弘安八年(1285年)再建。







▼須弥壇と本尊お厨子。本尊左右に四天王が祀られています。(この写真は堂外からの撮影です)







▼本尊聖観音菩薩立像(国宝)。像高188.9cm、銅鋳造像。(この写真は堂外撮影の許可を戴きました)
 金堂本尊薬師三尊に決して負けない美仏。直立不動でリズム感はやや固いのですが天衣、裙の裾のドレープの柔らかさは素晴らし
 く単独仏としての威厳はこちらの方が圧倒的だとボクは思います。







▼聖観音のお顔。







▼境内北端の玄奘三蔵院へ向います。広い境内ですネ。玄奘三蔵院は今公開中で11月30日まで。







▼礼門。桁裄三間、梁間三間、切妻造、本瓦葺のシンプルな門で、境内は連子窓の回廊で囲まれています。







            ▼礼門前に建つ凝りに凝った石柱。







▼礼門の扁額。







▼玄奘塔です。法相宗祖である玄奘三蔵の遺骨を奉安し、須弥壇には玄奘三蔵像をお祀りしています。







▼玄奘塔の不東と書かれた扁額。







▼本尊玄奘三蔵像。







▼玄奘塔の宝珠。







▼玄奘塔四方に敷かれた好感性の瓦タイル。







▼玄奘三蔵院壁画殿です。







▼平山郁夫さんの「大唐西域壁画」が公開されています。申すまでもなく平山さん渾身の壮大なスケールのシルクロードが描かれて
 いる壁画です。(写真はネットから貰ってきました)







▼御朱印です。







ナットクの薬師寺食堂の拝観でした。食堂内部はボクが知るお堂の雰囲気はありません。ようもまあこれだけ斬新なデザインを採用
したなと思うほど思い切った設えです。薬師寺さんの決断に拍手を贈りたいと思います。限定公開をナントカ通常公開にならんもん
でしょうか薬師寺さん。

これにて薬師寺 オ シ マ イ


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