土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

大観音寺、本尊は身の丈三十三米、純金の大観音菩薩像。

2019年07月20日 | 三重の古寺巡り





(2019.07.13訪問)


迷車大和路号は、R165号を東へまっしぐら。櫻井、榛原、名張を越え目指すは榊原温泉。鼻歌でも歌いながら温泉三昧、いえいえ
とんでもございません、今日訪ねるのは、身の丈33メートルの黄金の大観音さんが居られるその名も大観音寺なんです。大観音寺は
入山すると、純金の大黄金観音像をはじめキャラ満点の仏像がこれでもかと登場、まるで仏像アミューズメント寺院。参拝者を楽し
ませてくれる不思議なお寺、それが大観音寺。さてさてどんな仏像が迎えてくれるのやら。




▼神々しく立つこの方が、身の丈33メートルの大観音さん。







[ 大観音寺 ]
●山号 寳珠山(ほうじゅざん)
●寺号 大観音寺(だいかんのんじ)
●宗派 曹洞宗 (そうとうしゅう) 中本山
●開基 竺翁雄仙 (ちくおうゆうせん)
●開創 応永8年 (1401年)
●再興 皇慶上人 長徳年間
●本尊 観世音菩薩立像
▲三重県津市白山町 059-262-1717
▲拝観料 800円
▲拝観時間 9:30AM~5:00PM
▲近鉄上本町駅発伊勢中川方面行き特急「榊原温泉口駅」下車 
 西名阪松原I.C → 西名阪天理I.C → 国道25号線 → 名阪上野東I.C → 国道422号線 → 青山 → 国道165号線 → 榊原温泉口駅前





▼およそ寺院のイメージがない、赤いアーチのここが入り口。







大観音寺縁起
欽明天皇26年 (565年) 勅願により薬師寺として開かれたのがはじまり、応永8年 (1401年) 竺翁雄仙が曹洞宗に改宗。
1451年(宝徳3年)、当時の佐武ケ嶽城主坂根修理亮が父親の桂林院の菩提を弔うために堂宇を増築、寺領30石を寄進し寺号を「桂
林寺」に改称.。1600年(慶長5年)、関ヶ原の戦いで六世大渓は細川幽斎を支援、その功績に対し細川家より阿弥陀像と絹本著色仏
涅槃図、梵鐘が寄進される。江戸時代、歴代藩主から庇護され寺運が隆盛、末寺30余寺を擁する曹洞宗中本山として大きな影響力
を持つようになった。





▼阿吽両金剛力士に睨まれながら、境内へ……、













▼大観音の仏足下駄。大観音が下駄を履いたらと想定して作られた仏足下駄。丈7m、巾3m、青銅造、重さ30トン。
 なぜか猫の楽団がいます。







▼参道先に純金、33メートル大観音さんが見えます。







▼参道途中にはいろんな方が迎えてくれます。この方やるき達磨さん、喝を頂きました。







▼にっこりお福さん。なんでこの方が、ここに居るのかよく判りません。







▼観音霊石。人為的細工をしていない事を祈るばかり。                 













▼菊花霊石。なんでこれがここに。

 





▼水子三観音。
 水子三観音とは「慈母水子観音」「聖水子観音」「大悲水子観音」のこと。この水子三観音の三力終結で必ず水子を救い、すこ
 やかに育ててくれるといいます。

 





            ▼慈母水子観音。







            ▼聖水子観音。







            ▼大悲水子観音。







▼河童大明神。なぜお寺に河童が居るの。







▼よく見るとよく出来た河童ですネ。







▼烏天狗もいます。







▼神獣白澤。古来中国より伝わる伝説上の生物で、いろんな厄難に効果を発揮する瑞獣。







▼萬倍釜。弘法大師秘伝金運の釜。
 弘法大師が炊いたお米が一万倍になり、飢えで苦しむ多くの庶民を救ったといわれる「一粒一万倍の釜」の伝説にあやかって造
 られた世界最大の釜。







▼厄除け不動明王と三十六童子。







▼白蛇霊石。人為的細工をしていない事を祈るばかり。







▼大観音手形。
 印相は、与願印で、指には五智如来と吉祥を表す卍が施され、手の中心には、煩悩を滅ぼし、菩提心を表す金剛杵が表現。







▼さて遅まきながら、気持ちいい参道の真ん中を通って、大観音さんへアプローチ。    













            ▼純金開運寶珠大観世音菩薩。大観音寺の本尊、像高33m 、純金1トン使用。
             右手に開く蓮花、左手に宝珠を持っている。



















▼大観音さんの周囲を囲んでいる108の煩悩を取り払う108体の観音像。
 一体一体にご挨拶をしてグルリと一周、大観音さんの参拝これにてオシマイ。







▼御朱印です。




さすがに33メートルの大観音さんの迫力は半端じゃありません。全身を黄金で纏い全山を睥睨する姿は、まるで補陀落浄土から人
間界のゴタゴタを見透かされているような感覚を受け、一瞬身が引き締まる気になる大観音さんでした。

みなさん!気がつかれましたか。このお寺境内に本堂とか堂宇が一棟もないんです。不思議なお寺ですネ。



桂林寺、美しい十一面さんに逢えますヨ。

2019年07月14日 | 京都の古寺巡り





(2019.07.06訪問)

先の圓隆寺とごくご近所に曹洞宗のお寺桂林寺があります。このお寺には本尊阿弥陀さんの他に、現代の大仏師松本明慶さん作の、
この上なく美しい観音さんがおられると聞き、早速訪ねることに。百聞は一見に如かずの言葉通り、現代仏師の力量を間近に見る
ことが出来ますよ。




            ▼貫禄の三段積寺号石標が山門前に。







            [ 桂林寺 ]
            ●山号 天香山(てんこうざん)
            ●寺号 桂林寺(けいりんじ)
            ●宗派 曹洞宗 (そうとうしゅう) 中本山
            ●開基 竺翁雄仙 (ちくおうゆうせん)
            ●開創 応永8年 (1401年)
            ●再興 皇慶上人 長徳年間
            ●本尊 阿弥陀如来立像
            ▲京都府京都府舞鶴市紺屋69  0773-75-0168
            ▲拝観 境内自由
            ▲舞鶴若狭自動車道舞鶴西ICから約15分
             JR西舞鶴駅から徒歩約10分





▼山門。寺号木札が架かってないのも珍しいお寺です。







桂林寺縁起
欽明天皇26年 (565年) 勅願により薬師寺として開かれたのがはじまり、応永8年 (1401年) 竺翁雄仙が曹洞宗に改宗。
1451年(宝徳3年)、当時の佐武ケ嶽城主坂根修理亮が父親の桂林院の菩提を弔うために堂宇を増築、寺領30石を寄進し寺号を「桂
林寺」に改称.。1600年(慶長5年)、関ヶ原の戦いで6世大渓は細川幽斎を支援、その功績に対し細川家より阿弥陀像と絹本著色仏
涅槃図、梵鐘が寄進される。江戸時代、歴代藩主から庇護され寺運が隆盛、末寺30余寺を擁する曹洞宗中本山として大きな影響力
を持つようになった。





▼仁王門。初層左右奥に仁王さんがお立ちですが、撮影失敗! 重層、3間1戸、入母屋造。本瓦葺。享保2年 (1717年) 建立。







▼仁王門扁額。全く読めません。







▼石段の先に竜宮門式鐘楼門。







▼上層に梵鐘が吊られているようです。







▼鐘楼門扁額。この文字も読めません、情けない!







▼鐘楼門から正面に本堂。







▼本堂。

 





▼本堂扁額。悪しき例によりこれまた読めません。

 





▼本堂内陣扁額。アホらしいほど読めません。







▼これでもかの荘厳が目を引きます。







▼須弥壇奥に本尊がお立ちです。







▼本尊阿弥陀如来立像。光背一体の真新しい本尊のようです。        













▼阿弥陀さんのお顔。







            ▼脇殿の十一面観音立像。これこそ観音浄土の観音さん、この上なく美しい姿で
             お立ちです。像高約3m、木造、淡彩色、仏師は京都大仏師の松本明慶さん。
             2014年10月5日開眼法要。







▼十一面さんのお顔。







            ▼内陣前に陶器製の狛獅子。右のは左前足で子獅子を踏みつけ、







            ▼左のは右前足で鞠を踏んでいるんでしょうか。







▼選仏場。座禅道場、桁行7間、梁間6間、入母屋造、桟瓦葺。坐禅会が開かれています。(毎月8日 午前5時30分~午前7時00分)







▼選仏場扁額。







▼宝蔵。







▼境内の一角に天光観音菩薩坐像 (准程観音菩薩坐像)
 見事というほか言葉が出ない石仏。ようもまあこれだけ細かい彫りが出来るもんだ! 優しいお顔でしょう。     













▼本坊。こちらで御朱印をいただきます。







▼本坊前のお庭。







▼クレマチス。かな?







▼桂林寺遠景。舞鶴市内に見えますか。

 





▼御朱印です。






ご住職にお寺パンフをお願いすると、「当寺は拝観寺院ではないので作っていません」が話の発端、気の毒に思われたんでしょうか、
方丈でしばらくお話し、茶菓子接待まで受け、こちらが恐縮した訪問でした。読めなかった扁額の読、聞くのを忘れたのは後の祭り!
天香山桂林寺、これにてオシマイ!

圓隆寺、珍しい亀腹を持つ多宝塔に会えますヨ。

2019年07月09日 | 京都の古寺巡り




(2019.07.06訪問)


今日は京都舞鶴市遠征。遠い遠い136キロ先の目指すは医王山多禰寺。Junさんのブログ「多禰寺へ龍を見に行く」を読ませてもらっ
て、これは是非とも訪ねなければならない。ボクは中井一統彫刻のファンで、多禰寺にそれが有るとなると即決、今日訪ねようと。
早速大和路号は京都縦貫を北へまっしぐら、とまでは良かったんですが、もう少しというところで多禰寺への道は、このところの雨
で山道は山崩れで通行不能、アアなんと云うことでしょう! しかししかし舞鶴市にはユニークな多宝塔を持つお寺、圓隆寺があるん
です。




            ▼前道路に面して建つ山号寺号が刻された石標。






            [ 圓隆寺 ]
            ●山号 慈慧山(じけいさん)
            ●寺号 圓隆寺(えんりゅうじ)
            ●宗派 真言宗御室派 (しんごんしゅうおむろは)
            ●開基 伝行基
            ●開創 奈良時代
            ●再興 皇慶上人 長徳年間
            ●本尊 阿弥陀如来、薬師如来、釈迦如来
            ▲京都府舞鶴市引土72  0773-75-1193
            ▲拝観料 境内自由
            ▲舞鶴若狭自動車道舞鶴西ICから約15分
             JR西舞鶴駅から徒歩約8分





▼総門。

 





圓隆寺縁起
奈良時代に行基が創建、のち長徳年間(998~998)に皇慶上人が中興したと伝えられる。本尊は丹後地方最大の丈六仏で、そのお
だやかな表情、ふくよかな体つき、やわらかな衣のラインは定朝式を伝える美しい仏像。また、この仏像のほか、不動明王立像と毘
沙門天立像は、重要文化財に指定されている。





▼総門。3間1戸、入母屋造。桟瓦葺、袖塀付、宝暦3年(1753年)建立。







▼慈慧山と書かれた総門扁額。







▼総門から境内、正面に参道石段が。







▼最初のお堂は、総門を入って右手に大師堂。







            ▼堂前にはお大師さんの若き日の修行像。







▼正面石段左手に薬師堂が。方3間桟瓦葺きの小さなお堂。

 





            ▼正面小窓から堂内を見ると立派な薬師如来がお坐りです。

 





▼境内石段参道。石段を上りきると本堂広場が待ってます。







▼広場右端に鎮守堂と粟嶋堂。







▼太子堂と観音堂が並んでいます。左太子堂、右観音堂。







▼太子堂扁額。聖徳太子殿と書かれた扁額。







▼観音堂。方3間、宝形造、桟瓦葺、1間向拝付。







▼観音堂本尊、聖観音菩薩坐像。







▼出世稲荷神社。







▼本堂正面。桁裄5間、梁間5間、入母屋造、桟瓦葺、1間向拝付、この向拝がまた豪華、千鳥破風の前部が唐破風で重厚な向拝。
 天明6年(1785年) 建立。







▼本堂側面。







▼本堂正面は全面格子が嵌められています。







▼本堂正面屋根裏から向拝屋根裏は相当複雑に組み込まれているようです。







▼本堂床は全面板敷き、中央奥に豪華な瓔珞、華鬘や羅網で荘厳された内陣須弥壇。







▼須弥壇中央に金色に囲まれた本尊阿弥陀如来がお坐りです。肝心のお顔がねぇ〜。







            ▼岩に刻まれた滝不動明王。







▼これが珍しい多宝塔。          













▼多宝塔亀腹。珍しいでしょ、瓦を鱗のように葺いています、もう一つ上層に鳥居が備えられています、これも珍しいですネ。

 





▼多宝塔初層は2重桁。







▼鐘楼。







▼御成門。書院や方丈のエリアです。  







▼客殿。







▼護摩堂。              







 





▼宝蔵でしょうか。






これだけのお寺で、どなたもいらっしゃらない、知りたいこと満載のお寺、仏像ファンにとっては、何とも惜しい気がしました。
せめてお寺ガイドでもと思ったんですが、それも無し、泣く泣く圓隆寺オイトマ、咲き残りの紫陽花が健気に咲いて、健気に見送って
くれました。












これにて圓隆寺オシマイ。