土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

なんとお金持ちのお寺でしょう、生駒山寶山寺。

2010年05月26日 | 奈良の古寺巡り
5月22日、小学校1年生の遠足以来、数十年振りに近鉄生駒駅におりました。数十
年振りに生駒ケーブルに乗りました。かの有名なワンちゃんケーブルカーです。
寶山寺に行くために乗るのです。

ちゃんをつけるほど可愛いとおもいます?


ケーブル宝山寺駅に着きました。二人(別に知り合いではありません。)を除い
て他の人たちは乗り換えて山上遊園へ行くのでしょう。ここで降りたもう一人の
方(男の人です。)は何処へ行かれたか分かりません。

さて、参道です。が参道には見えません。ただの石段です。近鉄生駒駅のチョッ
ト上からズーっと石段です。
両側は旅館や料理屋さんが並んでいます。かの有名な生駒聖天通り。(ボクは知
りません。)宝山寺新地でしたか?(これもボクは知りません。)お店は開店休
業の態です。だって人がいませんもの。
♪~生駒は悲しいおんなまち~♪ ふるいナァ、郷愁ですナァ

下から歩いて上ってくると、とっくの昔に倒れていたでしょう。前を見るとおば
さん(と思います。)が上って行きます。ケーブルに乗ってはったかな?かなり
健脚です。早い。


百数十段(ハッキリ勘定はしてません。そんな余裕はありません。)上るといき
なり本当の参道です。お寺では表参道と呼んでいるようです。キット裏参道もあ
るのでしょう。先ほどのおばさん(と思います。)が前に見えます。


そうこうするうちにおばさん(と思います。)が見えなくなり、かわりに大鳥居
が見えます。
寶山寺は神社でしたか?(なんぼなんでも寺がつくからお寺でしょう。)


そこで寶山寺のご紹介。
真言律宗のお寺です。お寺草創は1678年江戸中期、開祖は湛海律師という方です。
本尊は不動明王像、このお像は開祖湛海律師が刻したと伝わります。寺歴は新し
いのですがこの地の由緒伝承は古いのです。役行者や空海さんの名が出てきます。
修行地の謂われは本堂後ろの洞窟、般若窟に役行者が般若心経を納め修行を積み
事実上の開山、空海さんもここで修行したそうです。
そして湛海律師は同時に大聖歓喜自在天をも勧請されたそうです。

やっと山門です。お寺パンフには惣門と書いてあります。石標に生駒山寶山寺と
刻しています。これを見る限り絶対にお寺です。


地蔵堂です。惣門を入ってすぐ左にあります。三体の石仏、空海さんを中心に右
地蔵菩薩、左わかりません。


鐘楼です。大きな絵馬です。可愛い猫でしょうか、いやキット虎でしょう。そう
だ今年は寅年だ。


中門です。ここから内に主要伽藍がギッシリ。


パンフによるとここは水屋?(関西では食器棚のことを水屋といいます。どうで
もいいですね。)ようするに手水舎です。このだんじりの屋根みたいな豪華な手
水舎は初めてです。この一つを見ても大金持ちのお寺ですネ。


宝塔とあるだけで説明なし。小さい鐘が沢山付いてます。なんでしょうカネ。


本堂です。結構な数の参拝者がいました。参道のあの静けさは一体なんだったの
でしょうか。(答え、皆さんクルマで来てます。)ここの本尊がこのお寺の本尊、
不動明王像です。お堂の中にも沢山の方が手を合わされていました。5月1日~10
日に内陣が特別参拝ができ本尊不動明王像が公開されたそうで、またも日がずれ
てました。ドジですねまったく。写真左上岩場の窪みが般若窟です。


拝殿です。この後ろの聖天堂に祀られているのが大聖歓喜自在天、「生駒聖天」
とし信仰を集めているいわば本尊です。拝殿前に鳥居があり扁額には歓喜天とあ
ります。拝殿とは直角に建っています。老化顕著な頭ではなぜだか判りませんで
す。このお寺ではダブル本尊がかなり幅を利かせている、キットそうです。




みえます?白い煙。ボヤではありません。線香場の線香の煙です。手前の屋根が
線香場という建物、ズバリの名称でいいですね。


宝形造りのお堂、常楽殿。


境内の一部、IXYではこれ以上広く撮れません。限界というものを簡単に知りま
した。


奥の院へ行きましょう。その前に多宝塔です。本尊は愛染明王、このお像も開祖
湛海律師が刻したと伝わります。




五社明神。生駒山の地主神です。


奥の院への参道。綺麗な道の両脇に石仏(二百数十体あるそうです。)が切れ目
なく奉納されています。このお寺は夜でも時間を問わず参拝できるそうです。そ
の証拠に蛍光灯が見えます。しかしボクなら断ります。怖いです。無理です。
女性お一人で参拝する方が居られるそうですヨ。正気でしょうか? オオコワ!


開山堂です。開祖湛海律師の座像が安置されています。中は暗いのでお顔はよく
見えませんでした。


奥の院本堂で比較的新しいお堂です。本尊はやはり不動明王です。かってこの地
に開祖の修練道場があったそうです。


さていよいよ般若窟です。
磐の崖を明らかに人の手で掘ったという印象の浅いけれどもれっきとした洞窟で
す。凄いです。やはり役行者は偉いです。居たのです。般若窟へはこんな道です。


洞窟風が二つ並んでいます。手前のほうには小さなお堂が二つ、お堂は新しいも
のです。向かって左が荒神さん、右が弁天さんを祀っています。由来はわかりま
せん。






さて奥の方の洞窟です。下から見上げたら左側です。
開祖湛海律師は、この寺域が弥勒浄土であるという古説から弥勒菩薩像をこの窟
の本尊として自作ではなく、仏師に造らしめたということらしいです。それがこ
のお像です。金銅製のお像でふくよかなお顔、目は半眼気味ですが間もなく悟り
を開き仏陀に昇格するゆとりなのか非常に穏やかなお顔をしています。宝冠、胸
飾も豪華に演出、蓮華座に坐し、手には宝塔をお持ちです。この場所にあっても
安定感は抜群です。


よくよく考えてみたら雨ざらしですよ。心配性のボクは心配です。心肺停止が心
配です。弥勒菩薩の[ 気 ]が雨を寄せ付けないのでしょうか。吹き飛ばすんでし
ょうか。じゃ風は、雪は、……は。霧が、いや切りがないからもう止めときます。


やはり居ました、役行者。
前鬼、後鬼はどこかへお使いでしょうか、お一人で岩場に座っていました。


最後に獅子閣。
公開していませんでしたので近寄れません。このお寺はお金持ちのVIP信者が多
いのでその人達のための迎賓館。(ウソですヨ。)寺域内の建物としては全くの
ミスマッチ。コンセプトを是非知りたいですが誰も教えてくれません。
迎賓館はホントです。


何とも豪華なお寺、神仏習合の見本のようなお寺、寶山寺。江戸中期の開創とい
うことで江戸期から昭和期に渡って建てられた堂宇群は新しく、山岳寺院特有の
規則性はありませんが、この地形ですのでちょっとゴチャゴチャして建物が込み
合っていますが総じて豪華造り、相当数の信者がおられるとのこと。特にお金持
ちが。よくお寺や神社に普通、奉賛金や寄付金として石柱や木柱が建てられ金額
が表示されていますがこのお寺のは桁が違います。億単位、千万単位の石柱が数
多く建っていました。
大聖歓喜自在天、凄い御利益があるんでしょうね。
皆さ~ん現世利益は寄付金額の多い順ですよ~。

花街と歓喜天と不動明王。♪~生駒は悲しいおんなまち~♪

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