土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

[ 雑感 ] 明日香いちゃもん

2006年06月12日 | 花巡り
五月末、「日本の原風景明日香から」シンポを明日香村万葉文化館で参加後、若干早く退出し久しぶりの明日香を堪能しようと五月晴れとは言い難い今にも降りそな曇り空のなかブラブラ出かけた。明日香散策は何度かあるが檜隈界隈は高松塚周辺と大内陵近辺しか知らないので檜隈方面目指して歩いてみた。途中川原寺跡から南へ折れ細い村道を西に向かうとスグのところに亀石がある。例により散策者がいっぱい。亀石は何度か見ているので一周10秒で辞しさらに歩く。15分足らずで「鬼の雪隠」と「鬼の俎板」に初お目見え。この界隈は謎の石造物の宝庫といわれ早速俎板への石段を登ってみた。なんと俎板の周囲は鉄柵で囲われご丁寧に宮内庁の立入禁止サインがある。ガイドサインは立派なものが設置されているにもかかわらずあの無粋な鉄柵と赤字の立入禁止サインはどうだ、出入り自由で飾りみたいなもの、こんな飾りなど要らない、外国の人々が見たらどんな感じを受けるだろう。早い話が目を疑った。「鬼の雪隠」しかりで早々に辞し、猿石を目指す。さらに歩くこと15分、欽明天皇陵隣に細い道を少し登ると吉備姫王のお墓がある。お墓といわれても小高い小さな丘という感じで民家がスグ下にあるのでお墓の感じはしない。やはり鉄柵と宮内庁の立入禁止サインがあり猿石はその鉄柵の向こう側にこちらを向いて立っている。数体あるが樹木のせいか薄暗くよく見ることができない。何故か石像が泣いているように見え、まるで留置されている人の啜り泣きの声が聞こえてきそうな気がした。この石像群は別のところで発見されたらしいがなぜ此処にあるのだろう。そんなこんなでこれから南へと思っていたが行く気が失せ檜隈散策は中止した。天皇陵発掘しかりで歴史学会、考古学会そして地元明日香村の数々発掘調査や遺跡維持の努力が宮内庁のかたくなな方針のためになぜかチグハグな感じが否めない。国家事業として自国の成り立ちをより明確な形で次代へ引き継ぐ努力をするべきではないかと思いつつ飛鳥駅に着いた。