土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

松尾寺から金剛山寺(矢田寺)・東明寺へ

2010年01月27日 | 奈良の古寺巡り
金剛山寺
松尾寺から金剛山寺に向かいます。県道123号を東(直進)に、最初の交差点を北
(左折)に、10数分で県道189号と交差、そこを西(左折)へ189号の終点突き当
たりに金剛山寺は在ります。丁度コの字に走ります。
金剛山寺と云うよりは、紫陽花の「矢田寺」と云った方がとおりがいい花のお寺で、
と同時に地蔵信仰のお寺でもあります。二十数年ぶりに訪れた「矢田寺」は、当時
の記憶は朧ですが、花の時期の雑踏だけは記憶にあります。今日は一人の参詣者と
も会うことはありませんでした。紫陽花のシーズン到来を今は静かに待っている、
そんな感じの佇まいでした。

金剛山寺山門。


山門を入ると参道が一直線に金堂を目指し両サイドの白い築地塀が一瞬京都のお寺
を思わせ、先に見える金堂の背後は矢田丘陵の濃い緑がこのお寺を包み込むように
迫っています。


広い石段の上にある朱色と緑が鮮やかな立派な本堂です。
内陣のご本尊地蔵菩薩には拝することは出来ませんでした。




本堂と手水屋です。新旧の対比のつもりです。


本堂から参道越しに山門を望みます。


参道右側にお地蔵さんが。どなたが掛けたか、赤い布に般若心経が。
味噌なめ地蔵。矢田寺HPに面白い由来が語られています。


紫陽花園の今の姿。広い園すべて枯れ木で賑わっているようです。


本堂前の古木。かなりの時代を感じます。


塔頭大門坊


塔頭南僧坊


塔頭念仏院


塔頭北僧坊


東明寺
金剛山寺から東明寺に向かいます。県道189号線を戻り、先ほどの交差点を松尾寺
と反対側北西(左折)へ道なりに進むと次第に道幅が狭くなり、真直ぐな道は無く
なり急な上り坂で、道の枝分かれが多くあり、寺名の案内板はところどころありま
すが、見落とすととんでもないところに行ってしまいそう。一番の問題は車の対向
すれ違いが出来ないこと、軽自動車でも無理! 道に逃げ場がありません。ボクは
出たとこ勝負で上って行きました。幸い対向車もなく無事駐車場に。貸し切り状態
でボクの車だけ、境内でも人と会うことはありませんでした。よく分かりませんが
無人のようです。
山懐の僅かな台地に山門と本堂が建っています。自然の懐に在りながらお寺特有の
深閑とか森厳とか精神の迫りくる雰囲気は感じることは出来ません。時代に取り残
された山寺、そんな感じがしました。

山門を通して本堂を望みます。


本堂です。
屋根は銅葺きの立派な造りで前面に張り幕がされており、何か法要が有るのかも
知れません。寺歴は古く、舎人親王の由緒があるお寺と聞きます。


本堂長押に彩色豊かな龍の彫り物。


本堂からの山門。


周辺はこんな感じです。


道沿いに大きな柿の木。


冬枯れ自然の中での印象です。
これが絶好のシーズンともなれば、また感じが違うのかも知れませんね。

矢田三山、松尾寺・金剛山寺・東明寺へ

2010年01月26日 | 奈良の古寺巡り
冬晴れの1月23日に生駒山系東側矢田丘陵に散在する松尾寺、金剛山寺、東明寺を
訪ねました。金剛生駒山系は西山中と云われ、矢田丘陵はその大和側。丘陵の山懐
南北に、ほぼ等間隔の距離を置いて位置する三寺は、今の寺勢の違いをはっきり表
わしている典型かも知れません。いずれも大和郡山市街から西にいくらも離れてい
ないところにこの三寺は在り、生活圏のスグ近くに自然が迫り古刹古社が散在して
いると云ってもこの地は山の中、どうしても車で行くことになります。



松尾寺と松尾山神社
日本最古の厄除霊場・厄除祈祷の名刹松尾寺は、噂に違わずこの日も大勢の厄除祈
祷を願う人々で賑わっていました。「厄」への思いは年齢を問わずの感があり子供
連れ、若いカップル、シニアの方々が次々本堂へ。境内に立つと祈祷の声とリズミ
カルな太鼓の響きが聞こえます。ボクなど結局、本堂への入堂はかないませんでし
た。松尾寺は日本書紀編纂の舎人親王建立由緒で「千手千眼観世音菩薩」がご本尊
です。このお像は秘仏で、毎年11月3日特別開扉されるそうです。写真で見る限り
是非拝したいお顔です。

北惣門は本瓦葺き薬医門。皇室由緒があり、張り幕に菊の御紋がばっちり。


境内への石段


三重塔


本堂 この堂内で祈祷が行われています


行者堂 本尊役行者と前鬼、後鬼


七福神堂 七福神をお祀りしている


十三重石塔 舎人親王の毛骨を祀ったと云われています。高さ342cm


西国三十三観音霊場を表す数体の石仏


松尾寺鎮守として勧請された松尾大明神を祀る松尾山神社


松尾山神社本殿


松尾寺は日本最古の厄よけ霊場、神仏習合の象徴的祈祷寺院として日本人の心を捉
えて離さない何ものかを持つつ奈良時代から連綿と続く繁栄を謳歌している。大勢
の厄よけ参詣者を見るにつけ、そんな思いを改めてしました。

それでは、次の金剛山寺を目指します。





蝋梅の香りに魅せられました。

2010年01月20日 | 花巡り
大阪城梅林で蝋梅が観られるというので1月17日に行ってみました。
千二百数十本といわれる梅はまだまだ蕾み固し、健気に咲いている早咲き種もち
らほら数本……。
蝋梅はず~っと梅の1品種だと思っていましたが親切なおじさんがいて、話をし
てくれました。梅とは全く違う花でロウバイ科ロウバイ属の落葉低木ということ
です。千二百数十本中、蝋梅は数本にすぎませんがイイ香りがあたりに漂ってい
ます。「高貴な黄色」と「イイ香り?」をお楽しみ下さい。