土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

龍泉寺、その名の通り龍神が活躍した古刹です。

2017年07月10日 | 大阪の古寺巡り





(2017.07.08訪問)


我が大大阪にも聖徳太子や行基さん、空海さんの由緒伝承を伝える古寺古刹が各地に点在しています。最古の官道といわれた大和と
河内を結ぶ竹ノ内街道、この道の大阪側にも、時代を経た多くの寺々が点在、歴史の時々に名を留めた有名無名の人々が創建に関わ
り、歴史の翻弄を受けながらも以来連綿と時空を紡ぎ、法灯を今に伝える古寺の数々。大和の大寺には質量とも適わないにしても、
河内東側の山懐に抱かれ、幾多の物語に包まれた大大阪のそんなお寺の一つ、1400年の寺歴を誇る富田林の龍泉寺を今日は訪ねます。




▼もう一つの参道を行きます。







[ 龍泉寺 ]
●山号 牛頭山 (ごずさん)
●寺号 龍泉寺 (りゅうせんじ)
●宗派 高野山真言宗 (こうやさんしんごんしゅう)
●勅命 推古天皇 (すいこてんのう)
●開基 蘇我馬子 (そがのうまこ)
●開創 推古天皇二年 (595年)
●再興 弘法大師空海 (こうぼうだいしくうかい)
●本尊 薬師如来坐像
▲ 大阪府富田林市龍泉888 Tel. 072-134-3134
▲拝観料 300円 ご朱印300円
▲近鉄長野線「富田林駅」下車 金剛バスに乗り換え「龍泉」下車 西へ約800m
 南阪奈道路「羽曳野IC」から外環状線を南へ「廿山南」から府道202号線を東へ、中佐備を右折、府道201号線を南へ約2km




▼すぐに仁王門が見えてきます。







龍泉寺縁起 (龍泉寺パンフレットから抄出)
この地に住む悪龍が里人に害を与えていたため、蘇我馬子が仏修法を行なったところ、龍は仏法の力に伏して飛び去ってしまった。
馬子は聖徳太子と共にこの地に寺院を建立、大いに発展したと伝えます。その後、池の水が枯れ寺や里が衰退。弘仁十四年この地を
訪れた弘法大師が加持祈祷すると、七日目龍が再来して池には水満々、三つの島が出来大師はそれぞれの島に聖天、弁財天、叱天を
祀り牛頭天王を鎮守とされた。この池は現在も龍泉寺庭園として残されています。
その後南北朝や戦国争乱のドサクサでお寺は壊滅、やっと織豊期に灯明料を与えられ、江戸期に入り地元白木藩主の伽藍再建で今日
に至っております。




▼仁王門。







▼石積み基壇に堂々の仁王門 (重文)。三間一戸、切妻造、本瓦葺、八脚門、鎌倉中期建立。
 仁王部屋はガラス張りでネットガードですね、写真は無理かも。

      





▼仁王門扁額は山号です。







            ▼阿形仁王さん。奥の手もこれが精一杯。建治元年(1275年)造立。
             像高364cm、玉眼、檜寄木造。鎌倉期の特色がよく表現された力強い金剛力士で、
             特にお顔は運慶仁王像を彷彿とさせます。







            ▼吽形仁王さん。像高364cm、玉眼、檜寄木造。







▼仁王門を潜るとスグ右に鐘楼。







▼仁王門から緑溢れる一直線参道、その先は本堂です。







▼本堂です。桁裄三間、梁間四間、入母屋造、本瓦葺、一間向拝付。      













▼本堂前面。中央一間格子戸から堂内を覗くことが出来ます。







▼本堂扁額。







▼外陣から内陣を見ます。幢幡のみの荘厳はシンプルだけど力強い印象です。







▼須弥壇お厨子に本尊薬師如来坐像。







▼光背の輝きでお姿がハッキリ見えません。脇侍の二尊像も見えますが何方なのか不詳です。







▼本堂。







▼本堂脇の小道に行者堂。格子から覗くとがらんどう。







▼聖天堂。桁裄三間、梁間四間、宝形造、本瓦葺。完全〆切堂内覗けず、お堂の性格全く不明。







            ▼後醍醐天皇皇子の尊性法親王墓と伝わる宝篋印塔。







▼紫陽花の囲まれた閼伽井。







            ▼閼伽井の横に聖観音像がお立ちです。







名勝池泉回遊式浄土庭園、龍泉寺庭園をグルリ一周してみましょう。
弘法大師が水不足解消祈祷をすると、池には水が湧き三つの島が出現、大師はそれぞれの島に聖天、弁財天、叱天を祀り、以後浄土
庭園として名勝に指定、池を中心に周辺は手を加えず、自然をそのまま生かした庭園です。


▼池と石橋。             







▼僅かに睡蓮が浮かんでるようです。  







▼回遊路の北から。          







▼映り込みの美。           







▼左島草々に埋もれた叱天の祠。     







▼ポツリポツリと睡蓮が咲いてます。







▼本堂横の鳥居から見る中之島の弁財天の祠。







▼弁財天を祀る春日造の祠。この弁天さんの由緒に空海さんが出てくるそうで、祈祷と法力で清水満々と湧き出したといいます。







▼おわりに空海さん名残の雨井戸。
 空海さんが湧水祈願をした時、ここで雨乞いをし八大竜王勧請の井戸と伝承されている井戸がこれ。







▼お暇は元来た参道を戻ります。







▼ご朱印です。






人の営みに欠かすことの出来ない水にまつわる伝承を色濃く残し、超人空海さんの偉業を伝えつつ法灯を守ってきた龍泉寺。伝承に
相応しい景観と飾らない自然のままの姿が今に残る龍泉寺浄土庭園は、造られた美とは違い自然の美ままの奥深さが心を打つのでは
ないだろうか。久々に飾らない庭園を堪能した一刻でした。
富田林の龍泉寺 オ シ マ イ

ここから僅かの所に、大大阪を代表するお不動さんがいらっしゃるんです。





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