(2018.01.06訪問)
新春第一弾、ヤッパリ奈良!
柳生街道に面した圓成寺は奈良市内とはいえ街中を離れた山寺。例年にはなく今日は比較的和らいだ寒さ、にもかかわらず参拝の方
の少なさ、ボクにとってはこれ幸いの本年初のお寺巡り。新春早々縁起がいいワイとほとんど全山独り占め状態の快感!小砂利を踏
む足音の快い響きと共に、今年の「土曜日は古寺を歩こう」は圓成寺から。
▼R369に面して建つ圓成寺の石標。
[ 圓成寺 ]
●山号 忍辱山 (にんにくせん)
●寺号 圓成寺 (えんじょうじ)円成寺は通称
●宗派 真言宗御室派 (しんごんしゅうおむろは)
●勅願 伝 聖武天皇、孝謙天皇
●開山 伝 虚瀧和尚 (ころうおしょう)
●開基 命禅上人 (みょうぜんしょうにん)
●開創 万寿三年 (1026年)
●本尊 阿弥陀如来坐像 (重文)
▲拝観 500円 朱印 300円
▲ 奈良県奈良市忍辱山町1273 電話0742-93-0353
▲JR・近鉄「奈良駅」から柳生、邑地中村、石打行きバス「忍辱山(にんにくせん)」下車すぐ
JR・近鉄「奈良駅」からタクシー20分
▼いくらか石段を下ると浄土池、池の半分が凍っているようです。
圓成寺縁起 (圓成寺パンフレットから抄出)
圓成寺縁起によると天平勝宝八年聖武、孝謙両天皇勅願で、鑑真和上弟子虚瀧和尚開創と伝えるが、史実的には平安中期万寿三年、
命禅上人が十一面観音を祀ったのが始まりである。天永三年(1112年) 迎接(こうしょう)上人が阿弥陀堂を建て阿弥陀如来を安置。
仁平三年(1153年) 仁和寺の寛遍(かんぺん) 僧正が真言密教忍辱山流を創始。圓成寺の基礎が築かれた。江戸時代に寺領235石とな
り、塔頭寺院二十三寺を有したが明治廃仏毀釈後現状となり、本堂、仏像、庭園整備を整え多宝塔を再建し寺観を整えた。
▼対岸から楼門。
▼楼門 (重文)。三間一戸重層門、入母屋造、檜皮葺、八脚門。応仁二年 (1468年) 再建。
▼楼門へは周回路から石段を上ります。残念ながら楼門は潜れません。左側に入山受付があります。
▼忍辱山と書かれた楼門扁額。
▼多宝塔。平成二年 (1990年) に再建されたまだまだ若い塔です。
初層正面垂れ幕が……、中が拝観出来ないようです。
▼若さ溢れる腰のくびれ。朱色が剥げているのはご愛嬌。
▼多宝塔上層の組み物に妙なリズム感を感じませんか。
▼多宝塔相輪。TOP受け花から四方に張られた鎖に風鎮が吊られています。
今まで気がつきませんでした、新発見!
▼かって多宝塔の本尊だった大日如来坐像 (国宝)。
今は新しい収蔵庫が出来、そちらに安置されています。
写真が撮れないんですよ。ヘタなペン画でご辛抱を。
金剛界大日如来、木造漆箔、寄せ木造、像高 (坐高) 98.8cm。
運慶若干二十歳代の像立と云われ、現存する最も初期の造像作品と云われているそうですヨ。
▼本堂 (重文)。本尊阿弥陀如来坐像 (重文)。
桁行五間、梁行四間、入母屋造、銅平板葺、正面三間向拝付。文正元年(1466年) 再建。
▼本堂外縁と舞台。
▼本堂扁額。こちらは寺号が書かれています。
▼本堂内陣。中央四本柱の須弥壇に本尊が祀られています。
内陣四本柱に残る柱絵は、聖衆来迎の菩薩が紫雲に乗る来迎の姿が彩色見事に残り、長押にも飛天や鳳凰が描かれ堂内荘厳がまさ
に極楽浄土を演出しているようです。
▼本尊阿弥陀如来坐像 (重文)。像高145.4cm、木造、平安時代後期。
▼本尊右半身。
▼内陣四本柱の柱絵。観音勢至菩薩をはじめ、色々な楽器を演奏し舞う諸菩薩が極彩色で描かれ、
それがまたキレイに残っています。
▼内陣。
▼本堂。
▼本堂左に建つ護摩堂。
▼護摩堂須弥壇には中央本尊不動明王立像、左僧形文殊菩薩坐像、右宗祖弘法大師坐像を安置されています。
▼護摩堂本尊不動明王立像。
▼不動明王はこんなお顔をしています。怖いですネェ。
▼鎮守社の春日堂と白山堂 (国宝)。
春日大社の旧社殿を移築したもので、正面入母屋造、裏切妻造、檜皮葺。最古の春日造り社殿。
▼春日堂の千木と鰹木。
▼鎮守の拝殿。
▼もう一つの鎮守宇賀神本殿 (重文)。宇賀神は弁才天と習合し、書道の神として信仰されていると云います。
▼鐘楼堂。四方一間袴腰、入母屋造、桟瓦葺。寛文七年 (1667年) 再建。
▼十三重石塔。明和三年 (1766年) 建立。
十層から上は破損が多く、相輪もなく今にも崩れてきそう。
▼圓成寺オシマイ、東門からお暇です。
相変わらず圓成寺のスター大日さんは健在、いつの間にか入山受付の横に、新しい大日さん専用の収蔵庫が造られていました。
木の香かぐわしい部屋の中に、少壮の運慶さん渾身の作はキリッとした表情を正面に向け、ボクたちを迎えてくれています。
圓成寺 オ シ マ イ
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