(2018.01.14訪問)
金剛葛城山麓は裾野を含む一帯を古来から大和西山中と呼ばれ、南の吉野山地に続く山岳仏教の聖地として、そして大和朝廷と同様
古代史に花を添え、この一帯を支配していたと云われる葛城王朝夢の址と伝承されているようです。葛城山麓は古寺古刹や古社がそ
の由緒を今に伝えながら数多く残っている土地、戒那千坊と称される寺々が甍を並べていたと古書は伝えています。
今日の新大和路号は、その古代ロマン溢れる山裾の道を石仏の寺、九品寺に向っています。
▼今は県道30号の葛城古道、楢原バス停横の寺号石標。左の小径を山手に入ります。
[ 九品寺 ]
●山号 戒那山(かいなさん)
●寺号 九品寺(くほんじ)
●宗派 浄土宗(じょうどしゅう)
●開基 伝 聖武天皇(しょうむてんのう)
●開山 伝 行基(ぎょうき)
●開創 不祥
●本尊 阿弥陀如来坐像
▲拝観料 境内自由 朱印300円 無料駐車場あります。
▲拝観時間 自由
▲奈良県御所市楢原1188 電話0745-62-3001
▲ 近鉄御所線「御所駅」下車 奈良交通バス「くじら口」下車 徒歩約25分
御所コミュニティバス「楢原」下車 徒歩約5分
▼小さな石標なので見逃さないように。
九品寺縁起 (九品寺パンフから抄出)
金剛葛城山系に栄えた戒那千坊の一院で、奈良朝聖武天皇のとき、僧行基が開創されたと伝えられ、その後永禄年間(1558~70年)
弘誓大和尚が専修念仏の道場とされて以降、浄土宗に属している。
▼両サイドフリーの山門。
▼山門からの境内は古刹らしい雰囲気を醸しています。
▼参道石段、奥に見える大屋根は本堂です。
▼改めて寺号石標、こちらはドッシリと貫禄充分。
▼並々と清浄水、もちろん不浄のボクを清めさせて頂きました。
▼本堂です。本尊 阿弥陀如来坐像(重文)。
桁行五間、梁間四間、入母屋造、本瓦葺、一間向拝付。明和五年(1768年)再建。近年平成大修理が行われている。
寺務所で本堂拝観をお願いしたんですがやんわり断られました。
▼山号が書かれた扁額。
▼正面小窓から覗いた堂内内陣。須弥壇奥に本尊阿弥陀さんがお坐りですが、尊顔は拝せません。
像高123cm、木造、平安後期。
▼本堂左の丸く刈り込まれた植栽の中に……、
▼開山と伝わる行基さんがお立ちです。この姿とお顔、どこかでご覧になった方も居られるのでは。
▼鐘楼。切妻造、本瓦葺、石積基壇に木製袴腰の立派な鐘楼。吊られている梵鐘は慶長十五年(1610年)の鋳造銘が刻されているそ
うです。
▼地蔵堂。変形方四間、宝形造、本瓦葺。施錠されていて内部は窺えません。
▼地蔵堂扁額。
千体地蔵オンパレードの本堂裏山へ行ってみましょう。
200年程前、境内開墾の時に土中から堀だされたものを現在のように配置されたようで、南北朝の頃、この地の南朝方豪族楢原氏の
城兵士が身代わりに奉納したものらしくそのため「身代わり千体地蔵」と云われている。1600~1700体はあるそうです。
▼細い参道法面には石仏がズラリ。
▼千体地蔵オンパレード! まるで石仏ピラミッドのようです。
▼中央にはボスがお一人お坐りです。
▼壇に並ぶお地蔵さん、壮観です。
▼お顔や姿かたちは定かにあらず、時の流れの苦悩を一心にあびた末の姿なのか。
▼御所の町から明日香まで、大和三山のパノラマビュー!
千体地蔵に圧倒されたあとは、山門左右に広がる十徳園庭園へ行きましょう。
▼白壁が印象的なお寺です。
▼春を待つ大きな枝垂れ桜。
▼西国三十三カ所観音のミニ霊場を巡ることが出来ます。霊場各寺の観音石像が安置されています。
▼はじめて見る石室がありました。
▼こんな灯籠があります。踊ってるように感じませんか。
▼丸穴から覗いてみました。
▼刈り込みに残る雪。
▼池も半分以上凍っています。
▼池泉回遊式のお庭もオフシーズンは見る影もありませんネ。
▼氷の下、悠然と泳いでます。
▼御朱印を頂きに方丈へ。
▼ご朱印です。
千体地蔵の殆どは風化や摩耗などでお気の毒な状態ですが、壇に並び整理整頓され規則正しく安置されているのを見ると、お寺の千
体地蔵に懸ける並々ならない思いが伝わってきます。チョット異様な感じもしないでもありませんが、これだけのお地蔵さんの集合
は相当迫力があります。
九品寺 オ シ マ イ
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