(2018.01.14訪問)
新大和路号は九品寺から明日香の飛鳥寺を目指しています。
我が国黎明期の政の中心明日香の地。蘇我氏打倒に名を成した中大兄皇子や中臣鎌足が活躍した飛鳥時代。権力闘争が繰り返された
この地に我が国初の本格寺院として建立されたのがこの飛鳥寺なんです。創建時の一塔三金堂、取り巻く廻廊など壮大な寺形や伽藍
規模は偲ぶべくもありませんが、唯一飛鳥時代の香りを残し、悠久の歴史と時を刻みながら整然と坐す釈迦如来が健在です。当時の
エース仏師鞍作鳥が精魂一徹、我が国初の仏像として造像されたお釈迦さんに会いに行きましょう。
▼東門前に建つ飛鳥寺の代名詞。
[ 飛鳥寺 ]
●山号 鳥形山 (ちょうけいさん)
●寺号 飛鳥寺 (あすかでら) 創建時 法興寺 (ほうこうじ) 現在称 安居院 (あんごいん)
●開基 伝 蘇我馬子 (そがのうまこ)
●開創 伝 推古天皇四年 (596年)
●宗派 真言宗豊山派
●本尊 釈迦如来坐像
▲拝観料 300円 朱印300円 駐車場 無料
▲拝観時間 9:00~17:00
▲奈良県高市郡明日香村飛鳥682 Tel.0744-54-2126
▲近鉄橿原線「橿原神宮前」下車 東口から周遊バスにて「飛鳥大仏前」下車スグ
▼東門。手前が駐車場なので入山はこちらからになります。
飛鳥寺縁起 (飛鳥寺パンフより抄出)
第三十二代崇峻天皇元年 (588年) 蘇我馬子が発願し、第三十三代推古天皇四年 (596年) に創建された日本最初の寺であり、寺名を法
興寺、元興寺、飛鳥寺とも呼んだ。昭和三十一年の発掘調査により創建時の寺は塔を中心に東西と北に金堂を配する最初の本格寺院
で、外側に廻廊を巡らし、北に講堂を含む壮大な伽藍であった。本尊飛鳥大仏は推古天皇が詔して鞍作鳥 (止利仏師) に造らせた日本
最古の仏像。旧伽藍は平安、鎌倉期の火災により焼失、室町以降荒廃したが、江戸期に再建され今日に至っている。
▼境内南に鐘楼。
▼今はごく小さな境内、創建法興寺の面影を感じることは出来ません。
▼放生池も小さいですが、面白い形をしてます。真ん中の四角い石はなんでしょうネ。
▼本堂。桁裄3間、梁間3間、寄棟造、本瓦葺。
創建時の中金堂趾に建ってるそうです。祀られている本尊こそが我が国最古の仏像なんです。
▼本堂内陣。
▼本尊釈迦如来坐像(重文)。飛鳥大仏として親しまれている我が国最古のお釈迦さん。
銅像、像高275.2m、使用銅量15トン、仏師鞍作鳥(止利仏師)、飛鳥時代、推古天皇17年(609年)造像。
本尊は創建時に据えられた石造台座の上に安置されている。発掘調査の結果、この石造台座は創建時から動いていないことが明ら
かになったそうです。
▼苦労の跡が偲ばれるお顔。平安鎌倉期の落雷や大火災のため全身罹災、補修や後補の痕だらけ、相当酷いことになっていますが、
端正な姿勢はさすがお釈迦さん。
▼飛鳥彫刻の神髄、止利仏師渾身の作。
▼本堂右脇壇に阿弥陀さんが祀られています。
▼阿弥陀さんのお顔です。
▼左脇壇にはお厨子に入った聖徳太子孝養像。
▼太子16歳のお顔。凛々しく賢そう、父用明天皇病気回復祈願中だそうです。
▼堂内の緊張感に全く合っていない飛鳥大仏大提灯。これは要らんでしょう。
▼観音堂(思惟殿)。方3間、宝形造、桟瓦葺。
▼思惟殿と書かれた観音堂扁額。
▼堂内は少々雑然とした感じ。
▼本尊観音さん、表現のしようがないお顔、非常にユニークな本尊です。
▼飛鳥寺西門。こちらが本来の正門です。
▼甘樫丘側から飛鳥寺を見ると。
▼飛鳥寺の南、かって真神原と云われた地は、今もなおこんなところです。
▼西門から約100m西にある蘇我入鹿の首塚。
中大兄皇子、中臣鎌足によって決行された蘇我入鹿殺害クーデターで、
その時切られた首がこの地まで飛んで来たんです。
その祟りを祓うために首塚が建てられたと伝えます。
▼ご朱印です。
1400年の時間の流れは時として酷い仕打ちをするものです。最古の仏像釈迦如来坐像は満身創痍で傷だらけ。非常にお気の毒な状
態ですが、狭い本堂の中で時の流れをものともせずに整然と坐す姿には思わず手を合わせ、よくぞ今まで、とこれからも、とエール
を送りたくなるお釈迦さんでした。
飛鳥寺 オ シ マ イ
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