土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

圓成寺、運慶さん渾身の大日如来は新しい収蔵庫で健在!

2018年01月08日 | 奈良の古寺巡り




(2018.01.06訪問)  


新春第一弾、ヤッパリ奈良!
柳生街道に面した圓成寺は奈良市内とはいえ街中を離れた山寺。例年にはなく今日は比較的和らいだ寒さ、にもかかわらず参拝の方
の少なさ、ボクにとってはこれ幸いの本年初のお寺巡り。新春早々縁起がいいワイとほとんど全山独り占め状態の快感!小砂利を踏
む足音の快い響きと共に、今年の「土曜日は古寺を歩こう」は圓成寺から。





            ▼R369に面して建つ圓成寺の石標。







            [ 圓成寺 ]
            ●山号 忍辱山 (にんにくせん)
            ●寺号 圓成寺 (えんじょうじ)円成寺は通称
            ●宗派 真言宗御室派 (しんごんしゅうおむろは)
            ●勅願 伝 聖武天皇、孝謙天皇
            ●開山 伝 虚瀧和尚 (ころうおしょう)
            ●開基 命禅上人 (みょうぜんしょうにん)
            ●開創 万寿三年 (1026年)
            ●本尊 阿弥陀如来坐像 (重文)        
            ▲拝観 500円 朱印 300円  
            ▲ 奈良県奈良市忍辱山町1273 電話0742-93-0353  
            ▲JR・近鉄「奈良駅」から柳生、邑地中村、石打行きバス「忍辱山(にんにくせん)」下車すぐ
             JR・近鉄「奈良駅」からタクシー20分





▼いくらか石段を下ると浄土池、池の半分が凍っているようです。







圓成寺縁起 (圓成寺パンフレットから抄出)
圓成寺縁起によると天平勝宝八年聖武、孝謙両天皇勅願で、鑑真和上弟子虚瀧和尚開創と伝えるが、史実的には平安中期万寿三年、
命禅上人が十一面観音を祀ったのが始まりである。天永三年(1112年) 迎接(こうしょう)上人が阿弥陀堂を建て阿弥陀如来を安置。
仁平三年(1153年) 仁和寺の寛遍(かんぺん) 僧正が真言密教忍辱山流を創始。圓成寺の基礎が築かれた。江戸時代に寺領235石とな
り、塔頭寺院二十三寺を有したが明治廃仏毀釈後現状となり、本堂、仏像、庭園整備を整え多宝塔を再建し寺観を整えた。





▼対岸から楼門。







▼楼門 (重文)。三間一戸重層門、入母屋造、檜皮葺、八脚門。応仁二年 (1468年) 再建。







▼楼門へは周回路から石段を上ります。残念ながら楼門は潜れません。左側に入山受付があります。







▼忍辱山と書かれた楼門扁額。







            ▼多宝塔。平成二年 (1990年) に再建されたまだまだ若い塔です。
             初層正面垂れ幕が……、中が拝観出来ないようです。







▼若さ溢れる腰のくびれ。朱色が剥げているのはご愛嬌。







▼多宝塔上層の組み物に妙なリズム感を感じませんか。







            ▼多宝塔相輪。TOP受け花から四方に張られた鎖に風鎮が吊られています。
             今まで気がつきませんでした、新発見!







            ▼かって多宝塔の本尊だった大日如来坐像 (国宝)。
             今は新しい収蔵庫が出来、そちらに安置されています。
             写真が撮れないんですよ。ヘタなペン画でご辛抱を。
             金剛界大日如来、木造漆箔、寄せ木造、像高 (坐高) 98.8cm。
             運慶若干二十歳代の像立と云われ、現存する最も初期の造像作品と云われているそうですヨ。







▼本堂 (重文)。本尊阿弥陀如来坐像 (重文)。
 桁行五間、梁行四間、入母屋造、銅平板葺、正面三間向拝付。文正元年(1466年) 再建。







▼本堂外縁と舞台。







▼本堂扁額。こちらは寺号が書かれています。







▼本堂内陣。中央四本柱の須弥壇に本尊が祀られています。
 内陣四本柱に残る柱絵は、聖衆来迎の菩薩が紫雲に乗る来迎の姿が彩色見事に残り、長押にも飛天や鳳凰が描かれ堂内荘厳がまさ
 に極楽浄土を演出しているようです。







▼本尊阿弥陀如来坐像 (重文)。像高145.4cm、木造、平安時代後期。

 





            ▼本尊右半身。







            ▼内陣四本柱の柱絵。観音勢至菩薩をはじめ、色々な楽器を演奏し舞う諸菩薩が極彩色で描かれ、
             それがまたキレイに残っています。













▼内陣。







▼本堂。







▼本堂左に建つ護摩堂。







▼護摩堂須弥壇には中央本尊不動明王立像、左僧形文殊菩薩坐像、右宗祖弘法大師坐像を安置されています。







            ▼護摩堂本尊不動明王立像。







▼不動明王はこんなお顔をしています。怖いですネェ。







▼鎮守社の春日堂と白山堂 (国宝)。
 春日大社の旧社殿を移築したもので、正面入母屋造、裏切妻造、檜皮葺。最古の春日造り社殿。







▼春日堂の千木と鰹木。







▼鎮守の拝殿。







▼もう一つの鎮守宇賀神本殿 (重文)。宇賀神は弁才天と習合し、書道の神として信仰されていると云います。







▼鐘楼堂。四方一間袴腰、入母屋造、桟瓦葺。寛文七年 (1667年) 再建。













            ▼十三重石塔。明和三年 (1766年) 建立。
             十層から上は破損が多く、相輪もなく今にも崩れてきそう。







▼圓成寺オシマイ、東門からお暇です。







相変わらず圓成寺のスター大日さんは健在、いつの間にか入山受付の横に、新しい大日さん専用の収蔵庫が造られていました。
木の香かぐわしい部屋の中に、少壮の運慶さん渾身の作はキリッとした表情を正面に向け、ボクたちを迎えてくれています。

圓成寺 オ シ マ イ

本年も「土曜日は古寺を歩こう」どうぞよろしくお願いいたします。





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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
美しい柱絵 (越後美人)
2018-01-09 19:03:43
内陣の柱絵に描かれた観音様方のなんと美しいこと!
実物はもっときれいなのでしょうね。
これは是非見てみたいです(^_-)-☆
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極楽浄土 (hidepon)
2018-01-10 00:21:28
越後美人さん、こんばんは。

まさに極楽浄土とはここだ!と思いません?
写真ピンボケですが、実際はズ〜〜ッとキレイです。
衆生の心を掴む550年前の絵師の実力、大したもんです。
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Unknown (Unknown)
2018-05-11 13:24:02
本堂の中は撮影禁止ではなかったのですか?
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堂内撮影可? (Unknown)
2019-11-20 21:40:36
堂内の写真がありますが、撮影禁止ではなかったですか?
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恥ずかしくないの? (Unknown)
2019-11-20 21:43:37
以前にも指摘されてたんですね。都合の悪いコメントは黙殺?いまだそのまま掲載していて恥ずかしくないですか?あなたみたいな人がいるから写真親父は醜くみられるのがわかりませんか?
返信する
Unknown (ダム)
2020-10-01 01:40:51
hideponさん
こんな夜更けにお初です!
明日、奈良市内にて、どうしても大日如来と遭遇したく、ネット検索。ヒットしたのがこちらのブログでした。
幸い、gooブログにて、僕も同じ(^^)
フォローさせていただきました。
本当に助かりました!
これから、ちょくちょくお邪魔しますネ。
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