裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

ごえんがありまして

2014年03月05日 18時10分50秒 | Weblog
ものを飲み込むときにのどに詰まらせることを、ごえん(誤嚥=ただしくは、異物を誤って気管内に飲み込んでしまうこと)という。
よめはんはこれで死ぬにちがいない。
毎晩、飯どきに「げーほっ、げーほっ」とやっている。
あわてて食べなきゃいいのに。
その独り舞台は、突然にはじまる。
スープを飲んでは、ぶほーっ、と飛ばしてるし、煮え立った鍋からあっつあつの油揚げをお口いっぱいに頬張っては、ぐあっ、と叫んで吐き出してるし、ただ白飯を食べるだけでも、飯つぶを鼻の奥に詰まらせては、ブヒブヒと悶絶してる。
なんでだ?
こないだなどは、塩鮭の切り身を飲み下したかと思ったら、おごごっ、とうめいて、ハシを自分ののど深くに突っ込みはじめる。
なんだなんだ?と見てると、その奥から信じられないほど大きな骨を取り出してる(ツマヨウジほどもあった)。
奇術か。
んなわけで、「ああ、死ぬかと思った」が毎晩つづくので、さほどの出来事ではもうこっちもたいして驚かなくなってるんだった。
ごえんと言えば、結婚前によめはんを両親にはじめて突き合わせたときのこと。
すでに20代も後半だったよめはんだが、「小学校のピアノの発表会で着た」という一張羅でおめかしし、そのわりにはそば屋でカジュアルにお食事、となった。
そのときにおかん(オレの母親)が、そばを息道に詰まらせたんだった。
もう一度言うが、これからめとる将来の妻を両親に紹介しよう、というハレの席での出来事である。
おかんは「ブオーッホ、ブオーッホ」と苦しみだし、「えっくしっ」とくしゃみをした瞬間、その鼻から、長々としたそばを、ぴろろっ、と飛び出させたのだ。
赤塚不二夫のマンガみたいだった。
だけどなによりも、ああ、似てるなあ、と感慨を深くしたもんだった。

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園
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