「海運王の夢」との副題のある表題の美術展に行ってきました。産業革命期のスコットランドのグラスゴーで海運業に携わり、船舶の売買で巨額の富を得て「海運王」と称されたウィリアルム・バレル(1861-1958)が収集し、のちグラスゴー市に寄付された9000点を超える美術コレクションのうちから、選りすぐりの絵画80作品(グラスゴーのケルヴィングローヴ美術博物館所蔵の7作品を含む)が展示されていました。バルビゾン派や印象派などのフランス絵画とそららから影響を受けたスコットランドやオランダの画家たち作品を通して、写実主義から印象派へと至るヨーロッパ美術の流れを俯瞰できる展示であったと思います。〔12月8日(日)〕
↓ 「印象派への旅」展のポスターが掲示された広島県立美術館。同展は昨年10月以降、福岡、愛媛、東京、静岡と巡回展示され、来年1月26日(日)まで開催される広島がその最後の展示です。
↓ 広島市中区上幟町にある広島県立美術館
↓ 広島県立美術館に掲示されたもうひとつのポスター
↓ 今回の展示の目玉のひとつはこの作品。エドガー・ドガ《リハーサル》(Bunkamuraのホームページより)
↓ 今回の展示では一部の作品(14作品)の写真撮影がOKでした。これは、ポスターにも使われていたウジェーヌ・ブーダン《ドーヴィル、波止場》
↓ これもウジェーヌ・ブーダンの《トゥルーヴィルの海岸の皇后ウジェニー》。ブーダンの作品は全部で7点出展されていました。ブーダンはモネに屋外で絵を描くことを教えた先生でもあります。
↓ ギュスターヴ・クールベ《マドモワゼル・オーブ・ドゥ・ラ・オルド》、この他静物絵が2点展示されていましたが、写実主義の巨匠クールベはいつもちょっと気になる画家です。
↓ アンリ・ル・シダネル《月明りの入り江》 展示場の最後を飾る作品でした。ル:シダネルは「象徴主義」の画家、「最後の印象派」と言われているとのことですが、この安らぎに満ちた海辺の一幅はバレル好みと思われる至福のもの。