徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

運は見えるか/「10億分の1の男」

2012-11-21 13:47:22 | Movie/Theater
10億分の1の男
INTACTO
2001年/スペイン
監督・脚本:フアン・カルロス・フレスナディージョ
脚本:アンドレス・M・コッペル
出演:レオナルド・スバラグリア、ユウセビオ・ポンセラ、マックス・フォン・シドー、モニカ・ロペス、アントニオ・デチェント
<フェデリコは幼い頃、未曾有の大地震で生き埋め状態のところをサムに助けられた。その時サムから“運”を奪う能力を授けられ、以来彼の経営するカジノでお客の運を奪い取ってきた。だがある日、彼はサムのもとから去ろうとしたためその能力をサムに吸い取られてしまう。7年後、銀行強盗で逃走中のトマスは飛行機の墜落事故に見舞われたが、搭乗者237名の中で奇跡的にたった1人生き残った。彼は女刑事サラの監視下で入院していたが、そこへ強運な男を探していたフェデリコが現われる。彼はトマスを連れ出すと、あるゲームへの参加を強引に迫るのだった。>(Yahoo映画

運というのは目に見えず、理不尽なものである。
ただし運が向いてきたときよりも、運を逃してしまった(逃しつつある)ときの方が“目に見える”ことがある(まあ、これは逆にも言えることでもあるけれども)。自分のフォームを崩さない、ということである。「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という有名な言葉はまさにそういうことで、負けはたいてい自分のフォームを崩して勝ちに行ったり、取り戻しに行ったりするときに起こる。その意味で運は形のあるもので、運の動きは目に見えるものではある。
いやにクラシカルな“ゲーム”を採用した最終決戦の結末は容易に想像できた。

カジノを舞台にしたストーリーならともかく、人生丸ごと賭けた特殊設定のギャンブルとなると日本には福本伸行先生の「カイジ」シリーズという、その手の金字塔がある。人生と色恋と賭け事をこってり描いた作品ならば塩崎利雄さんの名作「極道記者」がある。ヴィジュアル的には悪くはないとはいえ構成や設定にはどうしたって物足りなさを感じてしまう。
運否天賦に、ここまで“楽天的”に命を賭けられるのは合理主義のファンタジーなのかもしれない。

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