徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

井戸も海も汚染が数百年続く(試算)/福島第一高濃度汚染水漏出地図

2013-04-26 23:09:45 | News Map

■地下貯水池の汚染水漏れ


■福島第一原発の地下貯水池
<東電の尾野昌之原子力・立地本部長代理は7日の会見で「改めて整理すると(水位の低下を)確認できるが、日々の作業で認識するのは難しい。危機意識が足りなかった」と述べた。>
(東京新聞2013年4月8日付 水位低下と放射性物質検出 東電予兆問題視せず/別貯水池も汚染水漏出)


■福島第一原発の地下貯水池
<8日に規制委を訪れた福島県の内堀雅雄副知事は1日当たり400㌧のペースで増える汚染水を心配し、「処理計画はベースの部分から崩れている。早急な見直しを指示してほしい」と訴えた。
(東京新聞2013年4月9日付 福島第一 水漏れ貯水池継続/規制委使用容認 代替策なし)


■すでに破綻している汚染水の貯蔵(福島第一原発)
<東電はこれまで、満水近くなった貯水池の上部から水漏れが起きたと推測。水位を8割ほどに抑えれば、貯水池は問題なく使用できると説明してきた。しかし、今回の水漏れは水位が半分ほどの場所で起きており、貯水池の水漏れは構造上の欠陥である可能性が高まった。(中略)東電の尾野昌之原子力・立地本部長代理は「貯水池の信頼性が損なわれていることにまったく反論はない」と認める一方、貯蔵先をほかに確保できないとして、まだ問題が見つかっていない貯水池は引き続き使う方針も示し、矛盾した説明に終始した。>
(東京新聞2013年4月10日付 汚染水計画破綻 貯水池構造上の欠陥/1日400㌧増量タンクも限界)


■構造的な欠陥が疑われる地下貯水池


■地下貯水池から漏れた汚染水の行方
<規制委よりも東電の方が貯水池の使用をためらい、空いている地上タンクをかき集め、何とか緊急事態をしのごうと動いた。東電の対応を聞いた、規制委職員は「真水を入れるタンクに汚染水を入れるのですか? 汚染が新たなタンクに広がりませんか」と、水漏れで放射能汚染が広がることより、設備の汚染を心配した。>
(東京新聞2013年4月10日付 破綻した汚染水処理/「移送先なし」「漏れ少ない」規制委危機感薄く/地下貯水池容認のまま/海に週出の恐れ)


■危うい地下貯水池から地上タンクへの移送計画
(東京新聞2013年4月11日付 福島第一 汚染水全てタンクへ/東京電力方針転換「完了は6月中」)


■3回ある汚染水タンクの危機


■汚染水を減らす対策3本柱
<東京電力福島第一原発の地下貯水池の水漏れ事故で、地下貯水池に入った2万数千㌧の汚染水を地上タンクに移すのに、今後2ヵ月間で3回のタンク不足の危機に見舞われることが確実となった。汚染水は1日約400㌧ずつ増加。タンクの増設だけでは危うく、東電は汚染水の増加を抑えるため、建屋地下に流れ込む地下水対策をも迫られる。>
(東京新聞2013年4月12日付 汚染水タンク綱渡り/2ヵ月で3回不足の恐れ)

<原子力規制委員会は12日、田中俊一委員長がトラブルが相次ぐ東京電力福島第一原発を委員長就任後、初めて13日に視察すると発表した。(中略)田中氏は「廃炉を進めるのは東電と経産省で、規制委はその過程をチェックする」と、チェック役に徹することを強調してきた。ただ、福島第一では先月、同時多発的な停電で使用済み核燃料プールの冷却が停止する事故が起き、今月には地下貯水池からの水漏れ事故で汚染水処理計画が破綻。規制委は原発を安全に保ち、事故が起きれば対応する当事者なのに、両事故への危機感は薄かった。>
(東京新聞2013年4月13日付 福島第一 委員長きょう視察/規制委やっと重い腰あげる/汚染水漏れ 東電原因推定外れる/池の上部 貫通部異常なし)


■不安な高濃度汚染水の行方
<当初の空き容量1万㌧があれば、万が一の場合でも1ヵ月近くは余裕がある。しかし、現在の容量は3割弱の2800㌧にまで減っている。これでは1週間分の除染停止しかカバーできない。>
(東京新聞2013年4月14日付 非常用タンク7割満水 高濃度汚染水1週間の容量/昨夏取材に東電「必ず空けておく」/タンク増設に追われる現場「休憩も惜しんで作業」「何かあったらどうする」)


■地上タンクへの移送イメージ
<東京電力は16日、溶けた核燃料の冷却に使って地下貯水池に保管されている汚染水のうち、大量の漏えいがあった2号貯水池から地上の既設タンクに水の移送を開始した。2号の汚染水は約900㌧で、移送に約1週間かかる見通し。(中略)水漏れが確認された1~3号のうち、漏えいが続いているとみられる1、2号からの移送を優先する。>
(東京新聞2013年4月17日付 福島第一原発/汚染水地上タンクへ 移送開始)


■地下貯水池からの水漏れ 予想される影響
<東電は敷地内に12本の井戸を掘り、建屋地下に流入する前に地下水をくみ上げて海に放出。地下の水位を下げ、高濃度汚染水の増加を抑制する方針。しかし、試算では地下水の動きが速く、土壌も放射性物質を吸着しにくければ、6年後、井戸の地下水は、海に放出できる放射性ストロンチウムの基準値を超えるところまで汚染される-との結果が出た。東電は重要な汚染水対策の一つを失う可能性もある。そればかりか、10年後には、原発前の海も井戸の水と同程度の汚染になる可能性もあるという。汚染状況は、前提条件によって大きく異なってくるが、汚染度はそれほど高くならなくても、井戸も海も汚染が数百年続く、との試算。検討会では、専門家が「地下水をくみ上げても汚染されているなら(海へは)流せない。土壌汚染が百年単位で続くなら、汚れた土壌を調べて取り除くべきだ」と指摘。>
(東京新聞2013年4月20日付 貯水池水漏れ 6年で井戸地下水汚染/福島第一試算 東電対策またピンチ)
※日本原子力研究開発機構が原子力規制委員会の検討会に提出した試算結果。


■福島第一原発 タンク容量と汚染水量の推移
(東京新聞2013年4月25日付 福島第一 汚染水破綻明かさず/東電、増設前「タンクに余裕」/貯水池投入量をすり替え)


■汚染水の貯蔵をめぐる東電の甘い対応
<「東電はタンクが必要になってからその分だけ造るという姿勢だった」(中略)その背景には、9月(昨年)になれば、従来の除去装置では除去できなかったストロンチウムなど約60種類の放射性物質を除去できる新しい除染装置が稼動する、との思い込みがあった。(中略)新装置さえ稼動すれば、わざわざタンクを造らなくても、計5万8000㌧の容量がある地下貯水池に入れれば済む-との楽観ムードもあった。>
(東京新聞2013年4月25日付 東電場当たり対応 回避できた汚染水漏れ/「新装置稼動」甘い見通し/「貯水池は大丈夫」規制委も疑わず)


■地下貯水池から漏れた汚染水の危険性
<だが、そんな期待は昨年9月、見事に打ち砕かれた。新装置は安全対策が不十分と判断され、保安院から運転開始に待ったがかかったからだ。東電の混乱ぶりは今後の汚染水処理の予測資料を見ても歴然としている。(中略)年明け、空きタンクがなくなり、汚染水の行き場がなくなることが確実となった。(中略)1月8日、東電本店の担当者が、東京・六本木の原子力規制委員会事務局を訪れ(中略)地下貯水池に汚染水を入れ始めたことを報告した。本来、池に入れる予定だった新装置で浄化した水に比べて、約600万倍も放射性物質に汚染された水だ。(中略)汚染水漏れが発覚して5日後の4月10日、東電は池の継続使用をやめ、新たに地上タンク約2万㌧分を6月までに造り、池の水を全てタンクに移送する決断をした。>(東京新聞2013年4月25日付 東電場当たり対応 回避できた汚染水漏れ/「新装置稼動」甘い見通し/「貯水池は大丈夫」規制委も疑わず)


■東電の地下水放射能測定ミス
<周辺環境の放射能の影響を過大に評価し、実際の水の放射能濃度より低い測定値を公表し、地元漁協などに説明していた。東電によると、ミスがあったのは、井戸でくみ上げた地下水を一時ためておくタンクの水を、福島第一内で測定した値。(中略)尾野昌之原子力・立地本部長代理は会見で「非常に低い値での違いだが、地元には丁寧に説明していきたい」と話した。>
(東京新聞2013年6月4日付 海洋放出検討の地下水 東電、放射能測定ミス 微量を検出)

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