徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

出航前日

2011-01-21 01:39:34 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14
2011年シーズンの新体制発表記者会見の前日、ついにタクの移籍が正式に発表された。
これでシュツットガルトへの移籍が報道されているオカを除いて、2011年シーズンの陣容が(ほぼ)固まった。憶測、邪推を呼び、これほどの騒動になりながら、これまでサポーター、ファンにはほとんどメッセージを発してこなかったフロントも、明日の新体制発表記者会見では公式に、この「体制」に至るまでの経緯について説明を求められる(だろう)。タクの発表もこのタイミングしかなかったのだろう。

このオフにクラブを離れる選手は14名、オカを含めれば15名という大改革になる(レンタル移籍等含む)。Sの極みのシモーネ氏によれば<その内10名はクラブの決断、2名は想定内>。11月初旬に名前が挙がった主力級の戦力外でも充分インパクトのあるものだった。想定内というのはおそらく藤本と岡崎だろう。しかし自他共に認めるテルの後継者であったはずのタク、キャプテンの兵働の離脱は、ちょっと、やはり信じられない。兵働については先日さんざん愚痴ったので繰り返さないが、タクについてはフロントがテルを戦力外にするという決断を下し、チームを託されたという状況を理解しているはずなのに、よりによって天皇杯決勝で敗れたばかりの鹿島に移籍するという性根がまったく理解できない(原はわからないでもないし…だが、それでいいのかという気持ちの方が強い)。
この状況で、彼ら二人が抜けるということはチームにどういう影響を及ぼし、サポーターに心理的なダメージを与え、イメージを壊すということを彼らは理解できているのだろうか。つまり、曰く「好きなチーム」を結局、徹底的に壊したのは兵働とタクである(そして、その代理人も)。
サポーター、ファンは傷ついている。

シモーネ氏は書く。
<実際に今回の契約非更新の本人やその他の選手にどのような説明をしているかは定かではありませんが、私の感じる限りでは(クラブの想いは)伝わっていなかったと思います。結果、選手達には「不信感」を抱かせてしまい、そんな時に他クラブからのオファーがあり「全く移籍は考えていなかった」選手も心が揺れてしまった。>(Sの極み 1月20日付)

当然シモーネ氏は<そればかりが移籍の理由ではないだろうが>とも書いている。ここまでの事態になってしまった以上、フロントの不手際や説明不足があったのは間違いないだろうが、翻って彼ら二人の行動は“新しい”チームを託されたプレーヤーの取るべき行動だろうか。もちろんサッカープレーヤーは選手寿命が短い。一方でPlayers Firstであるべきなのは理解できるが、どうしたって信頼性は地に落ちる。CL級の欧州クラブでもあるまいし、エンタテイメントとしては最悪だ。
移籍ルールのスタンダード化は当然こういう事態を招くわけだが、こうなったら藤田俊哉会長率いる選手会は秋春制移行も当然視野に入れていることだろう。

サポーターは傷ついている。
以前、浦和の大将に「清水も一度J2に落ちてみればいいんスよ」と言われたことがある。おそらくそれはフロントやサポの意識を強烈に変えることになると言いたかったのだろうと思う。
確かに、ちょっと、感情的には「一度落ちた」ような気分にはなっている。実際に落ちた瓦斯は万全…どころか溢れるほど補強を進めているのに対して、上位に安定しつつも、ひとつのサイクルが終わっただけの清水は大改革をしてしまった。戦力外、レンタル、<想定内>の12名の離脱に関してはフロントの意図も理解できないこともないが、兵働とタクの離脱だけには途轍もない敗北感を覚える。清水のサポーターの意識は変わるのだろうか。それでも彼らはアウスタのスタンドに立つだろうか。

新規加入のプレーヤーには可哀想だけれども、明日(今日)の新体制発表記者会見、大荒れになることを期待している。
それぐらい記者の皆さんは突っ込んだ質問しろよってことです。
フロントもサポも覚悟を決めて、荒波に向かっていくぐらいの方が、新しい航海の始まりには相応しい。
2011年シーズンはまったく楽しみだ。今年ぐらいタイトルを獲るのに相応しい年はないのだから。
むしろ新しくチームに加わるプレーヤーと共に、これまでの選手層の厚さを逆に証明する絶好の機会ではある。オレは新しいチームに希望を持っている。ここからまた始まるんだよ。

(1月22日 修正)

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