マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
すべての写真、文は著作権がありますので無断転載はお断りします。

三谷の春彼岸の大師講

2014年09月27日 07時23分30秒 | 桜井市へ
カンジョウカケ・オンダ・ケイチン取材のおりに聞いていた桜井市三谷の地蔵院の行事は年3回だ。

普段は無住寺の地蔵院に、かつて同寺で住んでいた僧侶がやってくる。

橿原市東池尻町の御厨子観音さんこと妙法寺の高野山真言宗の若ぼんさんである。

元々は僧侶のお爺さんが三谷の出だと云う。

村の大師講は12軒であるが、この日集まったのは7人。

神社行事に参列していた人たちとは何度か顔を合わすようになって馴染みがある顔ぶれに案内されて本堂に上がらせてもらった。

本尊にお花や御供を供えるのは僧侶である。

支度が整えば法要を始められる。

「寺は無住寺やし、ご本尊さんが盗まれてはあかんから写す・公開するは厳禁」と伝えられて取材する。

寺の存在も明かすのも・・・と云われたが、桜井市史・町史に載っている地蔵院。

唱える念仏は理趣経である。

焼香をあげる講中。

およそ25分間の法要であった。



それを終えれば当番の二人が炊飯器で炊いていた一升のアゲゴハンをいただく場になる。

アゲゴハンの具材は厚アゲと細かく刻んだネギだけだと云う。

かつては大きな鉄釜をマキで炊いていた。

火の加減が難しかったと話す。

出汁の素も入れているからであろう、とても美味しいアゲゴハンはアゲメシ若しくはアジゴハンとも呼んでいた。

県内で拝見し、味も知っているイロゴハンは数多くあるが、アゲゴハンの呼び名は初めてだ。

イロゴハンのメシ炊きをしていたのは婦人たちであるが、三谷では男性の講中だった。

男の料理は大胆に味付けされており、これがなんとも美味いのである。



この日の参加者は少ないから、「残っては申しわけない、あんたも食べてや」と伝えられて3杯もいただいてしまった。

彼岸の大師講は秋にも地蔵院で行っていたが、今では春だけだ。

秋のときには宮さんでアゲゴハンを炊いて集まった村人がよばれていると云う。

地蔵院の行事は、この日以外に8月の施餓鬼、正月初めの「年始」があり、いずれも村行事である。

取材を終えて温かい本堂の扉を開けたとたんに降りだした雪は吹雪の状態。

この日は一日中が寒い日であった。

(H26. 3.21 EOS40D撮影)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。