マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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豊浦町のとんど

2013年05月14日 07時37分29秒 | 大和郡山市へ
大和郡山市豊浦町のとんどはかつて2月1日であったが今は第一日曜日に移った。

村の人たちが集まりやすい日に替えたとんどの日。

市内では二ノ正月にとんどをしている地域が多い。

1月31日夕刻から2月1日の朝にかけて行われるとんどの日である。

2月2日に行われる番条町井戸野町、美濃庄町や4日の白土町の事例もあるが、柏木町筒井町は1日だ。

豊浦町もかつてはそうであったのだ。

西、東地区の本当家と相当家が前週の日曜に組み立てたとんどを燃やす豊浦町のとんど。

陽が昇る直前の朝7時に村の人らが注連飾りを持ってきたとんどの場は畑道。

村人総出のような感がある豊浦町のとんどは子供も大勢やってくる。



とんどに火を点ける方角は恵方(今年は南南東)である。

藁に火を点けてとんど周りに点け回る。

その頃丁度、東に連なる山々から昇りだしたお日さん。

朝焼けが美しく田んぼを染める。

大とんどの傍らでは藁を燃やしている。



服忌の小とんどと思って、最後のマツリ当家を勤めたⅠさんに尋ねた結果はそうではなかった。

正月を飾る注連飾りは玄関、門屋、裏戸、蔵、耕運機など20カ所。

そのなかにはトイレもあると云う。

トイレに掛けた注連飾りは不浄のもの。

そういう意味がある不浄の注連縄はこうして大とんどで燃やすことなく脇の小とんどで燃やすのである。

地域によっては意味合いや考え方が異なることをしった豊浦町の小とんどであった。

とんどの火が衰えない最中に動き出した子供たち。

持ってきた書き初めの習字を笹竹の先に付けてとんどの上に翳す。



熱いから翳すのは大人だ。

火に煽られて直ちに上空へ飛んでいく書。



以前に拝見した矢田町や山添村では翳したとたんに書が燃えていったが豊浦町では焼けずに飛んでいく。

何枚も何枚も飛んでいくのはどうしてだろうか。

とんどの焼ける温度が違うのであろう。

それとも翳す位置が違うのであろうか。



大人から子供に移った書のとんど焼き。

いずれも焼けずに空中を飛んでいく書を求めて追いかけまわる子供たち。



実に楽しそうに行われた豊浦町のとんどであった。

豊浦町八幡神社の行事は正月の注連縄掛けになった。

市内では珍しい建物家型のお仮屋を造って分霊を遷しましをしていたが平成17年を最後にすべての行事を止められた。

「あのときの行事写真を見ていたら涙がでてくる」と当時の当家を勤めたYさんが話す。

その様相は平成23年に県立民俗博物館で催された「私がとらえた大和の民俗」で紹介させていただいたのである。

かつては氏神さんから砂の道を敷いていた。

神さんが通る道だと云う砂の道は家の玄関まで伸ばしていたと云う。

そんな話をしたYさんは下市の広橋では山の神があると云う。

(H25. 2. 3 EOS40D撮影)


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