マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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東阿田八幡神社神遷し

2006年10月15日 07時44分22秒 | 五條市へ
「阿田の祭りは二十日でござる。ときびに味噌つけて甘いか辛いかしょっぱいか」と囃子唄を歌い継がれている五條市東阿田の八幡神社秋祭り。

サラリーマンが多くなった今は10月第三日曜に行われています。

秋祭りはその三週間前、当屋宅の庭で行われるお仮屋建てから始まります。

この阿田地区のお仮屋はたいへん大きなもので独特の形をしています。

竹と檜の枝で玉垣を囲い、四隅に竹を立てて注連縄を張ります。

中央には太い青竹で組んだ屋形を作り、屋根は大きな編み笠のような形に檜葉で葺きます。

屋形の正面に御簾(みす)を飾り、小石を敷き詰めた神道の前には鳥居を供え、その前に一対のケイトウの花を立てます。

右に赤ケイトウ、左に白ケイトウ。トサカの形をしたケイトウがなくてとこぼされる。

お話しによると鳥居以前の形態を示すそうです。

神籬(ひもろぎ)となったお仮屋ができあがった夕刻、神官と当屋ら一行は八幡神社へ出向き、神殿を前にして厳粛に神遷し神事が執り行われます。

氏神の御霊をサカキの枝に宿すると、一行は本道を通って当屋宅まで静かにお渡り。

到着すると当屋はこんもりしたお仮屋の天頂にサカキを供え、当屋神遷し神事が行われます。

お仮屋の形式・形態は今でも近隣の佐名伝大字、西阿田大字、原大字で伝統が続けられているというが、山田大字では廃れ簡略化されているそうです。

また、阿田旧村だった大淀町新住でも同じように行われているという。

なお、北宇智久留野大字ではこのお仮屋の原型があるそうです。

(H18.9.24 Kiss Digtal N撮影)


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