マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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西佐味水野亥の日の弁天さん

2014年03月30日 07時55分16秒 | 御所市へ
平成18年に赤い鳥居を寄進された御所市西佐味水野の弁天さん。

水野の集落は8戸であるが、講中は5戸。

講中の年中行事はシンギョ、とんど、弁天さん、観音さん、亥の日、山の神。他にも大師講、伊勢講もあるそうだ。

赤い鳥居を寄進された講中は施設に入所されて欠席され、なにかと忙しい講中のお勤めはいつも同じ顔ぶれ。

山の神もそうであったがが、「いつまで続けられるかどころか、数年後には止めてしまうかも」、と話す。

シンボルタワーのようにそそり立つ樹齢数百年の大川杉の下に市杵島姫の神を祀る弁天さんが鎮座する水野の地である。

水野在住の高鴨神社の宮司さんが今回の当番にあたった。

ゴザであったら貧しかろうと赤いカーペットを敷かれる。

弁天さんは年に一度の開扉。

御簾もきちんと垂らしている。

山の神の当番だった男性の奥さんや宮司の奥さんも参列されて神饌を供える。



講中揃って身潔祓詞を三巻唱える。

開扉している弁天さんが見ておられる、お姿が写り込んではならないと伝えられて祝詞奏上はシャッターオフのお断り。

手を合わせて静かに見守る。

「旧暦、夜十時ぐらいから行われていた宮中行事に食べる習慣があった。

その日は亥の日。イノコのモチを食べる。

小学校の頃はゴクマキもしていた」と話す宮司。

2番目の亥の日にされる地域もあるが、水野の弁天さんは月始めの亥の日。

弁天さんにモチを供えられた。

空は晴れ晴れ、穏やかな風が流れるこの日は温かい。

「いつもならもっと寒いんやけどなぁ」と口々に云う講中。

しばらくはこの弁天さんの前で直会をされ、気持ちの良い時間を過ごす。



天狗が住んでいるのかと思えた西佐味水野の一本杉の樹高は約28m、幹周りは6mにもおよぶ。

「下界のおまえたちよ、騙しも嘘もしてはならん、正直で暮らせよ」なんて声が聞こえてくるようだ。

水野には「ジンジョウ、五ツ、四ツ、九ツ、八ツ、七ツ、暮六ツ、初夜」の時間割を書いた「番水」板書がある。



ここら辺りは数多くのため池がある。

子供の頃は釣り糸を垂らして大きな鯉を釣ったと云う池は、今でも魚影が濃く、水底も見えるほどに美しい池の佇まいに時間を忘れる。

(H25.11.17 EOS40D撮影)


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