マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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柴屋町八坂神社引目祭

2010年02月17日 07時22分14秒 | 奈良市へ
正月始めに行われている鬼打ち行事。

その多くは紙面に「鬼」の文字を書かれるのだが、奈良市柴屋町の八坂神社では板に書かれる。

しかも、注連縄を燃やした灰を墨汁として使うたいへん珍しい行事である。

まずは宮司が鬼を書く。

とんどで燃やした注連縄は昨年に掛けたもの。

灰を拾って椀に入れ水溶きしてスリコギで摺る。

墨汁に浸して新米の稲穂を束ねた筆で書く。

板は昔から使っているのでうっすらと鬼文字が残っている。

それを準えるかのように墨書する。

毛管現象にならないから墨汁はあがってこない稲穂の筆。

書くのはとても難しいという。

達筆な文字で書かれた鬼の板。

天頂に小さな御幣を三本挿して拝殿横に掛けられる。

鬼的のお供えも奇妙だ。

必ず足のような格好の二股ダイコンを供えるという。

これは鬼の足を具象しているのだろうか。

そこには麻苧、串柿、五個のモチ、ヒジキも奉られた。

支度が調えば、引蟇(ひきめ)祭と書かれたこともあった引目(ひきめ)祭が始まる。

拝殿にススンボ竹で作られた矢は10本、古くから使われている弓を立て奉る。

六人衆と自治会役員が並んで、祓えの儀、祝詞奏上など神事が賑々しく行われる。

そのあとが弓打ちの行事。



東西南北、天、地、鬼の順で矢を射るのが一般的だが柴屋は違った。

天、北、東、南、西、艮(うしとら)、坤(ひつじさる)、地、鬼の順だ。

艮は表鬼門、坤が裏鬼門にあたる。



破魔矢を立てるとき、上向きなら表鬼門、下向きなら裏鬼門という関係なのかどうかは判らないが、鬼門に向けて打つのも珍しい。



打った矢、かっては参拝者が競って拾って持ち帰ったそうだが、現在は直会で配られる。

神棚などに供えて家の守り神にしている。

(H22. 1.17 Kiss Digtal N撮影)


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