マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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荒蒔十二月十二日の護符

2015年09月04日 09時04分52秒 | 民俗あれこれ(護符編)
所用で立ち寄った天理市荒蒔町。

前當家の作業場に逆さのお札が貼ってあった。

お札の文字は「十二月十二日」。

12月12日の朝、こうして息子が貼っていたと再現してくれた。



建て替える前の母家には扉、窓などあらゆるところに貼っていたそうだ。

夫妻の話しによれば、毎日放送ラジオの「ありがとう浜村淳」で浜村さんが話しをしていたのを聞いて、「これはえーで、泥棒除けになるんや」と云って10年前から始めたと云う。

釜ゆでの刑に屈した盗賊頭の石川五右衛門が屋根から泥棒に入ろうとするのを阻害すると信じられた護符。

屋根から覗いたときに判るように逆さにして貼るという・・・伝えである。

何故に「十二月十二日」であるのか。

京都通百科事典によれば、五右衛門が釜ゆで処刑された日だとある。

まことしやかに流布している説だが、五右衛門が誕生した日という説もあるようだ。

「十二月十二日」の護符は家内の実家もしていたし、大阪生まれの我が実家でも。

明治39年生まれのばあさんがしていた。

これまで調査した地域は葛城市や御所市にもあったと聞いている。

大和郡山市内でも数軒の事例を聞いたことがある。

桜井市の脇本では知人から泥棒除けの話しを聞いてしているという民家もある。

流布は広範囲であるが、荒蒔の事例は公共電波が伝播させた事例であった。

「十二月十二日」の護符の話題を提供してくれた荒蒔の前當家。

荒蒔にケイチンの鬼打ち行事がある。

平成17年1月12日に拝見したことがある。

鬼を射止める弓はカワヤナギの木。

矢はススンボの竹。

前日に神社五人衆が作るらしい。

例年は12本の矢にするが、新暦の閏年では13本になるという。

射止めた矢を貰って帰ったその年に男の子が生まれるというのだ。

ちなみに前當家は平成28年のケイチン當家を務めるそうだ。

(H26.12.14 EOS40D撮影)


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