マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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兵庫の門神さん飾り

2013年07月04日 06時49分11秒 | 天理市へ
宮入りから還った兵庫の兄、弟頭屋は直ちにそれぞれの家の玄関口に門神さんを飾る作業を始める。

ヤカタ、芝の台、束ねたクヌギの割木に支柱を設けた台などは前頭屋から受け取った祭具だ。

予めに奉っておいたサカキは両側に立てる。

X字に組んだ自在の竹垣はヤカタ回り一組みずつを芝に挿し込んでいく。

お神酒、米、塩、御神水を入れる器を並べる。

玄関前には葉付きの笹竹を立てておいた。

そこに張る注連縄も前頭屋から引き継いだ祭具である。

宮入りで受け取った紙垂は4枚。

注連縄の撚りを戻して挿し込む。



弟頭屋の方も同じように設えた門神さん飾りを兵庫では「小社」と呼んでいた。

一連の飾りつけを拝見した両頭屋の門神さん。

ヤカタは扉も開けずにそのままである。

大和神社の分霊を遷したわけでもないのだ。

県内各地で見られる同様の形態はオカリヤ(お仮屋)、或いはオハケ(オハキとも)と呼ばれる場合が多い。

オカリヤには本社分霊を遷しましされてヤカタ納められる。

ところが兵庫ではその在り方が見られなかった。



4月1日のちゃんちゃん祭まで奉られる門神さんは朝にお神酒、洗い米、塩、御神水を入れ替える。

頭屋に祀られた神さんへのお供えである。

翌日からの毎日。

31日の宵宮参りまでの期間の毎日はお供えをして大和神社へ参る。

この参拝する時間は特に決まっていない。

祝詞奏上などの祭典もなく頭屋だけが参って記帳するのである。

設えた支柱台も気になった。

それと云うのも平成17年に拝見した両頭屋家では支柱がなかったのである。

その後において台が加えられたのであろうか。

(H25. 3.23 EOS40D撮影)