マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
すべての写真、文は著作権がありますので無断転載はお断りします。

藤井町の旧暦閏年の庚申トアゲ

2012年05月07日 07時30分43秒 | 天理市へ
旧暦閏年の庚申参りは東山間部の各地で見られる。

とはいっても全ての村々ではなく庚申講が行われている地域だけだ。

北・上・南の垣内に庚申講があると聞いている天理市の藤井町。

2年前に北垣内のヤドで行われていた庚申講の様子を伺ったことがある。

60日サイクルでやってくる庚申さんの日に寄りあう講の行事である。

昨年は上の垣内で行われた「フクマル」を取材させていただいた。

山のほうから「フクマル」がポン、ポンと音が鳴れば箒で玄関口から「福」を呼び込んだと云うN家のご婦人。

平成10年に行われた旧暦閏年の庚申トアゲのときに立てた葉付きのカシの木を拝見した。

蔵に入れておいたので奇麗な文字が残っている。

上のほうにある梵字の五文字は判読できないが、「国家安全五穀豊穣村中安康如意満足 平成十年三月二十九日 閏庚神 営ム」とあった。

「神」とあるのは「申」を書き間違ったのではと婦人はいう。

今年は3月25日に行われるというが『矢田歴史民俗研究会』の会合と重なっている。

次(平成26年であろう)の庚申トアゲのときはN家がヤドになるというから次回に期待する。

昼はヤドで講中のよばれ。

それを終えたあとに竹で作ったゴクダイ、シキミを添えた花立てとともに塔婆を持参して庚申塚に参る。

その日は上、北、南垣内の合同行事

講中が集り、オモチ、ジャコ、お神酒を供えて般若心経を唱えるという。

ご婦人の話では桜井市の太田町でも庚申講があり、4月ころにされるのではと話された。

県内各地で行われている閏年の庚申さんの情報が一つ増えた。

(H24. 3.17 EOS40D撮影)