一つのベクトルが、
地下鉄の工事現場から大学の構内を抜け、
この惑星の心臓深く持続している。
白昼といわず、深夜といわず、
かすめとられたイノチが歩かされている道があり、
紅に輝く空のむこうには、
哄笑に腹をかかえた不明の中心が
今日も暴利を貪りつづけている。
小さな紛争は、小学校の校庭で、
オフィスの片隅で、家庭の台所で、
あるいはノスタルジーに締めつけられた
難民のキャンプ地で持続の状態にあって、
そこにはいつも、
不明の中心から派遣された私生児として、
正義と倫理と戒律が雨後のタケノコのように林立している。
その貢献は本人の思惑の外にあり
あらゆるコミットメントを、
すべからく一つの全体へと整序していく。
俺たちはベクトルを解除する方法を知らないが、
それでもできることはあるだろう。
〈偶然とは街〉。
子どもたち、大人たちの夜。
同じ空の下で、俺とおまえが一つ一つ、
すくい上げなくてはならないのは、
かなしい夜。
枕元に靴下をおいた、
孤児たちの夢。
地下鉄の工事現場から大学の構内を抜け、
この惑星の心臓深く持続している。
白昼といわず、深夜といわず、
かすめとられたイノチが歩かされている道があり、
紅に輝く空のむこうには、
哄笑に腹をかかえた不明の中心が
今日も暴利を貪りつづけている。
小さな紛争は、小学校の校庭で、
オフィスの片隅で、家庭の台所で、
あるいはノスタルジーに締めつけられた
難民のキャンプ地で持続の状態にあって、
そこにはいつも、
不明の中心から派遣された私生児として、
正義と倫理と戒律が雨後のタケノコのように林立している。
その貢献は本人の思惑の外にあり
あらゆるコミットメントを、
すべからく一つの全体へと整序していく。
俺たちはベクトルを解除する方法を知らないが、
それでもできることはあるだろう。
〈偶然とは街〉。
子どもたち、大人たちの夜。
同じ空の下で、俺とおまえが一つ一つ、
すくい上げなくてはならないのは、
かなしい夜。
枕元に靴下をおいた、
孤児たちの夢。