イワン・アサノヴィッチの一日  畑と映画の好きな卒サラ男。

政官業癒着体質の某公共事業職場を定年退職。鞍馬天狗・鉄腕アトムの人類愛に未だに影響を受けっ放し。孫には目がない。(笑い)

霜枯れと農民の祭りごころ

2013-04-22 13:46:31 | 農業
  

今年は万全の態勢で挑んだジャガイモづくり。

元肥を鋤込み畝を準備し、時期に遅れることなく播種(種いも)したジャガイモ。
順調に芽も顔を揃えて生え、ほくそ笑んでいたイワン・アサノヴィッチ。しかし、不幸は前触れも無く幸せな農夫に襲いかかって来た。

時期遅れの霜、いわゆる遅霜である。幼苗の葉の先端部分が枯れてしまった。今年の春の特徴は、ほぼ3月いっぱい冬並みの気温が続いたこと。ところが4月に入ってからは極端な気温の乱高下が始まった。

ジャガイモの芽も出そろい、幼ない葉が暖かい春の陽に心地よさそうに揺れていたのも束の間、4月も中旬に入ろうかと言うある日の晩、文字通りの超遅霜が順調で幸せいっぱいの我がフアームを襲った。

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ジャガイモの葉の先端が茶色く枯れ始めたのである。
我がフアームと家との距離は車で5分。距離にして3km程度であるが、気温に関しては実に2~3度違う。

即ち周囲が市街化調整区域の土だらけの畑の方が暑くもあり寒くもあるのである。こんな小さな街でもヒートアイランド現象が存在するのである。

イワン・アサノヴィッチの20年余の畑作経験でジャガイモが遅霜にやられたのは実は初めてのことである。今さらながらのことであるが自然とは厳しいものだと痛感させられる。

農業は自分の切磋琢磨の努力が必ずしも豊作という結果で報われる訳ではない。天変地異の災害もあり、平穏無事という終点に到着することがなかなか困難である。

古来より農民は稲の無事な収穫が見込まれた初秋に祭りを催す。大概が森の鎮守様で開かれる。自分たちの汗水垂らした努力もさることながら、人智の及ばぬお日様の偉大なる営みに謙虚に感謝するのである。

サラリーマン出身のイワン・アサノヴィッチには、遅霜で業務が滞ったり旱天で仕事に支障が出たという経験は勿論のことなかった。

だからという訳でも無いが、農民が秋になると日焼けした顔をほころばせながら、節太い指で質素な料理を摘み、酒を酌み交わす“秋祭り”の意味合いが今一歩分かりかねていた。

過酷な遅霜はあの日の一回で済んだようだ。たぶん葉の先端の枯れも、その後の気温の上昇で持ち直し何とか成長に向かってくれそうだ。

収穫は6月下旬の予定だ。

無事に収穫ができたその時は、お日様のお陰に感謝して、指は節くれだっていないけれど、きゃしゃな指つきで煮っ転がしでも摘みながら缶ビールを飲もうと思う。

さしづめ秋祭りならぬ“夏祭り”を祝おう。


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