イワン・アサノヴィッチの一日  畑と映画の好きな卒サラ男。

政官業癒着体質の某公共事業職場を定年退職。鞍馬天狗・鉄腕アトムの人類愛に未だに影響を受けっ放し。孫には目がない。(笑い)

進まぬ幼保一元化 70年前、すでに国会で論議

2017-12-18 21:12:01 | 社会・経済
  安倍政権は唐突に、三~五歳の保育・幼児教育無償化を打ち出した。しかし一方では子育て政策に焦点が当たる中、幼稚園と保育所の垣根をなくす「幼保一元化」の取り組みは停滞が続き進んではいない。十年前に双方の機能を併せ持つ「認定こども園」の制度ができたが、幼稚園からの移行は進んでいないのである。

 東京新聞(2017年12月17日)は、保育・幼児教育問題に詳しい日本総研の池本美香主任研究員に、無償化や一本化のあるべき姿を聞いている。
池本美香氏はズバリと無償化より「待機児童」の解消を訴えている。
 即ち、「待機児童問題や保育の質の低下に対して十分な対策がないまま、突然、無償化の話が出てきた。無償化されても待機児童になったら何も得られない。深い議論をせずに、お金だけつけたところで、根本的な解決にならない。と強烈である。
続けて池本氏は、『無償化は本来、制度を納得感のあるものにしてから最後にすべきことだ』と指摘する。
数年前に『保育所おちた、日本死ね。』とコメントを発した若き市井のママと思しき方のやるせない気持ちが日本中で話題になった。
無償化は待機児童が無くなってから、最後にすべき事とする池本美香氏の言葉は国民感情からすれば的を射たものである。

余談になるが、こともあろうに偏狂的な右翼保守系の「論客」と称する堺屋太一・渡部昇一らが鼎談の中で、この「保育園おちた日本死ね」のコメントを取り上げて、『だったらイスラムでも何処でもイイから出ていけばいい。』と揶揄しているのである。
この二人の御仁は経済力もあり、孫を預けなくても済む家庭環境があるはずであり、よしんば預けるにしても恐らくセレブな幼稚園に預けることは想像に難くない。
共働きしなくてはやっていけない若きパパとママの一家にとっては、できれば公立の保育所に入れることがベストであり、漏れれば保育料は高いけれど民間の保育所にでも何とか入りたい・・。そんな心情がこの偏狂保守の爺様たちには分からない。

 話を戻すと、幼保一元化についてはニュージランドの改革が参考になるのではないか、日本でも幼稚園はダブつき気味で保育園は逆に超不足状態だ。これを一元化(厚労省と文部省)して、国の機関がすべての施設の質を定期的に評価し、結果を園ごとに公表する仕組みを整え、保育の質の担保や行政事務の効率化を二十年かけて実現し、最終的に二〇〇七年に無償化したのである。(池本美香氏)
縦割り行政の中でナワバリに拘る官僚を制する強い政治力が欲しいものである。

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