この1~2年、畑に出ても光景が普段と違い何か変だと思っていた。
先日、珍しく一匹のモンシロチョウがわが圃区を横切って行った。『そうだ、春だというのにモンシロチョウがまるで居ない!』と独り言。
この時期はわが圃区のみならず大日農園のあちこちで数え切れないほどのモンシロチョウが舞っていたものである、つい1~2年前まで。
そして彼らは主としてキャベツを好みアオムシも大発生するのである。それほど多くは作らないわが圃区のキャベツにもアオムシは発生し、摘み捕っては踏みつぶしたりしたものだが、間に合わずキャベツの葉は網のように筋だらけになってしまったりした。
結球する部分をシッカリ食べられたりすると少々ハラが立ったものである。しかし、数年で絶滅せんばかりにモンシロチョウは見かけなくなってしまった。
理由は農薬の使用である。
大日農園は凡そ2haで20人ぐらいの人が借地をして畑作を趣味・実益を兼ねながら楽しんでいる。
中には玄人はだの人もいて、1反2反と耕していて収穫も見栄えといい量といいプロの農家にひけをとらない。
しかし、問題はやはり農薬を使用しているのである。
悪貨は良貨を駆逐するの譬えどおり、隣近所の菜園者も直ぐに真似をする。
収穫の見栄えと量を確保したいという欲が湧いてくるのであろう。
イワン・アサノヴィッチは無農薬農法をモットーとしているのである。
モンシロチョウやアオムシと追いかけごっこをしながら、休憩時には好きなタバコとコーヒーを飲むのも兼々業農家の大いなる楽しみである。
こんな牧歌的な空気を求めてくる人たちの集まる所にまで、効率化だとか見栄えや多収量という「市場の原理・要素」が入り込んでしまっている…と思うと情けない気持ちになる。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます