民主党の小沢一郎が代表を辞任したときの理由は『総選挙で自民党との対決を前にして、党内の混乱を防ぎつつ結束を高める為に辞任する』と述べた。
西松建設との不正な政治資金問題に関しての責任については言及しなかった。
TV番組の市民への聴き取りでは『政治資金問題で説明責任を果たしていない』と回答する人が少なからず居た。小沢が掛かる事実を知りながら敢えて言及しないという態度は欺瞞である。
一方、先月の千葉県知事選挙で当選した森田健作は「完全無所属」を一つの売りにして当選したのである。当選直後に市民団体から東京の自民党組織の支部長であることを告発されるや『選挙の政策は全部自分が考案した。自民党の政策は一つも使っていないから無所属だ』と詭弁を弄している。政治家の資質はないが政治屋の資質は十分な言動である。
”完全”という言葉まで使用していながら、これまた欺瞞でなくして何であろう。
小沢は大政党のトップ、森田は自治体のトップである。二人ともれっきとした大組織のトップという立場の人間である。
そんな二人がメデイアを使って国民に対し何ら臆することなく欺瞞を並べ立てた。
よく言われる言葉であるが、『組織のトップが襟を正す』ことがどれだけ大事なことであるかを認識していない態度と思われる。
イワン・アサノヴィッチはこの3月まで森田の前任者である堂本暁子の下で働いていた身である。
部下から見て堂本を評価すれば、褒められるようなことはあまり無かったといえる。
県庁内の透明性が少し感じられるようになったことや、県議の職員人事への個人的介入などが少なくなったことなどは評価できるが、批判材料は比して多い。
しかし、森田に対するような倫理的な軽蔑感は持たずに済んだ。心ある少なからずの職員はかかる軽薄なトップを迎えて暗澹たる気持ちであろう。
庁内には喜んでいる薄汚い役人連中もいると思うけれど…。
道州制が言われ始めている昨今、どういうわけか賢明な名物知事が全国から消えている。
反対にマスコミに騒がれるだけの、恰も吉本興業のタレント然とした知事ばかりが森田を始めとして並び始めている。
ただでさへ妖しい組織である都道府県の無用論が一気に台頭しそうである。
ともあれ、襟を正さない組織のトップは、早晩そのしっぺ返しを、自分の足下から受けることになりはしないかと危惧する。
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