乾いた晴天。
異父姉夫妻が、母の命日に御墓参りに来てくれることになって、異父姉夫妻は、県北から、県央に住む私を車で拾ってくれて、県南の菩提寺へ。
姉がまだ物心つかないうちに、母は、姉の父と離婚し、ひとり婚家を去った。
・・・そんな母のために、今年も命日に御墓参りをしてくれた。
継子(異母姉)や自分の息子などは、命日なんて忘れているだろうに・・・。
・・・そんなこんなで、昨日(3月6日)は、引越ししてもう4カ月経つというのに、未だ、ぐちゃぐちゃの拙宅を、せめて、少しでも見苦しくない程度には、片付けた。引越ししてから、一度もお墓参りをしていなかったから、墓所は、荒れておるだろうと思い、雪混じりの風雨のなか、墓所の掃除に出向いたのであった。
備えた花は、枯れており(義妹か、姪が手向けてくれたのであろうか?)、椎の木の下に在る墓所内には、ドングリが積もっているので、撤去するも、白い玉砂利が邪魔をして、思うように回収できない。
百均で、プラスチックの小さな熊手を購入したけれど、殆ど役に立たず。
川の断崖の上に立つ墓所は、冷たい川風が吹きっ晒しで、屈んでいるので、腰痛も酷くなる一方で、取敢えず、こちらも我が家同様、見苦しくない程度に、掃除して、撤収した。
お寺の境内には、去年と同じようにコヒガンザクラが、ミゾレ雪に打たれながら、その桃色の花を咲かせていた。
冷たい氷の粒に、ふるふるとその花びらを震わせていた。
一夜明けて。
私たちの訪れを待っていたかのように(別に待っていないか)穏やかな晴天に恵まれた母の命日。
義兄の運転する車で、県南の墓所へと向かう。
昨日、氷の粒にその身を打たれていたサクラも、少し開花が進んだようで、異父姉は、
『去年も、この桜咲いていたね。』
と感慨深そうに、スマホにその姿を収めていた。
御昼をいただき、県央へ戻ってきたのが、午後3時。
親族とはいえ、やはりまだ数える程しか会っていない人達なので、神経が疲れた。
湯に浸かり、すこしうとうと眠った。
昨日の帰宅前に、墓前に供える花を買う予定にしていた近所のスーパーに併設の花屋に出向き、明日7日の午前10時に間に合うように、花束を頼んでおこうと思っていたけれど、生憎、明日は、休業日だという。お彼岸を控えて、金曜日からは、休みなしで営業しますとのことだったけれど、こちらとしては、7日の朝イチの希望だったので、翌日、開店直後の生協スーパー内の花屋で向かった。
既に花束してあるものを2つ調達(本当は、少しお金を掛けて花束を作ってもらうつもりでいたけれど、時間も時間だったし、価格も予定より安価だったので)。
墓前ようなので、茎を短く切って貰う。
店内には、ミモザの花が、入荷されていた。
ああ、今年もミモザの季節だな。
母が亡くなった数日後、実家近くの結婚式場駐車の街路樹として花が咲いているのを初めてみて、亡くなった母は、明るいイエローの似合うひとだったな・・・なんて、悲しく懐かしく思った。
一枝買って、小さなブーケにしてもらった。
・・・それにつけても。
3年前から、3月は何かと、忙しいし、心の休まる暇がなかったなぁ・・・と思う。
やっとの思いで、ここまで来た感じで、気がつけば、沈丁花の花の香りがする。