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鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

『なめたらいかんぜよ!』夏目雅子さんと『鬼龍院花子の生涯』

2007-09-11 21:35:10 | 本・読書
朝方、土砂降りの雨に目が覚める・・・。
『・・・ってもう7時過ぎてるって・・・!!!』
新しい靴も、足に馴染まず・・・水溜りよけながら、ペタコン、ペタコンとコケそうになりながら、
走ったのだけど、諸行無常の鐘はなる・・・。


今日は、女優・夏目雅子さんの亡くなった日・・・27歳だったかな・・・28歳だったかもしれない・・・とにかく美しい女優さんでした。
ずいぶん、早く逝ってしまったひとでした・・・。


彼女の主演映画に、『なめたら、なめたらいかんぜよ!』の啖呵で有名な『鬼龍院花子の生涯』があります。
原作は、宮尾登美子さん。
私がこの本にであったのは、20代の初めの頃。

この有名なセリフは、映画と原作とは、全く違うシチュエーションで使われているのです。

ちなみに夏目雅子さんの役は、『鬼龍院花子』では、ありません。
『鬼龍院花子』のお姉さん(養女なので、花子さんとの血のつながりは、ありません)の松恵さんの役です。
鬼龍院家は、所謂、極道家業なのですが、この家に実家の困窮のため、養女として貰われて来た松恵さんの目を通した物語が『鬼龍院花子の生涯』なのです。

この『なめたらいかんぜよ!』のセリフも、原作では、苦労して一緒になった夫の田辺恭介を、戦争と病気で死なせてしまった松恵が、恭介の実家で、かたくなに分骨を拒む田辺家の人々の目を盗んで、恭介の遺骨の一片をやっと手にしたときに言うセリフ・・・。

映画と原作は、かなり違ったものがありましたが、スクリーンに映った松恵役の夏目雅子さんは、ホントウに、清楚で美しかったです。
亡くなる前の命の輝き・・・。

女優になる前から、いろいろ病気に悩まされた方だったと伺っておりますが、その片鱗さえ見せない、けれどもその病の翳りが憂いをおびた美貌に、紗をかけていたのでしょうか・・・

本当に綺麗なひとでした・・・。



『前巷説百物語・さきのこうせつひゃくものがたり(京極夏彦著)』

2007-08-26 15:55:15 | 本・読書
8月もあと5日間を残すばかりとなりました。

5月のゴールデン・ウィークの終り頃、『前巷説百物語(京極夏彦著)』を読み始めたんですが、途中、いろいろありまして、中断していたわけですが、夏の終わりの総決算・・・
途中まで読んだけど、また、初めから読み始めました。
(京極さんの作品は、とても面白くって、引きずり込まれるようにして、一気に読んじゃうんですけど、読み始めて、すぐ悪性の風邪に見舞われ、読書どころではなく、そのまま気になってはいたんですけど、4ヶ月も間が空いちゃいました・・・)
この『巷説百物語』は、全部で4作品出版されておりまして、京極さんの他のシリーズにも、絶妙にリンクしています
『前巷説百物語』の前に出版された(出版順です→)『巷説百物語』、『続巷説百物語』、『後巷説百物語』の順序で読んでいくのがベストだと思いますが、それぞれ、単品で読んでも、面白いと思います。

『前巷説百物語』は、まだ駆け出しの主人公・又一が、御行になるまでの物語ですが、
十代の山岡百介や、少女時代の山猫廻しのおぎんが、そして、前の3作品には、名前だけしか出てこない、靄船の林蔵、一文字狸などなど、そして、前3作品には、登場しない、鳥見の旦那(山崎寅之介)、えんま屋の元締(お甲)、長耳の仲蔵、手代の角介などなど、魅力的なキャラクターが綺羅星の如く、登場します。

京極夏彦さんの作品は、来年冬(?でしたか?)、堤真一さん主演で公開予定の映画『魍魎の匣』で、お馴染みの京極堂(中禅寺秋彦)シリーズがありますが、こちらを表の京極堂シリーズだとすると『巷説百物語(御行の又一シリーズ)』は、裏京極堂シリーズと言われていますが、まさにそのとおりですね。

『巷説百物語シリーズ』以外でも、単品の作品として、『覗き小平次』、そして、四谷怪談がベースになっていて、映画化(唐沢寿明さん、小雪さん主演)された『嗤う伊右衛門』
があります。暑い夏の夜向きでしょうかね。

ワタクシは、原作に対する自分のイメージが崩れてしまうので、映画は、見ていませんが、京極作品にとっかかりづらい向きには(本が厚い!物語が長い!など)、まず、映画をみてからは、原作を読んでみるっつーのも一つの入り方だと思っております。


夏に読みたい本『夜叉ケ池』と舞台

2007-08-22 22:51:53 | 本・読書


今日も、とびっきりの猛暑でございます。
お腹は、すいているのに、ナンカ食欲のない・・・多少夏バテ気味ですね。

毎年、夏になると読みたくなる本があります。

泉鏡花の『夜叉ケ池』でございます。

旱(ひでり)の村で、行方不明になった友人晃とその恋人百合に再会叶う学円。
その村の山奥の夜叉ケ池の主・白雪姫とその眷属達。
白雪は、恋人の白山剣ヶ峰、千蛇ヶ池の公達に会いたい・・・でも、白雪は、先祖と人間の交わした約束の鐘楼が、鳴り続ける限り、夜叉ケ池を離れることが出来ない・・・。
その鐘楼を守る晃と百合。

自室は、南向きなのに、現在も、エアコンをつけてなくて、扇風機がかき回す、熱気を含んだ空気は、赤道直下だ!!!(・・・って行ったことないけど・・・)状態の部屋に、籠って読んだりします。
『旱だよなあ・・・旱ってこんな感じかい?』
なんて、呟きながら・・・(バカじゃねーか・・・)。
短い戯曲なんで、読み切るのに1時間かからないし、読後は、エアコンのある茶の間へ避難して、あ~涼しい・・・。
ひと夏に1回は、このシチュエーションを体験しないと、何だか、夏になった気がしないんですね。熱中症にならなきゃよいのだが・・・。


去年の7月でしたか・・・歌舞伎座で上演されました。
泉鏡花の3大戯曲『海神別荘』『天守物語』も演目に入っていたようなんですが、あいにくチケットが手にはりませんでしたの。
坂東玉三郎さんの幻想的な儚げな美しさで見たかったお芝居です。

ネオ・歌舞伎『花組芝居』さんでも、10年くらい前に『夜叉ケ池』を上演しましたね。その頃、現在は、気象予報士の木原実さんもまだ、在籍されていたような気もするんですが・・・。

最近(といっても3年位前かな)では、松雪泰子さんの白雪、武田真治さんの晃、萩原聖人さんの学円で、パルコ劇場で上演されてました。
演出が長塚圭史さん(違うかな・・・)だったかと思います。

結構、舞台でやってますね・・・。

ところで、11月にBunkamuraシアターコクーンで上演予定の小栗旬さん主演の舞台『カリギュラ』チケットの抽選販売にハズれてしまいました。一般販売では、無理かな・・・。
ちょっとガッカリした夏の日でございました。