みどりの一期一会

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秘密保護法案:全国の新聞各紙の社説/民主主義に禍根を残すな/「廃案に」強まる声 国内外から懸念

2013-12-06 20:05:36 | ほん/新聞/ニュース
特定秘密保護法案の成立に向けて、与党は参議院での強行採決をする姿勢を崩さず、
緊迫した局面になっています。

きょう一日、仕事をしながら、時どきニュース速報をチェックしていたのですが、
午後8時現在では、採決には至っていないようです。

昨日今日は、国内外から反対の声が上がっていて、
新聞各社も一斉に、社説で「特定秘密保護法案」を批判的に取り上げています。

P-WANにアップしようとニュースをセレクトしていたら、
全国47社が加盟している共同通信の「よんななニュース」に、
加盟紙の社説がそろっていたので、47newsの記事をリンクして紹介します。

  社説:特定秘密保護法案―民主主義に禍根を残すな  
2013年12月6日(金)付 朝日新聞

特定秘密保護法案が、きのう参院の委員会で可決された。

 廃案や慎重審議を求める野党や多くの国民の声を押し切った採決強行だった。

 国家公務員法や自衛隊法など、国家機密を保護する法制度はすでにある。それなのに、なぜこれほどまでに無理を重ねて採決にひた走ったのか。

 単に秘密を守るという目的にとどまらず、それによって政府の権力を強めようという狙いがあるとしか思えない。

■1強のおごり極まる
 成立すれば、公布から1年以内に施行される。このままでは、民主主義の基盤である国民の知る権利に大きな影響が出る。将来に禍根を残すわけにはいかない。

 7月の参院選で衆参両院のねじれが解消したとき、私たちは社説で安倍首相に「民意とのねじれを恐れよ」と訴えた。

 自公両党に両院で過半数を与えた有権者の思いは、安定した政治のもと景気回復などに取り組んでほしいというものだった。日本の針路を白紙委任したわけではなく、数の力を振り回してはならないとの趣旨だ。

 懸念は、最悪の形で現実のものとなった。

 与党は地方公聴会の翌日に採決に踏み切るなど、なりふり構わぬ国会運営を繰り返した。

 この間、自民党の石破幹事長は国会周辺での反対活動を「テロ行為」になぞらえた。閣僚なら進退も問われる暴言だ。

 それでも何事もなかったかのように採決に向かった政権の姿勢は、1強のおごり以外の何物でもない。

 「丁寧な対話を心掛けながら、真摯(しんし)に国政運営にあたっていくことを誓います」

 首相に返り咲いた安倍氏が初めての国会演説でこう語ってから1年もたっていない。この変わりようには驚くばかりだ。

 自民党に票を投じた有権者のなかには、裏切られた思いの人も多いはずだ。「しばらく選挙はないから」と高をくくったような傍若無人ぶりは、記憶にとどめられるべきだ。

■行政府に突出した力
 情報を制する行政府の力が三権の中で突出して強くなるのは間違いない。

 不思議でならないのは立法府の姿勢である。みずからの国政調査権を侵しかねない法案に対する異議申し立てが、与党からは聞こえてこなかった。

 首相ら50人を超える「行政機関の長」が、その裁量でいくらでも特定秘密を指定できる。その情報は数十万にのぼる。そして実務を担うのは官僚だ。

 膨大な特定秘密が放り込まれる「情報の闇」には、はっきりとした出口がない。

 米国の国立公文書館のように独立性の強い機関が監察権限を持つ。あるいは議会か裁判所がその役割を担う。そのうえで将来は必ず公開という「秘密の出口」を保証する――。これらは、民主主義の国の秘密保護法制に不可欠の原則である。

 ところが首相に言わせれば、日本では官僚が指定した秘密を官僚が検証する委員会が、「第三者機関」なのだという。

 秘密を扱う公務員はプライバシーまで調べ上げられる。相手がだれであっても「漏らせば懲役」のプレッシャーは大きい。

 罰則の網は、民間人にもかけられる。政府からの請負業務で知った秘密を知人にうっかりしゃべっても、原発や基地の情報を探ろうとしただけでも、処罰される可能性がある。

 チェック制度が整った米国でさえ、ドイツ首相への盗聴といった情報機関の行き過ぎが明るみに出た。

 首相は先の党首討論で、「情報保全の法律をつくるのだから、秘密にあたる情報を収集しなければ意味がない」と語った。その真意は何か。よもや米国流の「盗聴国家」になろうというわけではあるまい。

■知る権利を取り戻せ
 このままでいいはずがない。

 きのうの審議で、菅官房長官はさらに新たなチェック機関の設置を表明した。形ばかりの組織にさせてはならない。それは国会の責任だ。

 情報公開法や公文書管理法の改正も急務だ。

 民主党は両法の改正案を衆院に出した。情報公開法改正案には、裁判官が文書を調べて開示の可否を判断する「インカメラ審理」が盛り込まれている。公文書管理法改正案は、政府に閣議などの議事録作成と30年後の原則公開を義務づける。

 さらに内容を高め、成立への努力を尽くすべきだ。

 自民党と足並みをそろえてきた公明党は、公文書管理法の改正には前向きだ。首相も国会で山口代表の質問に答え、改正の意向を示した。よもや忘れたとは言わせない。

 秘密保護だけ先行させては、日本は行政府の力ばかりが強いいびつな国になってしまう。

 そこを正せるかどうか、最終的には主権者である私たち一人ひとりにかかっている。


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【秘密保護法案・新聞各紙社説(1)】 あからさまな民意無視 
北海道新聞 河北新報 秋田魁新聞 岩手日報 茨城新聞(2013/12/06 47news)


【秘密保護法案・新聞各紙社説(2)】 内外の懸念無視の暴挙 
信濃毎日新聞 新潟日報 中日新聞 福井新聞 京都新聞(2013/12/06 47news)


【秘密保護法案・新聞各紙社説(3)】 審議は尽くされていない 
神戸新聞 山陽新聞 愛媛新聞 高知新聞(2013/12/06 47news)


秘密保護法案・新聞各紙社説(4)】 「良識の府」が「翼賛の府」に変質した日 
琉球新報 宮崎日日新聞 熊本日日新聞 沖縄タイムス(2013/12/06 47news)


  秘密保護法案:強行、また強行 与党、質問時間残し
毎日新聞 2013年12月05日

 「可決」の声は誰にも聞こえなかった。多くの不備を指摘されてきた特定秘密保護法案が5日、参院の特別委員会を通過した。与党は質問時間を残したまま自ら審議を打ち切り、野党議員の怒号の中、委員長はそそくさと立ち去った。日本の民主主義に大きな影響を与えかねない重要法案にもかかわらず、主権者国民を置き去りにした茶番劇。識者からは「参院の役割を果たしていない」と批判の声が上がった。【青島顕、日下部聡、臺宏士、斎川瞳】

 参院第1委員会室に緊迫した空気が漂い始めたのは午後3時過ぎ。維新の室井邦彦議員が質問を始めたころだった。「安倍政権は大勝しておごりが出ているのではないか。(審議は)荒れ放題だ。猛省を促したい」。室井氏が切り出すと議員傍聴席に詰めかけた野党議員から拍手が湧いた。

 「まだ衆院の半分も(審議を)やってないんだ!」「法案を出し直せ」−−。委員会室にやじが渦巻く。

 「議長!」。午後4時過ぎ、自民党の石井浩郎議員が突然、手を挙げて叫んだ。「委員長」と言うべきところを間違えたらしい。8人予定されていた質問者の7人目、宇都隆史議員(自民)の「国民に丁寧に説明すべきではないか」という質問に森雅子法案担当相が答えた直後。審議を打ち切り採決を求める動議だった。

 委員長席に野党の理事が殺到。マイクを奪って机をたたき、中川雅治委員長(自民)の発言を遮るかのように口の前に紙をかざす。自民党理事の佐藤正久議員の合図で与党議員が無言で起立した。中川氏は口を動かしたが、まったく聞こえない。午後4時7分だった。

 「何も聞こえていない。こんなのは絶対許されないぞ!」。仁比聡平議員(共産)が委員会室を退出する中川委員長の前に立ちふさがったが、一緒に出てきた多数の与党議員に押しのけられた。

 がらんとした委員会室では、民主党理事の福山哲郎議員が書類を机にたたきつけ、傍聴席に向かって叫んだ。「理事会では、今日採決なんて話は出てませんから!」

 「本当に採決があったのですか」。傍聴していた千葉県柏市の会社員、若井正幸さん(57)はあっけにとられた。そして「自民党議員が国民への丁寧な説明を強調していた直後だけに、なおさら強行採決は納得できない」と憤った。
 委員会室の外では、法案担当の官僚が資料の詰まったカバンを手に立っていた。記者が「堂々と採決してほしかったのでは」と声をかけると「国会は難しいところだね」とひと言。硬い表情で立ち去った。

 採決の様子をテレビニュースで知った元参院事務局部長の佐藤吉弘さん(91)は「参院は衆院の付属物になっちゃったね。まるで茶番」と切り捨てた。

 参院での合計の審議時間は24時間。衆院審議の7割の時間を割くのが通例だが、半分程度に終わった。

 安倍晋三首相は、秘密指定の監視をする機関や運用基準を決める有識者会議など、極めて重要な論点を採決前日に突然持ち出した。政府・与党は「審議を尽くした」というが、的外れと言うほかない。


  「廃案に」強まる声 秘密保護法案 国内外から懸念 
2013年12月5日  東京新聞

 国民の知る権利を侵害する恐れがある特定秘密保護法案に対し、反対を訴える動きが日本だけでなく、世界にも広がっている。安倍政権は今国会会期末の6日までに成立を目指すが、法案の危うさが明らかになる中、著名な文化人や芸術家、学者らだけでなく、あらゆる層の団体や市民らが廃案を求めて声を上げ始めている。 (関口克己)

 環境保護団体グリーンピース・ジャパンは三日正午までの二十四時間、ホームページを黒塗りにする抗議活動を実施。法案が成立すれば、国から開示される資料がさらに塗りつぶされると想定し、真っ黒の画面で「情報が真っ黒にされる時代で良いですか?」と問い掛けた。

 「原子力規制を監視する市民の会」など脱原発を訴える約二百七十団体は四日、法案に反対する声明を出した。「市民の会」の阪上武さん(49)は「今も原発に関する情報は秘密だらけ。秘密保護法案が成立すれば、情報開示請求をするだけで処罰されかねない」。

 反対を求める動きは、法案の目的の「安全保障」とは直接、関係がない団体にも広がる。成立して、国の秘密主義が強まれば不利益を受けるからだ。

 無駄なダム計画などに反対する団体でつくる水源開発問題全国連絡会(事務局・横浜市)は、十一月上旬に緊急声明をまとめた。会は「住民の暮らしと河川環境を根底から破壊する」として多くのダム計画の情報を入手・分析して国を追及してきただけに、法案が成立すれば活動が封じられるとみている。

 遠藤保男共同代表(69)は「国土交通相が理由を付けてダム事業を秘密指定すれば、国民がどんな計画か分からないまま、好き放題に造ってしまう」と訴える。

 法案反対の動きは、医療の世界でも始まった。三日には「法案に反対する医師と歯科医師の会」ができ、四日時点で二百三十人余が反対声明に賛同した。声明は「診療で得る患者の病歴などを、国に強制的に提供させられるかもしれない」と懸念する。

 呼び掛け人代表の麻酔医、青木正美さん(55)は「患者のプライバシーを国が踏みにじろうとしている。法案を後世に残すことは絶対にできない」と強調した。国際的にも、国連の人権高等弁務官が「政府が不都合な情報を秘密扱いする可能性がある」などと懸念を表明。多くの人権団体も反対を訴える。


秘密保護法、夫婦にたとえると?全日本おばちゃん党がネットドラマ配信(The Huffington Post 2013年12月05日 )


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12月5日(木)のつぶやき

2013-12-06 01:10:29 | 花/美しいもの

秘密保護法案:首相「強行」譲らず…5日、参院委採決-毎日新聞 mainichi.jp/select/news/20…


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