R君

R君。

小学３年生にして、人格が半年前と１８０度変わった。

以前は、授業中も徘徊し、他の子への授業妨害をする悪童だった。

発達障害ということで、通院し、治験をおこうことになった。

治験・・・つまり、米国などで開発された新薬を試行するボランティア、つまり、人体実験だ。

その報酬として、毎週、通院して１万円の手当が出るという。

R君は、母子家庭で、生活保護のような手当を受給している。

結果的に治験のために、R君の人格が豹変し、ますます、乱暴者、ならず者になってしまった。

学校という公教育の中では、とても手に負えない始末だった。

そこで、心療内科のある病院に入院をして治療をした。

何ヶ月か入院生活を過ごして、そこから、出て、ようやく落ち着いたまっとうな人間になった。

Rくん、少食ながら、食べ物に対して、強い関心と執着がある。

収穫した野菜を、他の子の何倍も喜んで家に持って帰る。

決して、豊かとは言えない生活のRくんだが、そのぶん、感謝したり感動したりする心は育っている。