毎日が夏休み

LEAVES THAT ARE GREEN TURN TO BROWN

17ページ 6行目 190

2016-12-29 23:51:51 | 本 2

 

2016年最後の9のつく日となりました。

年のラストは盛大に飾りたい!

という思いは思いとして胸に秘め、いつもよりしょぼいラストになりそうです。

 

いつものようにこの10日間に読んだ本の17ページの6行目をアタマから書き写し、

あとは紹介にも感想にもならない雑文です。

 

 

 

 

 人生が用意するもの/川上未映子

読んで、最初は「意外だなあ」と思ったけれど、いま思うとさもありなん、といった感じ

 

 

あれ? あれれれれ? 川上さんの書くものは好きなんだけれど、

最近どうも感激というかショックが足りなくて、私が慣れてしまったのか、

川上さん自身になにか変化があったのか。

つい最近読んだ穂村弘さんとの対談は光線ビガビガだったのに、どうしたんだろう。

ちらっと書いてあったけど未映子さんはアルコールがあまり得意ではないそうだ。

え? たしかスペインのカヴァ フレシネコルドンネグロの旅案内やっていなかったっけ?

お酒はあんまり向いていないと書いてあるけど、どうなのよと、そっちを真剣に考えてしまったのでした。

 

 

 

 

 

 南極のスコット大佐とシャクルトン たくさんのふしぎ傑作集/佐々木マキ

 25日、ブリザードの中、1度半デポ着。食糧、石油4分の1缶を手に入

 

 

佐々木マキさんの漫画は問題外。

南極関連の本はいろいろ読んでいるけれど、この本のいいところは写真がとてもきれいだということ。

何度も見てきた同じ写真でも解像度というのか、とても鮮明にはっきりと写っていて、

あの「世界最悪の旅」から戻った3人(ウィルスン、バワーズ、チェリー=ガラード)が、

真っ黒な顔と丸太のようなぼっこぼこの指で湯気の上がった飲み物を口にしている写真は生生しくて、

すごくリアルに「存在」を感じ取ることができる。残念ながらウィルスンとバワーズは極点隊に参加し亡くなってしまったけど。

それにしてもどうしてこうアムンセンの評価って低い設定なんでしょ。

関連の本を読めば読むほど、スコットが死後得た名声とアムンセンが生前成し遂げた偉業とがなんかどうなのと思うのですが。

 

準備の足りないところに必ず失敗がある。

人はこれを「不運」と呼ぶ。

完全な準備のあるところに常に勝利がある。

人はこれを「幸運」と呼ぶ。

 

アムンセンが残した言葉です。

ちなみに6行目に書いてある「石油4分の1缶」の記述はスコット隊の話で、

残りの4分の3はもれちゃていたんですね、寒さに缶の口金がきかなかった。

燃料は暖房、調理、雪を溶かして飲み水にするのに必要で、これが足りなくなると命に関わるのは明らかで、

雑で残酷なことをいいますが、もしもスコット隊が2番手ながらも生還していたら、世論はどうなっていたんでしょか。

アムンセンとスコットのことはさておき、シャクルトンは最強のボスで何度読んでもぐぐぐっとくるものがあります。

いいな、シャクルトン。

 

 

 

 

 

 極北 フラム号北極漂流記/フリッチョフ・ナンセン 加納一郎訳

いで足りよう。機関は時速十五キロを出せる程度の強さで、そのうえ、帆走できるように

 

 

さてさて、そのアムンセンの敬愛する尊敬するヒーロー、ナンセンの漂流記です。

発想がすごい。氷に捕まったまま未確認の海流に乗ってわざと漂流し北極点そばを通過しノルウェーに戻る、

それも5年分の食糧を積み、氷に粉砕されない船に乗ったらたどり着くはず。

その船というのがフラム号(フラムとはノルウェー語で前進とか進むという意味)で、

船底をまるくし、氷が押し寄せてきても挟まれることなくしゅるんと(これは私のイメージ)氷に乗り上げる構造で、

考えたナンセンもすごいけど、設計し造り上げた造船業者もすごい。

ちなみにこの船を借りて南極に行ったのがアムンセンです。

計画ではもう少し北極点のそばを通るはずだったのに、思っていたほど近づかず、

それではと犬ゾリで隊員のヨハンセンと二人で船から離れ極点を目指すのですが、

クマに襲われる、セイウチにカヤックをやられる、苦難の連続。

 

 

 

 彼がそのナンセンです。なんだかワンピースにそのまま出てきそう。

 

 

 

 で、今読んでいるのが、

 

 

アムンセンのユア号航海記。

フランクリン隊129名全員死亡した航路をアムンセンがアラスカまで完遂したときの航海記で、

これがとっても読みやすく面白い。

面白くて、ついさきほど自分専用本が欲しくなり、ぽちっとしてしまった。

中公文庫をクリックしそうになり、いや、ちょっと待てよ、中公文庫で2度軽いミスを犯している私は、

きっとその前(中公文庫前)の何かがあるに違いないと探してみたら、

写真や航海図や地図がたくさん載っている単行本があるのを見つけた。

2016年最後に買った本がアムンセン、2017年最初に届く本もアムンセン(笑)。

 

 

 

 というわけで、やっぱり極地本が好きなんでしょね、前にもむさぼり読んだのを、さらに範囲をひろげむさぼり読んでいます。

以上2016年最後の17ページシリーズでした。