毎日が夏休み

LEAVES THAT ARE GREEN TURN TO BROWN

17ページ 6行目 155

2015-12-29 23:56:56 | 本 2

 

2015年最後の17ページシリーズ!

今年読んだ本のベスト10でもやれば盛り上がりそうなんだけど、

もう自分でもこう乱読していると、いったい何をどう読んできたのか、いつ読んだのか、

かなりごちゃ混ぜになっているので、整然とベスト10なんて無理無理(笑)。

今年に入ってなのかなぁ、それとも去年から流れを引いていたのか定かではありませんが、

町田康さん、川上未映子さんは出会えてよかった作家さん。

川上弘美さんの東京日記は前に読んだときにはドン引きしたけれど、

今年はもう微妙にツボタッチで何度繰り返し読んだことか。

私も幸田文さんのように雑巾がけしたし。

って、これは幸田文さんではなく幸田露伴仕込みで青木玉さんだと思うんだけど記憶違いかな。

三浦しをんさんはすっかり小説家だということを忘れてしまっていたし、

ルメートルさんも読んだなぁ、もう勘弁してといいたくなるほどの残虐な場面も出てくるんだけれど、

一冊の文庫の中になにが書かれているのかついつい知りたくなリ読んでしまう。

 

と、こうしている間に2015年は刻々と過ぎ去って行くのだな。

 

気忙しい年末にあたり、さらさらさくさく読めるお気軽楽ちん本を読むぞと前回書いたはずなのに、

これが全然お気軽ではない本を読んでしまったのと、

余裕がないせいか、投げ出してしまった本が多々。

それではいつものようにこの10日間に読んだ本の(今回はアバウト)17ページの6行目をアタマから書き写し、

あとは感想にも紹介にもならない雑文です。

 

 

 

 

 家族という病/下重暁子

しい空間……。そこで個は埋没し、家族という巨大な生き物と化す。

 

う~ん、この本今売れているんでしょ? 

図書館で予約入れてあったのでこの時期に読むことができましたが。

考えかたって人それぞれだと思うんです。十人十色。

これがみな同じ方向を向き同じような考え方をしてしまうと、

それは怖いことになってしまいますが。特に単位が大きくなると。

読み始めてからすぐに、なんていうのかな、どうしてこう向きになって話をすすめなきゃならないのか、

筆者の育ってきた家庭環境に問題があったとしても、

その考えをどーんとすべての人に押し付ける(そう、押し付けているように感じました)のはどうなのかと。

もう少し引いた位置で書けないのかなと、不快感というか不愉快、苛立ちがむらむらをなってしまい、

前半で読むのをやめてしまいました。

一冊きちんと読了したならば納得のいく何かを見つけられたのかもしれませんが。

 

 

 

 

 いい言葉はいい人生をつくる/斉藤茂太

てきた液体にすぎない。だが、その雨を、日本人は実にさまざまに形容して楽しんでい

 

 

私、自分でも自覚しているのですが、

なにか辛いことや心にダメージを受けた時、こういう本を読む傾向にあります。

昨年はむさぼるように和田秀樹さんの本を読んで復活した。

今回は斉藤さんの本に手を出したのですが、27ページに、

【ものごとの悪い面ばかりを見ず、よい面に目を向ける方法は、専門的には「認知のゆがみを直す」といい、

うつの治療などにも用いられている。】と書いてあり、

私はうつではないけれど、なんだかこの一文、「認知のゆがみを直す」がパキンと効いたようで、元気復活。

120ページまでは読んだけど、もうあとは今度精神的ダメージを受けた時でいいかと終了。

ちなみに、さきほどの下重さんとはまるっきり逆の家族主義家族大好きな斉藤さんでした。

 

 

 

 

 誘拐/本田靖春

 だが、行くと返事をしてしまったからには、断るのも気がひける。豊子は、吉展と美子

 

吉展ちゃん事件ってご存知でしょか。

1963年に東京で起きた男児誘拐殺人事件。

吉展ちゃん事件という言葉は知っているけれど、どういう事件だったのかまでは知りませんでした。

たまたま書店で目に留まり、その後図書館で見つけ借りてきたのですが、

いやぁ、警察の失態には言葉を失いました。日本の警察って当時はこのレベルだったのでしょか。

犯人の脅迫電話の録音は被害者側(吉展ちゃんのご両親)が用意したものだし、

逆探知はまだ「通話の守秘義務」で日本電電公社が拒否。

身代金のお札の番号は控えることをせず、

身代金受け渡し現場に警官は遅れて到着、そのとき身代金はすでに無く、

犯人逮捕の失敗失策を吉展ちゃんの母親のせいにし、ひた隠し。

読んでいてそのお粗末さに気持ちがどんどん暗くなりました。

さらに、犯人の生い立ち。貧困。貧困。貧困。

重くのしかかってくる一冊でした。

 

 

 

 

 さかだち日記/中島らも

ん。

 

読み始めてからわかったのですが、この「さかだち」とは「酒断ち」のことでした。

中島らもさんは、前から読んで見たくて、何度か手に取ってみたことはあるのですが、

結局持ち帰ることはなく、今まで未読を通してきた。

先日、図書館で「日記」の棚(エッセーや小説ではなく、ジャンルが日記)にこの本を見つけ、

なにげなく最初のページを開いてみて、「わ!」と直感。

仕事場のワンルームマンションにいたときに頭の中で「死ね、死んじまえ」という声が聞こえてきて、

これに対し「何言うとんねん、ワシは生きるんじゃ」とか言ってワイルドターキーの1リットル入りを飲みながら、

3日間その声と闘い、でも結局その声に負けて、「どこかのビルに行って飛び降りようと立ち上がった瞬間、

脂汗が全身からタラーっと吹き出してきて、「ああ、おれは本当に死ぬんだな」と思ったそうだ。

でもちょうどそのとき、長年の仕事仲間のわかぎえふ氏が部屋に入ってきて、

「頼む、救急車でもなんでもかまへん呼んでくれ、自殺願望があるんや」と、奇跡的なタイミングで助かったと。

ここまで読んで、あ、この人は見てきたんだなと。

隠すように笑わせることばかり書いてあるけれど。

最初と最後に野坂昭如氏との「禁酒」「バイアグラ」対談が、これがまた深い。特にバイアグラ。深い?

アル中、依存症、この二人が語るとやけに説得力があり、この線、境界線、

アルコールに進んでしまう人と思い留まる人、

らもさんっていつも人生ぎりぎりで生きていたんでしょね、生き急ぐ死に急ぐ、

この本の5年後に酔って階段から落ち亡くなってしまいましたが。

そう、日記にニコラス・ケイジの映画「リービング・ラスベガス」の話が書いてあり、

たまたま私この映画を2度ほど観ていて、

とにかくひたすら飲んで飲んで飲みまくって自ら死に向かって追い立てる話なんだけど、

らもさん、わが身につまされるって書いてあるのよね。ゆるやかな自殺って。

書いてあるのに逝ってしまった。

 

 

 あとは数ページでやめてしまった本。

年末でなければ最後まで読んでいたかもしれませんが、今回は縁がなかったということで。

 

 

 吉祥寺物語/北沢秋

 

なんとあの大好きな合戦屋シリーズの北沢さんなのですが、なんと純愛青春小説だ!

合戦屋よりも前に書かれていたデビュー作らしいけど、なんだかぱっとせずやめてしまった。

やっぱり石堂一徹で私はいきたい。

 

 

 ドスコイ警備保障/室積光

 

 

これも年末でなかったら最後までさらっと軽く読めたかもしれない一冊。

 縁があったらまた読むことになるかもしれないし。

 

 

それと、ジャンル違いの本になりますが、

発作的にというか年越し行事にともなうストレス発散といいますか、

ウクレレの楽譜、それも海外版の英語の楽譜をぽちっとしてしまった。

ぽちっ、ぽちっ、ぽちっと3冊も! わぁ、身の程知らずここにあり。

きっとまた2~3週間かかるんでないかい? 年末年始だし。

ぽちっとしたのは数日前だから、来年の14日すぎあたりに届くと予想しております。

今日はワンピースの新刊買ってきたし。

大掃除も終わった。娘は明日帰ってくる予定。

今夜あたりからベルばらスタートしようかな(笑)。

来年こそは、家で眠っている自前の本読まなくては。

キングも読み返したいし、ノンフィクション系も読みたくてうずうずしている。

といいつつ、ぱっと目についたのにとびついてしまうのか私の悪い癖でして。

 

以上、2015年最後の17ページシリーズでした。