知命堂日記   ~  人間五十年、下天のうちをくらぶれば、夢幻のごとくなり ~ 2005.9.11

いつ死んでもおかしくない年のころ。
夢も希望もなく、やっと生きてます。
今を夢幻と思って、ただひたすらに…

生活保護の子孫に美田は残せず 2

2006-09-05 06:23:01 | Weblog
日本経済新聞が「65歳以上の生活保護者に自宅担保で融資・厚労省検討」と報じた。
 厚生労働省は、持ち家に住む65歳以上の生活保護対象者を対象に、自宅を担保にして生活資金を貸し付ける新制度を来年度にも導入するとのこと。同制度の利用を生活保護の給付に優先させる方針で、土地・建物の評価額が500万円以上の世帯に適用する方向で検討している。社会保障費の伸びを抑えると同時に、支給要件を巡る国民の不公平感を取り除く狙いがある。
 新制度は「リバースモーゲージ」と呼ばれる手法を活用、借り手が死亡した後、担保の土地・建物を売却するなどして一括返済する仕組みのため生前には返済負担がない。具体的には、住居用不動産の評価額の70%程度を上限に、生活保護費(6万―7万円程度)に医療費を上乗せした額と同水準を毎月貸し付ける。金利は大企業向け融資の指標となる長期プライムレート(最優遇貸出金利)並みに抑えるようである。
 基本的に、この政策には賛成である。ただし、その後の資産の売却やこの制度そのものを生活保護制度の中に組み込むのか、その前段の制度として位置づけるのかよく分からない。もし、生活保護前段の制度とすることは、資産保有者に対する生活保護が原則として凍結することとなる。この結果として、緊急保護による人命の尊重が疎かになることも否めない。

 実際、資産を保有しているものの、子ども等の扶養が行われないために現金が少なく生活保護となり、死亡後、子どもが資産を相続すると言った不公平が生じている。結局のところ、国民全体がその資産を相続させるためにお金を出し合っているようなものである。是非、この制度の定着を希望するところである。