Leikon's Photo Diary

写真とカメラなどに係わる独り言

最近、借りて読んだ本

2023年10月10日 12時01分29秒 | 日記など
図書館で「順番待ち」していた本が相次いで私の手許に来ました。

先ずは、笠井亮平 著『第三の大国 インドの思考』 激突する「一帯一路」と「インド太平洋」(文春新書)。インドを中心とした日中米露などの周辺国の相関関係を説明した本です。意地悪にいえば、そうした国々に関係した新聞記事や各政府の発表を纏めただけ。帯にある「インドが分かれば世界が分かる」に釣られて借りましたが、「インドの思考」はほんの少しだけ。寧ろ「中国の思考」の方が多くて、タイトルとはかけ離れていました(副題の方が内容に近い)。或る意味、酷い本です。加えて、細かいこと乍ら他国の Prime Minister は総て首相(モディ首相など)と表記していますが、日本だけ総理(安倍総理など)と使い分けているのが読み難いし、秘書官程度でもきちんと〇〇秘書官と初出でないときも略しても役職付きなのに 99 頁の二階幹事長(自民党、当時)だけ 2 回目から「二階」と呼び捨て(私、別に二階俊博氏のシンパではありません!)。二階というのは固有名詞だけではないので一瞬何のことかと思いました。
ただ、「あとがき」には「南アジアとインド洋を中心とした地域の動きを分析することで(中略)(印中日米による:白頭翁註)諸相を描き出したい」と云う企画で持ち込んだとあるので、タイトルがミスリーディングな点も著者の所為でなく、編集者を筆頭に出版社がダメなのかも。

次に、為末大 著『熟達論』(新潮社)。書いてあることは当たり前と言えば当たり前のことですが、熟達への段階が丁寧に書かれています。「走る哲学者」とも言われる著者ですが、最後の「空」まで来ると「走る禅者」と言いますか、東洋的な名人伝の域になります。ただ、著者の体験が詳述されているので説得力があります。二読しました。

借りて読んだ本ではないですが、渡辺保「歌舞伎劇評」から「今月の芝居」。10 月についていうと、歌舞伎座は概ね同意見ですが、国立劇場では「恋苧環」の三人はケチョンケチョン、「金殿」の菊之助にもダメ出しと白頭翁とは正反対の見解でした(涙)