goo blog サービス終了のお知らせ 

リタイア暮らしは風の吹くまま

働く奥さんからリタイアして、人生の新ステージで目指すは
遊びと学びがたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

殿はご乱心でござる

2013年11月18日 | 日々の風の吹くまま
今日もまた、テレビの24時間ニュースはトロントのフォード市長に「独占」されて、いい加減
にうんざりして来た。市長が怪しげな人たちと「クラックコカインを吸引している場面」というビ
デオがそもそもの発端で、そのビデオを買い取ろうとする怪しい人物がいたりして、結局ビ
デオは消去されて存在しないということで決着したように見えていた。それが、警察が市長
の取り巻きを捜査しているうちに、押収したコンピュータから件のビデオが見つかったという
びっくりニュースで、それ以来トロント市議会はてんやわんや。

フォード市長は連日テレビカメラに向かって、否認したり、認めて「たぶん泥酔していて」と謝
罪したりの大忙し。そこへ、(たぶん泥酔して)「アイツをぶっ殺してやる」と喚き散らしている
ビデオが浮上したと思うと、酔っ払い運転の常習者だとか、市長室に売春婦を連れ込んだ
とか、女性職員にセクハラしたとか、もうしっちゃかめっちゃか。それでも、否定したり、謝罪
したり、開き直ったりで、辞職する気はまったくなさそうなので、市議会が市長の権限と職務
を制限する議案を提出。ところが、議場では野次を飛ばす傍聴人に向かって行ったり、制止
しようとした女性市議を突き飛ばしたりの大立ち回り。

議案が可決されると、「クーデターだ」と叫び、イラクのクウェート侵攻に例えて、「キミたちは
クウェートに侵攻したんだよ」と市議会に「宣戦布告」。もしも、これが日本の時代劇だったら、
さしづめ家老が「殿、ご乱心なされましたかっ」と、わめいているお殿様の刀を取り上げると
いう場面かな。イギリスだったら、ロンドン塔に幽閉されちゃうところだろうな。アメリカではい
かにもアメリカ流にテレビのトークショーで連日連夜のパロディ。だけどなあ、民主主義国の
最大の都市の民主的な選挙で「税金のむだ遣いを切る」と公約して選ばれた市長だよ。何
かと物議は醸す人だけど、けっこう人気があったんだよ。それが、ほんとに、「殿、ご乱心」。

フォード市長の父親はオンタリオ州議会の議員だったそうで、先に母親がテレビに出て息子
を弁護していたけど、いったいどんな育てられ方をしたら、ああなっちゃうんだろうな。トロン
ト市議会は市長の職務の60%を予算とスタッフ共々副市長に移管したそうで、今後の市長
の仕事は「テープカット」、つまり儀礼的なことだけになるらしい。市長は来年の市政選挙で
は徹底して戦うそうだけど、はて、ほんとに殿はご乱心でござるぞ。