神魂神社から出雲大社に向かった。
鳥取県内では無料だった山陰自動車道もここでは有料だった。
出雲インターを出ると周りは延々と広がる田園地帯。
しばらく行くと民家や工場も見えてくるが、やはり田畑が目に付く。
民家が密集してきたのは旧大社駅の間近に来てからだった。
旧大社駅は大正13年の建造で、国の重要文化財に指定されている。
和風建築様式を取り入れた格調ある木造建築で、大正ロマンを感じるノスタルジックな駅舎は和風駅舎の最高傑作と言われている。
1990年のJR大社線の廃止後も、当時のままの状態で保存されており、今にも列車が到着しそうな趣きである。
もう少し出雲大社に近ければ、廃線の憂き目にあわずに済んだかもしれない。
大社駅をひととおり見学したら、次はいよいよ出雲大社である。
宇迦橋の大鳥居を過ぎると賑やかな門前町が現れ、その先に出雲大社の入り口「勢溜」の鳥居が見えてきた。
ここから駐車場を探してウロウロしたが、神門通り交通広場の駐車場になんとか車をいれることができた。
出雲大社については事前に勉強してきたつもりだった。
「祓社(はらえのやしろ)」にお参りすること、拝殿のお参りは2礼4拍手1礼であること、平成の大遷宮のこと、...
しかし、神楽殿の大注連縄ことを調べ忘れるという痛恨のミスを犯した。
正確に言えば、大注連縄のことは知っていたが、それは拝殿にかけられているものと思い込んでいたのである。
拝殿の注連縄を見て、「こんなものだったけ」と不審に感じたものの、他の場所があるとは考えなかった。
ここまで来たというのに、何という事だろう。
国宝の本殿も遠目に見るだけだ。
拝殿の後ろの八足門からは本殿を正面に見ることがきるが、近寄ることはできない。
御祈祷を申し込まないと中には入れないのだろうと思ったが、あとで調べたらそうではなかった。
一般客の御祈祷は拝殿で、団体客は神楽殿で行われ、どちらにしても本殿に近寄ることはできないのである。
寒川神社の御朱印帳を持参していたが、これに出雲大社の御朱印をもらうのは気が引けた。
出雲大社の御朱印帳を購入し、それに御朱印を頂いた。
この出雲大社の御朱印帳は文房具屋で売っているものよりも粗末で、御朱印にも神社名が書かれていなかった。
正直なところ、期待外れで落胆した。
そもそも観光のスタンスが良くないのかもしれない。
ここまできたら、御朱印よりも御祈祷を申し込んで御神札を授かり、一生の思い出にすべきなのだろう。
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