徒然なるままに 

BGMはモダンジャズ、暇つぶしの自分史

オバマ米大統領 被爆地に立つ

2016年05月27日 | 日記・エッセイ・コラム

5月27日、オバマ米大統領が、現職大統領として初めて被爆地・広島を訪問した。
安倍首相と共に原爆資料館を見学した後、原爆死没者慰霊碑に献花した。
その後、原爆ドームを背に、所感を読み上げた。
スピーチは15分にもおよび、「核兵器なき世界」への決意を強調した。
「広島と長崎は未来において、核戦争の地ではなく私たちの道義的な目覚めの地として知られるでしょう」と締めくくった。
抽象的で分かりにくい表現が多く、原爆投下の謝罪もなければ、その是非についても触れなかった。


世論は概ね好意的だが、はたして訪問の意味はあったのだろうか。
謝罪については、日本側も被爆者も要求してはいない。
そもそも、原爆投下で30万人以上の死者が出たからと言って、「1億総玉砕」を叫んでいた日本にそれを責める資格はない。
しかし、原爆投下の是非は別だ。
原爆資料館を見学すれば、それがあまりにも非人道的な残虐行為であったことに驚くはずだ。
見学時間はわずか10分程度、ただのセレモニーでおそらく何も見ていない。
原爆投下の是非を明確に言えない立場は分かるが、せめて原爆資料館を時間をかけて見学するぐらいの配慮は欲しかった。

英BBCは、「原爆を投下した唯一の国の指導者が犠牲者に献花した象徴的な意義は大きい」と報じている。
もしかすると、これは「核廃絶」を訴える日本外交の転機になるかもしれない。
今後、この国を訪れる要人の広島詣でが定例化することを期待したいところだ。

お気に入り名盤! ジョン・コルトレーン:A Love Supreme

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする